FX取引ができる時間帯はいつ?世界の為替市場をご紹介します!
FXに関する基礎知識
「FXに興味があるが会社員をしているため昼間は仕事があるので取引できない」、「友人がFXを始めたので私もやってみたいが子供がまだ小さくて子育てに時間がとられてしまうため取引の時間が作れそうにない」、とFXを始めることをあきらめてしまう人もいるようです。しかし、忙しくて時間がなかなかとれない人でもFX取引に参加することはできます。FX取引ができる時間帯と各時間帯の主役となる為替市場についてご紹介します。
FXはいつでも取引できる
FXにはいくつかの特徴がありますが、そのうちの1つとして、24時間いつでも取引できる特徴があります。
日本の株式への投資を行う場合、1部では夜間取引ができる場合もありますが、一般的には午前9時から午後3時までの間しか売買取引はできません。しかし、FXの場合は24時間売買処理ができますので、昼間にトレードの時間がとれない会社員や、まとまった時間がとりにくい子育て中の主婦などでもFX投資ができるというメリットがあります。
それぞれのライフスタイルに合った投資スタイルで望める点が24時間取引できるFXの魅力です。
為替市場の1日のサイクル
FXの取引が24時間できるのはどうしてでしょう?それは、世界各地の外国為替市場が時間の経過とともにリレーするように開いていくからです。日本でFX投資をすると為替市場の1日のサイクルは以下のようになります。
まず、日本時間の朝早くからオーストラリアなどのオセアニアの為替市場がスタートします。その後、アジアの市場が始まり、夕方頃にヨーロッパの為替市場が開きます。その後、日本時間の夜遅くになるとニューヨーク為替市場がスタートし、翌朝のオセアニア市場につながっていくというサイクルが繰り返されます。
各市場の時間帯や特徴は?
オセアニア為替市場の特徴
それでは、世界各国の主要な為替市場の取引時間帯や特徴について確認していきます。
まず、オセアニア市場です。オセアニア市場は、ニュージーランドのウエリントン市場とオーストラリアのシドニー市場の2つで構成されています。取引時間はだいたい日本時間の朝4時ぐらいから午後3時ぐらいまでです。
世界3大市場と呼ばれるニューヨーク、ヨーロッパ、東京などのアジアと比べると市場参加者は多いとはいえない市場ですが、オセアニア市場ならではの特徴があります。それは「窓開け」です。
週末開けは最初にオセアニア市場からスタートすることになりますので、前週末に政治や経済に大きな動きがあった場合は、週明けスタートに大きな値動きが発生することがあります。これをFXの世界では、「窓が開く」と呼んでいます。
FXブローカーによって取引開始できる時間帯が違いますので、素早く窓開けに対応するためにも、取引開始時間が早いブローカーを選ぶことも大切です。
また、日本のFX投資家にとっては、東京市場の直前に開いているのがオセアニア市場ですので、取引の流れがそのまま東京などのアジアの市場に引き継がれる可能性が高いです。そういった意味で相場の動向を注視すべき市場だといえるでしょう。
アジア為替市場の特徴
オセアニア市場の次はアジア市場がスタートします。アジア市場は、日本や中国そしてシンガポールなどの市場参加者が中心ですが、中でも東京市場は世界の大市場の1つに数えられる大きな市場規模を誇ります。そのため、アジア市場は世界の為替市場に大きな影響を与えることになります。取引時間は朝の3時から4時ぐらいから夕方6時頃までです。
ただし、アジア市場が開いている時間帯に為替相場に影響を与えるニュースがなければ、値動きは比較的小さい市場だといわれています。値動きが小さい相場をボックス相場といいます。
基本的には、オセアニア市場の流れを引きついで、多くの為替取引が行われることになります。そのため、トレンドに乗ってトレードするのが難しいことも多いですが、ボックス相場の中でコツコツと利益を積み上げることが大切になる市場だといえるでしょう。
ただし、日本のGDPなどの統計発表や日本銀行の金融政策決定会合に関するニュースに反応して、激しく為替レートが変化することもありますので、あらかじめスケジュールが決まっているイベント前後の相場には注意が必要でしょう。
ヨーロッパ為替市場の特徴
アジア市場の次はヨーロッパ市場の番です。ヨーロッパ市場の取引参加者は、ドイツ、イタリア、スイス、そしてフランス、イギリスなどの国の人が中心です。取引時間は、日本時間の夕方4時ぐらいから夜中の2時ぐらいまでです。
取引参加者が非常に多いため、ヨーロッパ各国の経済指標が発表されたりすると、アジアの市場の動きが小さかったとしても相場の流れが変わり激しく相場が動く可能性があります。そのため、FX取引を行う場合は、ヨーロッパ市場が始まるタイミングには要注意です。
ヨーロッパ市場の中では、ロンドン市場が圧倒的な取引量を誇ります。ヨーロッパ大陸とイギリスは時差が1時間しかありませんので、欧州各国の取引はロンドン市場に吸収されて大きな取引が行われることになります。ユーロという通貨は、欧州圏で30カ国程度が取引する通貨ですので、実需ベースでは大きな取引量になります。
欧州市場のオープン後の動きが落ち着くと、取引量は減り、NY市場が開始されると取引量が多くなっていくのが特徴です。また、ヨーロッパ市場が閉まる前の数時間は、ニューヨーク市場が開く時間と重なっています。
2大市場がともに開いている時間だけに、この時間帯は大きな取引が集中します。そのため、デイトレードをしている人は日本時間の夜中まで気が抜けないでしょう。
ニューヨーク為替市場の特徴
ヨーロッパ市場の最後の時間帯に開くニューヨーク市場は世界最大の市場です。アメリカとカナダの取引参加者が取引を行う中心です。日本時間の夜10時ぐらいから朝方7時ぐらいまでが取引時間帯です。
ヨーロッパ市場のところでも触れましたが、ニューヨーク市場が開いてしばらくは取引量が多く、値動きは荒くなることが多いです。また、他の市場と同様に、アメリカの経済指標が公表されたりFOMC(連邦公開市場委員会)の金融政策が発表されたりするタイミングでは、相場が乱高下する可能性がありますので、相場の動きを注視する必要があるでしょう。
ただし、そのタイミングは日本が真夜中ということもありますので、夜中は寝ているというFXトレーダーは朝起きてびっくりというケースもあるでしょう。金曜日の午後は、様子見ということで比較的落ち着いた相場になることが多いのも特徴の1つです。
海外市場には夏時間と冬時間がある
日本にはなじみの薄い話ですが、海外市場には夏時間と冬時間があります。ヨーロッパなどでは夏の夜が長いため、時間を1時間ずらす習慣が定着しています。そのため、日本時間から見たときに、夏と冬では、海外市場がオープンする時間が1時間変わることになります。
この夏時間と冬時間の切り替え時期は日付が決まっているわけではありません。そのため、FXをやる人は毎年いつが切り替え日なのかを頭に入れた上で取引する必要があるでしょう。
24時間取引できるFXの魅力を活かす方法
FX取引は、土日などの1部の日を除き、1日中、世界のどこかで市場が開いているため、切れ目なく取引をして利益を積み上げていける点が魅力です。また、投資家それぞれのライフサイクルに合わせて取引できるメリットもあります。早朝だけFX取引をする、昼休みと終業後に取引する、もしくは昼間は日常活動の時間にあてて夜間だけ取引をするということも自由自在に選べます。
FX取引の仕組みやリスクを理解しておくことは前提ですが、FXは無理して特定の取引時間に合わせる必要がありませんので、まずはできる範囲の時間帯を選んで試してみるとよいでしょう。また、さまざまな時間帯で取引することによって、世界中の動きを注意することになりますので、世界の動きも見えてくることも期待できます。