FX取引にかかる手数料は運用成果に影響を与える!
FXに関する基礎知識
為替手数料とは、外貨を両替する場合に負担する手数料のことです。海外旅行に行くときに日本円を外貨に交換したり、余った外貨を日本円に戻したりする場合にも為替手数料がかかりますし、外貨預金や外貨建てMMFに投資する場合にも為替手数料の負担が発生します。そして、通貨売買を行うFX取引においても為替手数料は発生します。そこで、FXの為替手数料について、手数料の種類や計算方法、税金との関係や運用に与える影響などについてお伝えします。
FXにおける為替手数料とは?
為替手数料の計算方法
FXは通貨売買を行う投資ですので、通貨を買う場合と売る場合があります。通貨売買は異なる通貨の交換が発生しますが、売買を行う場合はFXブローカーから提示される為替レートで交換が行われます。
この交換レートにはスプレッドと呼ばれるものが含まれていて、購入時は多く支払い売却時は少なく受け取る形でスプレッドが為替レートに加味されます。このスプレッドは実質的には為替手数料と考えることができるでしょう。
また、FX取引では、売買取引にかかるFXブローカーの役務提供対価として売買手数料も負担する必要があります。売買手数料は取引手数料と呼ばれることもあります。投資家にとってはスプレッドも売買手数料も通貨売買に伴って発生するコストであることに変わりありませんので、税法上の扱いは別にして、両方を合わせて為替手数料だと意識した方がよいでしょう。
スプレッドについては為替レートに含まれている形になりますので、FXブローカーが公表しているスプレッドに取引通貨量を掛けることでコストを計算することができます。
また、売買手数料は1万通貨の取引に対して片道いくらかかるといった形で決められている場合が多いです。買うタイミングと売るタイミング両方で発生しますので、手数料負担を計算する場合は片道の倍のコストがかかります。
為替手数料は運用成果に影響を与える
FX取引で利益を計算する場合、売却通貨量に売りレートを掛けたものが収入となり、購入通貨量に購入レートを掛けたものと往復分の売買手数料を合計したものが支出になります。
収入から支出を引いたものが利益もしくは損失となりますので、見かけ上のコストは売買手数料だけのように感じるでしょう。当然売買手数料が小さければその分だけ利益が増えることはわかります。
しかし、スプレッドも見えないコストとして発生していることを忘れてはいけないでしょう。為替レートに含まれているスプレッドの分もコストとして認識し、利益に与える影響を理解しておくことが大切です。売買手数料は無料としているFXブローカーであっても、スプレッドの幅が広ければ高いコストを支払っている結果になっている可能性がありますので、注意が必要です。
売買手数料とスプレッドを合計したものが運用成果に影響を与えていることを意識する必要があるでしょう。
為替手数料はFXブローカーによって違う
売買手数料やスプレッドといった為替手数料はFXブローカーによって違います。効率的に稼ぎたい場合は、両方を合わせた為替手数料が安い会社を選ぶようにすることが重要です。
売買手数料を無料にするFXブローカーもよく見かけますが、そういったFXブローカーは利益を得るためにスプレッドの幅を広げている可能性が高いです。そのため、FXブローカーごとにコスト比較をする場合は、売買手数料だけでなくスプレッドもあわせた合計コストで比較する必要があるのです。
売買手数料もスプレッドも単位当たりで表示されますので、1取引あたりの負担は無視できる範囲のコストだと感じる人もいるかもしれません。しかし、多くの取引を重ねていくと単位当たり為替手数料の差は小さくても、取引を積み重ねると結果として損益に大きな影響を与える可能性があることは理解しておく必要があります。
為替手数料と消費税の関係
為替手数料は消費税の課税対象?
為替手数料と消費税の関係についてはどうでしょう?手数料に消費税がかかるのであれば、FX投資家としてはコスト計算をする場合に考慮する必要がありますし、消費税は損益にも影響を与えることになります。
投資家から見た場合に為替手数料として認識するコストとしては売買手数料とスプレッドがあることは触れてきましたが、売買手数料は課税対象であるのに対してスプレッドは課税対象外であり、消費税法上の取扱いには違いがあります。
消費税の課税対象は、国内において行われた資産の譲渡、貸付そして役務提供とされています。手数料は役務に該当するものですが、外国為替業務に関する役務に関しては非課税という規定があります。通貨を交換する行為は通貨を消費するわけではないため、消費行為には当たらず非課税とされるのです。そのため、スプレッドはこの外国通貨の交換時の交換手数料という扱いになり非課税です。
一方、売買手数料は、FXブローカーのサービス提供の対価という扱いで、株式投資における売買手数料と同様に課税対象となります。
為替手数料と消費税以外の税金
消費税については売買手数料とスプレッドでは取扱いに違いがありましたが、FX取引によって生じた利益に対して課税する所得税や住民税、復興特別所得税に関してはどのような扱いになっているのでしょう?
通貨売却時のスプレッドに関しては、為替差益の計算上、収入を減らす形で考慮されることになります。また、通貨購入時のスプレッドは取得費を増加させる形で反映されます。つまり、スプレッドの分は計算上、自動的に所得を減らすことでコストとして認識できることになります。
また、売却時の売買手数料は譲渡費用として、購入時の売買手数料は取得費の一部として考慮でき、消費税も含めて譲渡費用、取得費に含めることができます。結果として、スプレッド、売買手数料ともに、所得税などの計算上では利益を減らすコストとして反映できるということになります。
FXブローカー別為替手数料の比較
売買手数料やスプレッドはFXブローカーによって違いますが、どの程度の違いがあるのでしょう?
まず国内FXブローカーですが、売買手数料は無料としているところが多いです。スプレッドは、アメリカドルの場合1ドルあたり0.3円程度だと狭く、1円未満だと高め、1円以上だとかなり高めだといわれています。ただしアメリカドルのスプレッドは広くても、他の通貨のスプレッドは狭いという場合がありますので、ご自身が取引したい通貨を中心にスプレッドを比較するとよいでしょう。
海外FXブローカーの場合も売買手数料無料という会社がありますが、その分スプレッドが広くなることが多いです。手数料が発生する場合のスプレッドは狭く設定されるのが一般的です。スプレッドに関しては、海外FXの方が国内FXよりも広く設定されている場合が多いです。
FXブローカーを決める段階では、その会社のホームページなどで手数料体系をよく確認する必要があるでしょう。
FX取引で効率的に稼ぐために海外FXブローカーまで含めて総合的に判断しよう
FX取引で効率的に稼ぐためには、コストの低いFXブローカーを選ぶことがポイントです。そのため、口座開設の段階で徹底的にコスト比較をした上でFXブローカーを選ぶことが重要になります。
FXブローカーを探す場合、国内FXブローカーの情報が目に入ることが多いと感じる人もいるでしょう。しかし、海外FXブローカーに関する情報もネットなどで国内FXブローカーと同じようなコスト情報を得ることは可能です。
海外FXブローカーは国内FXブローカーよりもスプレッド幅が広い傾向がみられますが、海外FXは国内規制の対象になりませんので、ハイレバレッジを実現できたり証拠金以上の損失が発生しないゼロカットシステムが使えたりするなどのメリットがあります。FXブローカーを選ぶ場合は、国内FXだけでなく海外FXも含めて総合的に比較をして決めることをお勧めします。