FX初心者は要確認!FXにかかる税金はどうやって計算するの?
FXの確定申告
FXは初心者でも簡単に始められるようになり、多くの方が興味を持ち、口座を開設しています。一方で、確定申告については何一つ知らないことが多く、いつの間にか無申告となってしまうことも増えました。どれくらいの利益から確定申告が必要なのか、また、給与がある場合はどうなのかなど、誰もが気になることを分かりやすくまとめました。
特に、頑張って得た利益を少しでも減らさないように、納税額を最小限にするテクニックもご紹介しているので是非参考にしてみてください。
まずは税金の対象者と内容について確認しよう
FXの利益も、給与と同じで所得と見なされます。納税対象者となるかは職業や収入によって変わりますが、どんな方でも38万円を超えてしまうと必ず対象者となります。
特に、給与所得がある方は雑所得に分類されるFXの利益が20万円を超えると、必ず税金を払わなくてはいけません。また、給与年収が2000万円超えの場合、雑所得は必ず課税対象となります。
ただし学生の場合、勤労による所得が給与所得控除65万円分を引いて年間65万円以下で、かつ勤労に基づかない所得が10万円以下であれば、勤労学生控除として27万円分が控除されます。
つまり、FXで10万円を超えて利益を出し、かつアルバイトなどで給与収入がある場合、納税の義務があると言うことです。少々ややこしいですが、アルバイトなどの所得がある場合は年間の給与明細を確認し、FXなどでどれくらいの額まで稼いでも無申告で済むのか理解しておきましょう。
税金を支払う時期はいつ?
課税対象はその年の1月1日から12月31日までとし、翌年の確定申告の期間に申告しなくてはいけません。
申告期間や納付の時期はおおよそ2月中旬から3月中旬までの1ヶ月間ありますが、その年々で多少前後する場合があるので、日付をしっかり確認しておきましょう。申請書類などの不備があると受け付けられないので、余裕を持って早めに書類を作っておくと無難です。
税金の納付方法は、1.口座から振替納税する、2.インターネットを利用して電子納税する、3.現金で納付、4.クレジットカードで納付の4つがあります。インターネットから行う場合国税庁のホームページにやり方や納付サイトがあります。また、現金などで納付する場合は近くの税務署に書類をもらいましょう。
利益に対する税金はどのくらいなのか?
課税対象となった利益は、その額にかかわらず一律20.315%という税率がかけられています。なぜこのように中途半端な税率になっているかというと、2013年度から25年間、復興特別所得税という税制が適応されているためです。
所得税に対して2.1%追加されます。20.315%の内訳は、所得税15%、復興特別所得税0.315%(15%×2.1%)、住民税5%となります。以前は利益額に応じて税率は増加していましたが、このように一律となったことでより多くの方がFXに参入するきっかけとなりました。
ちなみに、ここで言う利益というのは単純な利益ではなく、経費分を差し引いた利益のことです。例えば500万円稼いだとして、その利益を出すのに100万円の経費が必要だった場合、課税対象となる金額は400万円になります。
かしこく課税額を減らす方法として、海外FX口座を利用する手もあります。海外FXには累進課税が適応されるのですが、195万円以下の利益に対しては15%のみの税率となっています。つまり、年間195万円以下しか利益がない場合、国内よりも海外のFX会社を利用すると納税額が少なくて済むのです。
確定申告と税金の関係アレコレ
色々めんどうな確定申告ですが、FXについて必要な知識だけは整理しておきましょう。まず、課税には総合課税と分離課税があります。給与などは総合課税として、FXなどの雑所得は分離課税として課税され、分離課税は他の所得とは別にして考えられます。
また、経費と控除を抜いた金額に課税されるという特徴があります。経費としては書籍代などが考慮されるため、FXの勉強のために書籍などを購入した場合はその代金を利益から差し引いた分を申告します。
これまで確定申告について説明してきましたが、利益が出ていない場合、つまりトレード結果がマイナスの場合でも確定申告をしておくと良いでしょう。なぜなら、損失が出ている場合でも確定申告をしておくことで、次年度以降に出た利益を確定申告した際、申告済みのマイナス分を引いた額に課税させることができます。
この損失分は向こう3年間有効です。申告は義務ではありませんが、損失が出てしまった場合でも申告しておくと向こう3年に利益が出た場合、課税対象の金額が少なくなるためお得になります。それでは、実際の確定申告について詳しく見ていきましょう。
確定申告の取引証明書類とは?
FXの場合、申告書B第一表・第二表、所得税申告書第三表、先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書、取引履歴が分かる損益報告書、そして会社員の場合は源泉徴収票の4つか5つの書類が必要になります。これらはご自身の利用するFX会社から送付されたり、ダウンロードできたりするので早めに手に入れておきましょう。
また、損失分を申告する場合には申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)が必要になります。
もし、税金申告漏れがあったら
どんな小さな利益も税務署は把握しています。特にマイナンバーが導入されてからはすべてのお金の動きを見やすくなったので、故意に脱税しようとすれば必ず見つかってしまうと考えて良いでしょう。
故意に脱税してしまうと、追加課税として税額が50万円までの場合は15%、50万を超える場合は20%分を追加で支払わなければいけません。さらに、延滞税として納期限から2ヶ月以内は7.3%、それ以降は14.6%分も追加されます。そのため、最悪の場合追加で34.6%分を支払わなければならず、故意にしてもミスにしても、かなりの痛手となってしまいます。
当てはまることは少ないかもしれませんが、脱税している金額が1億を超える場合、起訴されることもあります。利益が高額になる場合は税理士さんなどに相談してしっかりとした申告をする方が良いでしょう。
決済していない場合の税金は?
基本的に、含み益、含み損は課税対象とはなりません。しかし、スワップについては各社で異なる場合があります。ポジションを決済しない限りスワップも確定しない場合、課税対象となりません。一方、スワップのみ毎日口座に振り込まれる会社の場合は、ポジションを決済していなくても振り込まれたスワップ分は課税対象となります。
特に年間38万円を超えたくない主婦や学生の方は、年末に含み益を決済せず持ち越したり、含み損を決済したりするというテクニックが使えます。
ただし、気をつけなければならないのは、法人としての取引の場合、保有しているポジションも課税対象となってしまいます。利益額が大きく、法人化してFX取引を行う方もいますが、個人として行う場合とは課税対象も変化するので注意しましょう。
納税が不要になるかもしれない経費について
給与収入がある方は20万円まで、主婦や学生など他の収入が無い方は38万円までは課税対象者とならないことは先ほどご説明しました。
さらに納税分を減らすテクニックとしては、経費を申告するという手があります。これは、利益を出すのに必要とされたお金のことを言い、例えばセミナー代や書籍代などが含まれます。また、意外なもので言えば筆記用具やパソコン代など、FXで利益を出すために使用したものは全て経費と見なすことができます。
ただし、どこまでの範囲が経費として認められるかは税務署が決定するため、申告の際にはとりあえず必要になった経費はすべて計上しておきましょう。その後、呼び出しなどがあればしっかりと説明できるように、領収書や履歴があると良いでしょう。よっぽど異常でない限り、そのまま通ることが多くなります。
課税対象者なら書類作りは入念に!
納税対象者となる基準から税率まで幅広くお伝えしました。毎年確定申告の時期になると用意しなければならない書類の多さにめんどうだと感じる方かもしれません。たとえ、利益がマイナスでも申告しておくことで後々利益が出たときに得になることを覚えておきましょう。
また、申告漏れなどが無いように、複数の口座を持っている方は全て入念にチェックし、漏れの無いよう申請しましょう。故意ではなくても、漏れがあった場合は倍近い税金を払わなければ行けません。せっかく頑張って稼いだ利益ですから、最後の締めまで気を抜かずに申告しましょう!