海外FXのキャッシュバックは魅力的！危険性を低減するポイント

一般的にFXの利益は、異なる通貨を売買（取引）し、その為替差益によって得ることができます。ところが、こうした為替差益に加えてもうひとつ別の報酬を得ることができる仕組みがあるのです。

例えば、海外のFX会社「A」を紹介している「Bサイト」があるとします。海外FXの口座開設を検討している「Cさん」が、この「Bサイト」を通してFX会社「A」に新規口座を開設。口座を開設すると、取引実績に応じて「Cさん」本人に「Bサイト」からキャッシュバックがされる仕組みです。こうしたキャッシュバックサービスを行っている「Bサイト」のことを総称して「海外FXキャッシュバックサイト」と呼んでいます。

国内FXに比べ、最大レバレッジ等の規制がゆるい海外FXの人気が徐々に高まっています。これに伴い、海外FXキャッシュバックサイトの数も増加しています。

海外FXキャッシュバックサイトは、各FX会社とIB（Introducing Broker）契約をしています。IB契約とは、「FX会社」と「FXキャッシュバックサイト」がアフィリエイト契約を交わしているのと同じ概念です。要するに、キャッシュバックサイトの運営者は、当該サイトを介して口座を開設したお客様（Cさん）の取引実績に応じ、FX会社から一定の報酬を受け取っています。

海外FXのキャッシュバックサイトは、こうして得たIB契約に基づく報酬を原資とし、その一部をサイト経由で新規口座開設をしてくれたお客様（Cさん）に対しキャッシュバックしています。キャッシュバックを得るためには、FXキャッシュバックサイト内に設置されている専用リンクから、各FX会社の口座開設手続きを進める必要があります。これにより、各キャッシュバックサイトから取引実績に応じたキャッシュバックを受け取ることが可能です。

一般的にキャッシュバックの種類は大きく2つに区分され、「取引ごとに発生するキャッシュバック」と「初回だけ発生するキャッシュバック」があります。

まず、「取引ごとに発生するキャッシュバック」の仕組みと流れは以下の通りです。口座を開設したトレーダーが取引した際に発生するスプレッドなどの一部を、当該FX会社がキャッシュバックサイトに報酬として支払います。キャッシュバックサイトは、こうして得た報酬の一部について当該キャッシュバックサイトを介し新規口座を開設したトレーダーへ支払います。

取引ごとに得ることができるキャッシュバック額は極めて少量です。しかし、為替差益に関係なく発生するので、取引回数の多いトレーダーにとっては継続的な報酬を得ることができるため、とても魅力的な仕組みといえます。

続いて「初回だけ発生するキャッシュバック」についてです。FX会社はIB契約を結んでいるキャッシュバックサイトに対し、新規口座開設の紹介手数料報酬を支払います。こうして受け取った報酬の一部を当該口座開設者に支払う流れです。

この場合のキャッシュバック額は、おおむね数千円であるのが一般的です。頻繁な取引ではなく、長期的な運用を考えている人にとっては魅力的といえます。ただし、口座開設後の入金額や、取引実績などに条件が設定されている場合もあるため手続きの際には要確認です。

キャッシュバックサイトを通じて新規口座開設をしたにもかかわらず、キャッシュバックが実施されないトラブルは残念ながら「ゼロ」ではありません。大切なことは事前に可能な限り調査し、信用できる業者であることを見極め、かつ、自身が納得したうえで口座開設手続きを進めることです。

業者を選ぶ権利は、利用者側にあります。では、トラブルの危険性を軽減するためには、どのように業者選びをすればいいのでしょうか。

重要なのは、キャッシュバックの原資となっている上流からの報酬が止まれば、必然的に下流への還元も止まる仕組みであることを理解しておくことです。つまり、大切なのは海外FX会社および、キャッシュバックサイトの両者の信頼性を包括的に見極めることです。それが的確に実施できれば、国内FXと同様で決して危険なことはありません。以下に、そのポイントを紹介します。

これは海外FXおよびキャッシュバックサイトの利用に限ったことではありませんが、自社の所在地や連絡先等を明らかにしていない事業者は論外です。どんなに魅力的な取引条件、キャッシュバック条件をPRしていたとしても、信頼性に乏しくリスクが高すぎるため取引するのは危険です。

日本国内では金融庁が金融業の監督指導を行っています。諸外国においても、金融庁と同等の機関が存在し、通常はこうした機関が各FX会社の許認可を行っています。

例えば、ニュージーランドであれば「ニュージーランド金融庁」がそれに当たります。したがって、新規口座開設先となるFX会社が自国において、こうしたライセンス（許認可など）を受けているか確認しましょう。

当然のことながら、ライセンスを受けている海外FX会社を多く紹介しているFXキャッシュバックサイトの信頼性は高くなります。一方、ライセンスなどのない海外FX会社を紹介しているキャッシュバックサイトの信頼性は低くなり、危険性も高まります。

また、海外FX初心者や初めてFXキャッシュバックサイトを利用する人は、可能な限り日本語によるサービスやサポートが充実している業者を選びましょう。サービスやサポート体制の充実度は信頼性の証といっても過言ではありません。

運営に自信があり、かつ継続が見込める業者であるほど、こうした部分は手厚くなる傾向にあります。万が一の際、日本語によるサポートが受けられるのとそうでないのとでは解決に向けた時間と労力に雲泥の差が生じます。

規約の確認も大切なポイントです。特に銀行振り込みなどの対応状況については重要です。入出金が円滑に実施されなければトラブルの危険性が一気に高まります。

また、事業が継続できなくなった際の保証、会社が破綻した際の顧客資金の扱いなどについての規約については必ず確認しましょう。基本的には全額保証を約束している事業者を選ぶのが安心安全です。

法的な情報開示以外にも積極的に情報開示を行っている事業者の信頼性は高まります。例えば、多国間におけるライセンス取得や口座数、信託先金融機関や管理状況などを積極的に開示している事業者は好感が持てます。

海外FXはキャッシュバックの仕組みを含め、とても魅力的とされています。こうした反面、一部では海外FXは危険、リスクが高いとされていることも事実です。

しかしながら、上述したように海外FXおよび、海外FXキャッシュバックサイトの利用は、決して危険なものではありません。危ないのは、仕組みを理解しないまま手続きを進めてしまい、信頼性を見極めることなく軽々に口座を開設してしまうことです。

余裕資金で運用することが大前提ですが、それだけでは決してリスクを回避することはできません。キャッシュバックの仕組みを理解し、上記したポイントを踏まえつつ業者の選択を適切に行うことが、リスク軽減の第一歩です。