海外FXで利益が出た場合の税金の払い方!確定申告の方法とは?
海外FX初心者のお役立ち情報
海外FX取引を行うにあたっては、利益を出す確率を高める取引手法やツールの使い方などの取引に関するノウハウを理解するだけでなく、税金に関することも知っておく必要があります。海外FXで生じた所得には税金が課税され、原則として確定申告が必要です。ただし、確定申告書の作成をした経験がない場合は、しっかり作成できるかについて不安を感じる人もいるでしょう。そこで、海外FXの課税方式や税金の払い方、確定申告書の提出期限や作成方法などについてお伝えします。
海外FXの所得に課税される税金は確定申告をして納付する
「確定申告」と「源泉徴収による年末調整」の違いとは?
所得税は申告納税方式を基本としています。申告納税方式とは、納税者自らが所得を把握したうえで税額を計算して税務署に納める方式のことです。
税額計算をして税務署に納める行為を確定申告といいます。確定申告は1~12月における1年間の所得が対象で、所定の様式を使用して税額計算を行うことが必要です。税額計算が完了したら添付書類とともに確定申告書を税務署に提出します。
確定申告を行うべき対象者は、原則として所得があったすべての個人です。ただし、例外もあります。
会社員などの給与所得者は、会社が税額計算を行ったうえで給与から納付すべき税額を天引きし、本人に代わって納税を行う仕組みが適用されます。これが年末調整です。しかし会社員が海外FXで所得を得た場合は、年末調整だけで課税関係を完結させることができないため、原則として確定申告が必要になります。
海外FXで確定申告が必要となる場合
海外FXで所得が生じた場合は原則として確定申告が必要ですが、確定申告不要の場合もあります。確定申告が必要かどうかは各種所得金額などによって変わってきます。
まず、海外FXによる所得が損失だった場合は確定申告が不要です。次に海外FXで利益が出た場合は、海外FX以外にどんな所得があるかなどによって申告の要否が決まります。給与所得者の場合は、海外FXの所得が20万円を超える場合に確定申告が必要です。20万円以下であれば申告の必要はありません。
自営業者などの給与所得者以外は、海外FXの所得とそのほかの所得を合算した総所得金額の合計が所得控除を超える場合に確定申告が必要です。例えば、海外FX所得しかない人で適用できる所得控除が基礎控除だけの場合は、海外FXの所得が基礎控除の38万円を超えると確定申告する必要があります。
税制における海外FXと国内FXの相違点
海外FXの税金を理解するうえでは、確定申告の仕組みだけでなく、国内FXとの税制の違いを知っておくことも大切です。
海外FXと国内FXでは所得区分や課税方式、適用税率のすべてが異なります。海外FXの所得は「公的年金等以外の雑所得」に区分され課税方式は総合課税方式です。税率については所得金額が増えれば増えるほど税率が上がる超過累進税率が適用されます。
一方、国内FX取引で生じた所得は「先物取引にかかる雑所得等」に区分されます。課税方式は分離課税方式です。分離課税方式では、ほかの所得とは合算せずに税額計算を分離して行います。適用税率は一律約20%で、株式などの金融商品から生じた売却益や配当などに対する税率と同じです。
海外FXの確定申告方法を税額納付
確定申告すべき時期
所得税の計算期間は暦年単位とされていますので、1~12月までに発生した所得が申告対象です。また、確定申告制度では申告書の提出期限も定められています。申告時期は原則として所得が発生した年の翌年2月16日から3月15日です。
提出期限までに確定申告書を提出できない場合、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課される可能性がありますので、申告期限内に提出するようにしましょう。
確定申告に必要となる各種書類の収集
確定申告に当たってはさまざまな種類の書類をそろえておくことが必要です。確定申告書そのものは当然必要となりますが、それ以外にも申告書に添付して提出すべき書類があります。
まず各種控除を受けるための証明書です。社会保険料控除を受けるためには国民年金や国民健康保険など支払った証明書が必要になります。自治体などから送られてくる書類を保存しておいて添付しましょう。
生命保険料控除や地震保険料控除の適用を受けるためには、保険会社から送られてくる保険料支払いの証明書が必要です。また、住宅借入金等特別控除の適用を受けている場合は、金融機関から送付される年末ローン残高の書類も添付する必要があります。
また、会社員の場合は、年末前後に会社から受け取る源泉徴収票も確定申告書に添付することが必要です。
控除の証明書や源泉徴収票以外に必要となる書類は必要経費の領収書と年間取引報告書です。海外FX所得は為替差益などの取引利益から必要経費を差し引いて求めます。領収書は必要経費の金額算出に必要になるだけでなく、税法上保存義務があることも知っておきましょう。
海外FXの所得を把握する際は、取引ツールの取引履歴ダウンロード機能を利用して年間取引報告書をダウンロードすることをおすすめします。いざ確定申告書を作成・提出するタイミングで書類がそろっておらず手続きが進められないということがないように事前に準備しておくことが大切です。
確定申告書の作成方法
確定申告書の主な作成方法は2つです。1つは印刷された確定申告書用紙を入手して手書きで作成する方法です。用紙は税務署でも入手可能ですが、国税庁のサイトからダウンロードして印刷することもできます。
もう1つは国税庁のサイトにある「確定申告書作成コーナー」を利用して作成する方法です。コーナーにアクセスしてガイドに従って必要箇所を入力していくと、自動的に確定申告書の作成が完了しますので便利です。途中で保存をすることも可能ですし、合計所得の算出や税額確定なども自動で計算してくれますのでミスなく作成できる点もメリットです。
どちらの方法でも作成の基本的な流れは同じです。住所や氏名を記載し、雑所得を表す「雑」の欄に1~12月の海外FX利益から必要経費を控除した金額を入力したうえで、適用可能な所得控除を記載します。課税対象となる所得が確定したら適用税率を確認して税額を計算して完了です。
確定申告書の提出
確定申告書の作成が終了したら税務署に提出します。提出方法は、税務署に持参して提出方法と郵送による方法、そしてe-Taxと呼ばれる電子申告による方法です。
申告期限の最終日に近くなると税務署が混むことが多いですので、持参する場合は早めに提出することをおすすめします。郵送する場合は、提出用だけでなく控え用の申告書と切手を貼った返信用封筒も封入して送付し、受付印を押して返送してもらいます。電子申告を行う場合はマイナンバーカードか住民基本台帳カードが必要です。
納付または還付
納付税額が発生する場合は、申告書の提出だけでなく税金を納付する必要があります。納税は現金一括支払いが基本で、納期限は申告書提出期限の最終日である3月15日です。源泉徴収などですでに支払った税額よりも確定申告により確定した税額が少ない場合、税金は還付されます。
まとめ
海外FXの税金についてはFXPLUSで調べてみるとよいでしょう。海外FX関連の情報がわかりやすく解説されているサイトです。
海外FXで利益が出た場合は翌年に確定申告をする必要があります。所得を得た個人は原則として確定申告が必要ですが、会社員の場合は年末調整で課税関係が終了するため、確定申告の経験がないという人も多いでしょう。
初めて確定申告書を作成して提出する場合は不安なものです。わからないことや不安なことがあれば税務署の職人に聞けば教えてくれます。また、税理士に依頼するというのも選択肢の1つです。
わからないから、面倒だからなどの理由で確定申告しないのはいけません。バレる可能性は高く、追徴課税が課されますので必ず申告しましょう。