サービス関連
XMには、プロのアナリストが相場の状況やトレードを行うタイミングを配信するサービスがあります。このサービスを「取引シグナル」と呼びます。
XMに口座開設をすれば無料で利用でき、相場が動いている日なら毎日2回レポート形式で配信されます。レポートの中には、実際にエントリーする価格や決済のタイミング、今後3日間の予測など、プロトレーダーがどのように相場を見ているのかを理解できます。
とりわけ、FXを初めて間もない初心者の方は、チャート分析のトレーニングに利用したり、デイトレードの参考にしたりできると思います。実際に数日間のレポートで配信された取引シグナルを検証してみましたが、勝率もかなり良い結果となりました。
この記事では、取引シグナルの見方や実際にトレードに活用できるのかを検証し、まとめています。
知りたい情報 TOP3(ここを読めば解る)
この記事の目次
XMの取引シグナルとは?どこで閲覧できる?
XMの取引シグナルとは
取引シグナルとは、「プロのトレーダーがどのようにチャート分析をし、どんなタイミングでトレードをしようと考えているのか、まとめたレポートを無料でダウンロードできる」サービスです。XMTrading(エックス エム)に口座開設をしていれば、すぐに利用できます。
配信時間は、ロンドン市場とニューヨーク市場が開場する時間帯です。夏時間(サマータイム)は1時間早く配信されるため、注意してください。
XMの取引シグナル配信時間
種類 | 配信時間(日本時間) |
---|---|
モーニングコール | 午後16:00~16:30 (夏時間15:00~15:30) ロンドン市場が開場する前に配信 |
アフタヌーンコール | 午後22:00~22:30 (夏時間21:00~21:30) ニューヨーク市場が開場する前に配信 |
XMシグナルはプロが配信
配信するのは、Avramis Despotis(アブラミス・デスポティス)さんです。Tradepedia社のCEOで、ファンドマネージャーなどの教育に20年以上携わっている、トレーダーを育成するプロ講師です。さらに、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリストの資格も保有しており、世界的に実力が認められている人物です。
XMの取引シグナルは、こんな悩みを持っている人におすすめです。
- 自分の勘を頼りに、感覚トレードをしている
- エントリーや決済のタイミングが上手くつかめない
- チャート分析に自信がなく、プロの意見を聞きたい
通常、他のサービスでは有料で配信されるようなプロの取引シグナルをXMの口座開設をするだけで閲覧できるのは、嬉しいサービスですね。とりわけ、初心者の方はプロのチャート分析の方法や考え方を吸収する学習ツールにできると思います。
ある程度トレードの経験がある人でも、デイトレードやスイングトレードの方向性を見極めるために利用できます。
取引シグナルの閲覧方法
取引シグナルは、XMでリアル口座を開設するとアクセスできる会員ページからPDF形式でダウンロードできます。リアル口座を開設する以外に手続きは必要ありません。
リアル口座の開設方法はこちらで図解しています。
リアル口座の開設が完了したら、以下の手順に従って、取引シグナルPDFレポートをダウンロードしましょう。
XM公式ホームページから会員ページにログインします。
会員ページにログインをしたら、メニューバーの「取引ツール」タブをクリックし、「取引シグナル」をクリックします。
上段で日付を選択し、モーニングコールとアフタヌーンコールを選択します。2020年現在、10個の主要通貨ペア・CFD銘柄の取引シグナルレポートをダウンロードできます。
取引シグナルレポートが配信されている銘柄
FX通貨ペア (全6種類) |
EUR/USD(ユーロドル) |
---|---|
GBP/USD(ポンドドル) | |
GBP/JPY(ポンド円) | |
EUR/JPY(ユーロ円) | |
USD/JPY(ドル円) | |
AUD/USD(豪ドル米ドル) | |
CFD銘柄 (全4商品) |
GOLD(金) |
OIL(原油) | |
US30 (ダウ平均株価指数) |
|
NIKKEI/JP225 (日経平均株価指数) |
XMの取引シグナルの見方を徹底解説
ここでは、取引シグナルのPDFレポートの見方について解説していきます。
XMの取引シグナルでは、どんな手法が使われている?
取引シグナルは、プライスアクション分析に基づいたスイングトレードです。さらに、アブラミス氏が考案した「リバーインジケータ」「スイングインジケータ」がチャート部分に描画されています。
リバーインジケータは、複数の指標と移動平均線を組み合わせたもので、考え方は「GMMA」に近いのではないかと思います。(厳密には分かりませんが...)
スイングインジケータは「Zigzag(ジグザグ)」のようなインジケータで、高値/安値をすぐに把握でき、チャートの形状も分かるようになっています。
取引シグナルのPDFファイルは、「相場データ」「チャート分析」「時間足別トレードシグナル」の3つのパートに分かれていて、それぞれに情報が盛り込まれています。
プライスアクションとは、価格の動きに注目して、ローソク足の形状や高値/安値を判断し、今後どのように変動するかを予想する分析方法です。以下の記事でプライスアクションについて解説しています。
取引シグナルレポートの見方とポイント
取引シグナルのレポートは、主に3つの部分に分けられます。
相場データ
XM 取引シグナルの相場データの見方
前回の クローズ |
現在値の前のローソク足の終値 |
---|---|
変化率 | 相場の勢いを示す数値。 プラスだと上昇の勢いが強く、 マイナスだと下落の勢いが強いことが分かる。 |
現在値 | 取引シグナルのレポート作成時 における価格 |
52週中の 最高値 |
過去1年間の最高値 |
52週中の 最安値 |
過去1年間の最安値 |
30日間ATR | 過去30日間のATR |
40日間ATR | 過去40日間のATR |
レポートの右上部分の「相場データ」の項目で注目したいのは、変化率、52週中(過去1年間)の最高値/最安値、ATRの数値です。
変化率を見ると、現在、どちらの方向にトレンドの勢いが出ているのかが分かります。52週中の最高値/最安値は、強力なサポート/レジスタンスになります。また、ATRでは、過去2週間のボラティリティが大きいのか小さいのかを判断できます。
ATRとは、TR(トゥルーレンジ)の14日単純移動平均を示したテクニカル指標です。
TRは、「真の値幅」という意味で、ボラティリティを計測する指標です。「当日高値-当日安値」「当日高値-前日終値」「前日終値-当日安値」のうち最大の値幅のものをTRとします。
ボラティリティの変化を見れば、トレンドの強さや転換などを知ることができます。日本ではあまり知られていませんが、米国では非常に重要視されているテクニカル指標です。
チャート分析
チャートにはリバーインジケータとスイングインジケータというアブラミス氏が考案した2つのテクニカル指標が描画されています。
リバーインジケータは、「金色」「青色」「茶色」の3つの帯で構成されています。
金色と青色の帯が重なっているときは、トレンドがない状態なので、レンジ相場です。一方、「金色」と「茶色、青色」の帯が離れており、白色の空白ができているときはトレンドが強いと判断します。
時間足別トレードシグナル
時間足は「60分足」「4時間足」「日足」の3種類で、それぞれで分析が異なります。
トレードシグナルの詳細は、5つの項目で解説されています。
1.トレンド&状態
現在のトレンドと相場の状況を示しています。
2.サポート&レジスタンス
サポートラインとレジスタンスラインの価格が示されています。それぞれ3つ候補が挙げられており、チャートには、サポートラインが「S1,S2,S3」、レジスタンスラインが「R1,R2,R3」と描画されています。
3.コメント
アブラミス氏のトレード方針が記されています。また、エントリーシグナルには表示されていなくても、条件を満たしたらエントリーする旨のコメントが入っている場合があるあります。この場合は、MT4/MT5であらかじめ注文を入れておけますね。
4.ポジション&取引の確率
ポジション&取引の確率の見方
買い | ポジションなし。 買いポジションを検討中。 |
---|---|
売り | ポジションなし。 売りポジション検討中。 |
ロング | 買いポジションを保有中。 |
ショート | 売りポジションを保有中。 |
待機中 | 相場が動くまで待機。 |
ポジションを保有しているかいないかで表現が異なっています。取引の確率が「高い」になっていれば、エントリーチャンスがあるということですので、チャートを見てチャンスがないか分析してみましょう。
5.エントリー、利益確定&損切りレベル
アブラミス氏の売買方法は、ポジションを保有したら2回に分けて決済するという方法です。最初に利益確定1ラインに到達したら、半分のポジションを決済します。残りの半分は利益確定2で決済しますが、リスクを回避するためストップラインを建値(エントリーライン)より上に移動させます。
分割での決済は、利益を確実に獲りながら伸ばすことができる方法で、上級トレーダーは使っている人が多いようです。利益確定2のラインまでいけば、かなりの利幅をとることができます。
実際にトレードに役立てられるのか検証してみる
ここでは7月に配信された取引シグナルについて検証してみます。
下記のルールで検証しました。
- 7月に入ってからエントリーしたポジション対象
- 分割で利益確定した場合、Pipsの計算は平均値とする
結果としては、ドル円がややマイナスになってしまった一方、ユーロドルとゴールドでは大きな利益を上げました。
ドル円はややマイナスに
ドル円の検証結果
日付 | エントリー | 決済 (TP=利益確定) |
Pips |
---|---|---|---|
7/6 60分足 |
107.750 (ロング) |
107.400 | -35Pips |
7/9 4時間足/確率 「高い」 |
107.200 (ショート) |
TP1:106.900 TP2:106.400 |
55Pips |
7/15 4時間足 |
107.100 (ショート) |
107.450 | -35Pips |
7/20 4時間足 |
107.450 (ロング) |
106.600 | -85Pips |
7/20 60分足 |
106.900 (ロング) |
TP1:107.000 TP2:107.150 |
17.5Pips |
7/24 4時間足 |
106.600 (ショート) |
TP1:106.300 TP2:105.700 |
60Pips |
【検証結果】
- 取引回数:6回
- 勝ち回数:3回
- 負け回数:3回
- 勝率:50%
- 獲得Pips:-22.5Pips
【総評】
ドル円は、7月前半はレンジ相場であったため、負けの回数が多くなった。後半はトレンド相場に転換し、成績を巻き返したものの、トータル成績ではマイナスになってしまった。トレンド相場に強く、順張りトレードが得意なよう。
全てTP2で利確していれば、40Pipsのプラスでしたが、残念ながらトータルではマイナス収支となってしまいました。60分足でのエントリーもありましたが、スイングトレードが基本の取引シグナルのため、4時間足のエントリーが多いです。
【注目】ユーロドルの取引シグナルは勝率70%
ユーロドルの検証結果
日付 | エントリー | 決済 (TP=利益確定) |
Pips |
---|---|---|---|
7/6 4時間足 |
1.1305 (ロング) |
1.12200 | -10.5Pips |
7/9 60分足 |
1.13100 (ロング) |
TP1:1.13300 半分は建値決済 |
10Pips |
7/9 4時間足 |
1.13100 (ロング) |
建値決済 | 0Pips |
7/14 60分足 |
1.13750 (ロング) |
TP1:1.14000 TP2:1.14400 |
45Pips |
7/14 4時間足 |
1.13700 (ロング) |
TP1:1.14300 TP2:1.15400 |
115Pips |
7/15 日足 |
1.14300 (ロング) |
TP1:1.15700 TP2:1.18200 |
530Pips |
7/20 60分足 |
1.14500 (ロング) |
TP1:1.15000 TP2:1.15800 |
115Pips |
【検証結果】
- 取引回数:7回
- 勝ち回数:5回
- 負け回数:1回
- 引き分け回数:1回
- 勝率:71.4%
- 獲得Pips:804.5Pips
【総評】
2020年7月、ユーロドルは大きく動きトレンド相場となりました。トレンド相場に強く、トレンドの出現を見逃しません。きっちりトレンドフォローができています。勝率も70%越え、805.4Pipsという驚異的な成績をたたき出しています。
CFDも負けない!GOLDの取引シグナル
ゴールドの検証結果
日付 | エントリー | 決済 (TP=利益確定) |
ポイント |
---|---|---|---|
7/6 60分足 |
1780 (ロング) |
TP1:1785 半分は建値決済 |
2.5 |
7/8 60分足 |
1780 (ロング) |
TP1:1795 TP2:1808 |
21.5 |
7/8 4時間足 |
1789 (ロング) |
TP1:1808 半分は途中決済 (レート不明) |
9.5 |
7/9 60分足/非常に高い |
1814 (ロング) |
1805 | -9 |
7/17 60分足 |
1802 (ショート) |
TP1:1796 半分は建値決済 |
3 |
7/20 60分足 |
1812 (ロング) |
TP1:1815 TP2:1821 |
6 |
7/21 4時間足 |
1818 (ロング) |
TP1:1835 TP2:1864 |
31.5 |
7/23 60分足 |
1866 | TP1:1877 半分は建値決済 |
5.5 |
【検証結果】
- 取引回数:8回
- 勝ち回数:7回
- 負け回数:1回
- 勝率:87%
- 獲得ポイント:70.5
【総評】
2020年7月の金相場は歴史的な大暴騰相場でした。取引シグナルも、絶好のトレンド相場を見逃しませんでした。GOLDはFXとPipsの考え方が違うため、単純に比較はできませんが、70.5ポイントは大きな利幅です。
トレンド相場が現れたとき、どこで決済するかが一番悩むのですが、取引シグナルを参考にすれば、余計な心配もなくなります。
XM取引シグナルのコツと注意点
結論として、XMTrading(エックス エム)の「取引シグナル」を完全コピーするというのは実際には難しいでしょう。
それでも、私がXMの取引シグナルはとても有用なツールだと思う理由と注意点を紹介していきます。
コツ1)プロの考え方を吸収する
XMの取引シグナルは、毎日の相場状況をリアルタイムで配信します。リアルタイムの相場について、プロトレーダーがどのようにチャート分析しているのかが詳細にレポートにまとめられています。
正直に言うと、有料でもおかしくない情報だと思います。XMに口座開設をしたら、ぜひ利用してトレードに活用しましょう。
XMの取引シグナルは、4時間足以上であれば、事前にIFO注文を入れてコピーも可能です。
IFD(イフダン)注文とOCO(オーシーオー)注文を組み合わせた注文方法。
ドル円であれば、「もし、110円になったら新規で買いたい。そのあと、もし112円まで上昇したら利益確定したい。もし109円まで下がったら損切りしたい」というように、新規注文を発注し、かつ2つのシナリオで決済させる注文方法です。
それに加えて、取引シグナルからプロの考え方を吸収すると、もっと効果的だと思います。私がおすすめする「プロの考え方を学ぶ方法」を紹介します。
STEP1.自分でチャート分析をする
XMの取引シグナルを閲覧する前に、簡単でいいので自分でチャート分析をしてみましょう。取引シグナルは、基本的に順張りトレード方針です。節目となるサポートラインやレジスタンスラインを自分で探してみます。
「トレード方針を作成するとしたら、どこでエントリーして決済をするだろうか」とイメージしてみてください。時間が許せば、取引レポートと同じ1時間足、4時間足、日足のそれぞれの時間足別に順張りのトレード方針をイメージしてみます。インジケータはお気に入りの使いやすいツールで大丈夫です。
また、慣れるまでは自分が取引をしたい通貨ペア・銘柄1つずつにすると良いでしょう。
STEP2.取引シグナルと、どこが違っていたのか確認する
取引シグナルが完全に正しいとは限りません。ただ、プロトレーダーがなぜ取引シグナルのような方針にしたのかを考えると、効果的です。実際にその後の動きに注目しましょう。
かなり地道な作業になりますが、実際に勝率の高いトレードのノウハウを学ぶのが、トレード上達の秘訣です。裁量トレードは、「相場の感覚」や経験がどうしても必要です。取引シグナルを学習ツールとして活用すれば、トレードの基礎力が自然と身に付いていくでしょう。
コツ2)ポジションを少なめにして、分散投資する
取引シグナルは、トレンド相場では素晴らしい成績となりますが、レンジ相場は得意ではなさそうです。ただ、いつトレンドになるかということは分かりませんので、できるだけポジションを少なめにして、リスク分散しましょう。
取引シグナルが提供されている通貨ペア・銘柄から2つか3つを選んで取引を真似してみましょう。
注意点1)シグナル配信まで時間差がある
XMの取引シグナルの注意点は、レポート作成から配信時間まで時間差があることです。レポートは、配信時間になる前に作成されているので、配信された時点で相場がすでに動いてしまっているという場合があります。
注意点2)スイングトレードなので、すぐに約定しない場合がある
取引シグナルは、数日間ポジションを保有するスイングトレードを想定しています。人気のあるスキャルピングやデイトレードではないため、約定まで時間が掛かる可能性があります。
また、ある程度のドローダウンがあります。ポジションの持ちすぎには注意が必要です。そして、必ずストップロス注文をしておきましょう。
(まとめ)取引シグナルを活用して、上級トレーダーを目指す
ここまで、XMが提供している取引シグナルについて解説してきました。そもそも、XMにそんなサービスがあることを初めて知ったという人も多いと思います。1日2回、当日の相場の状況やプロがどのように考えているのかをレポート形式で閲覧できるのは、とても勉強になります。
取引シグナルは、トレンド相場になったときに非常に良い成績となる傾向があるようです。4時間足や日足で、決済価格まで余裕があるならば、途中からエントリーするというのも良いと思います。
取引シグナルと同じ価格でエントリーできなくても、トレンドが発生していると分かったら、レポートを見て、どこで決済するかを確認するというように活用できますね。
プロの考え方や相場の見方をレポートから学んで、プロのノウハウを吸収する学習ツールとするのも効果的な方法です。いずれはトレード方針を作成し、オリジナルのチャート分析ができる上級トレーダーを目指しましょう。
まず、事前にチャート分析をして、それからXMの取引シグナルレポートを見て、同じ方針なのか、それとも全く異なっているのかなど比較してみるのも良いと思います。
当社では、XMのサービスやスプレッドなどに注目した記事、主要海外FX業者7社を比較した記事を公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。