トレード手法関連
「VIX指数が急上昇!」というニュースの見出しを見たことがある方も多いでしょう。最近では、2020年3月のコロナショックの際に、VIX指数が急騰しました。
VIX指数とは、Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)の略称で、「恐怖指数」とも呼ばれています。金融危機や経済に悪影響を及ぼすことが予想される事態が発生すると、VIX指数は急騰します。一方、株価が上昇し経済が順調になっているときには、VIX指数はほとんど変動しません。
コロナショックのような大規模な危機が迫ると、注目される指標です。
実は、Titan FX(タイタン FX)とHotForex(ホットフォレックス)などの一部の海外FX業者では、このVIX指数がトレードできるんです。
CFD銘柄なので、買いでも売りでもトレードができます。VIX指数はチャンスがあれば非常に稼ぎやすい銘柄、まさに「危機をチャンスに変えるCFD銘柄」です。
今回の記事では、VIX指数の紹介と実際にどのようにトレードしていくのかを具体的に解説します。
知りたい情報 TOP3(ここを読めば解る)
VIX指数ってそもそも何?
VIX指数という名前は聞いたことはあるものの、イメージが湧かないという人も多いと思います。実は、VIX指数は米国のS&P500(エス・アンド・ピー)という株価指数と深いつながりがあり、株価が急落したり先行きが不透明な状態になると、経済ニュースで取り上げられる有名な指標です。
世界が注目するVIX指数の魅力に迫っていきましょう。
恐怖指数と呼ばれるVIX指数
VIX指数の正式名称は、「Volatility Index(CBOEボラティリティ指数)」です。別名「恐怖指数」としても知られています。「S&P500」という株価指数の値動きをもとに、米国シカゴオプション取引所が算出している指数です。
VIX指数は「今後30日間でどの程度S&P500のボラティリティが予想されるのか」ということを示します。
S&P500の週足チャートをご覧ください。
2008年のリーマンショック(①)から2021年1月までのS&P500週足チャートです。
景気が安定していると、株価は緩やかに上昇を続けます(②)。このような状況だと、ボラティリティは低くなります。一方、株式市場が不安定になると、毎日のように株価が乱高下します。2008年のリーマンショック(①)や2020年のコロナショック(③)のときは、S&P500も大暴落となりました。
では、同じ期間のVIX指数の価格変動を確認してみます。
S&P500とVIX指数の動きが全く逆の動き、つまり「負の相関関係」にあるということが分かります。
S&P500とVIX指数 負の相関関係
VIX指数が急騰している | S&P500のボラティリティが高くなっている |
VIX指数が安定 | S&P500のボラティリティが安定している |
株式市場のファンダメンタルが悪化し、最高潮になるのと同時にVIX指数の数値も最高値となります。一方、ファンダメンタルがよく順調にS&P500が上昇しているときにはVIX指数の価格変動は小さくなります。
VIX指数が跳ね上がるときは、「市場が恐怖を感じているセンチメント(雰囲気)」です。このような理由で、VIX指数は「恐怖指数」と呼ばれています。
S&P500について考えよう!
前章の中でS&P500という株価指数が出てきました。もしかしたら、馴染みがないかもしれません。
VIX指数について解説する前に、S&P500(エス・アンド・ピー500)について知っておきましょう。実は、朝の経済ニュースでも紹介されているのですが、ダウ平均株価と比較すると、耳慣れないかもしれません。
アメリカの代表的な株式指数で、ニューヨーク証券取引所、ナスダック(NASDAQ)に上場している米国の代表的な500銘柄の値動きを基に算出されます。
米国の代表的な株式指数の種類
ダウ平均株価 | 米国を代表する上位30銘柄で構成 |
S&P500 | 米国を代表する500銘柄で構成 |
ダウ平均株価は非常に優良な30銘柄のみで構成されているのですが、S&P500はニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している500銘柄で構成されています。S&P500の方がより明確にアメリカ全体の株式市場を反映している指数と言えます。実際には、比較してみると、ほとんど同じ値動きなのですが・・。
世界的に有名なウォーレン・バフェットはご存じの方が多いと思います。彼は、世界三大投資家の1人なのですが、自分にもしものことが起きたときのために妻へ遺言を残しています。
そのアドバイスでは、資産の10%を米国国債に、残る90%をS&P500のインデックスファンドに投資することを勧めています。安全資産である国債と、市場全体の値動きに成績が連動するインデックスファンドの組み合わせです。
S&P500に資産の90%を投資するというのは、現実的ではなくとも、彼が相当信用していることが分かりますね。
VIX指数の数値は何を示す?
VIX指数の数値について詳しく見ていきたいと思います。VIX指数と数値の関係についてまとめてみました。
VIX指数の数値による市場の動き
0~15 | 市場全体に楽観ムードがある |
16~20 | 市場が正常な状況である |
21~25 | 市場全体に不安材料がある |
26~30 | 市場全体に混乱が生じ始めている |
31~45 | 市場全体が混乱状態になっている |
46~ | リスクが極端に高まり、異常な状況である |
このVIX指数の数値は、「今後30日間のS&P500のボラティリティ(価格変動幅)」を示します。VIXの数値は年利換算された数値ですので、変動幅は以下のようになります。
VIX指数の数値とS&P500の予想ボラティリティ
VIXの数値 | S&P500の今後30日間の 予想ボラティリティ |
---|---|
10 | +/- 2.9% |
15 | +/- 4.3% |
20 | +/- 5.8% |
25 | +/- 7.2% |
30 | +/- 8.7% |
35 | +/- 10.1% |
85.5 (コロナショック) |
+/- 24.6% |
96.4 (リーマンショック) |
+/- 27.7% |
VIX指数の動きを見れば、世界の投資家が考えている先行きが客観的に理解できます。
VIX指数が上昇を始めたら、S&P500の値動きのボラティリティが高くなっていることを示します。つまり、ファンダメンタルズが悪化して相場が不安定になり、乱高下しやすくなっている状況です。ポジションを保有しているのであれば、決済することを考える指標の1つともなります。
VIX指数と聞くと、古くから使われているようなイメージがありますが、経済の歴史から見ると、意外と最近です。1993年にS&P100という指標をもとに発案されたのが始まりです。当時は、100銘柄で構成されていたS&P100という株価指数をもとにVIX指数が計算されていました。
現在のS&P500を使いだしたのは2003年で、現在もS&P500をもとにVIX指数が算出されています。ダウ平均株価や他の有名指標と比較しても、新しい指数ですね。
それでも、世界のトレーダーが注目している重要指標の1つに数えられています。
過去のチャートで動きを確認してみよう
VIX指数とS&P500のチャートを比較してみました。今まで、幾度となく株価や為替の大暴落がありましたが、とりわけ影響が大きかった下記の4つを見てみます。
VIX指数と出来事
番号 | VIX指数 | 出来事 |
---|---|---|
1 | 96.4 (史上最高値) |
リーマンショックと世界金融危機 |
2 | 48.2 | ギリシャ財政破綻危機 |
3 | 53.3 | 中国経済失速懸念 |
4 | 85.5 | コロナショック |
コロナショックは史上2番目の数値でしたが、S&P500の時価総額が約10年間で2倍になっていることを考慮すると、どれだけの大暴落が起きたかが理解できます。
次の章では、VIX指数の日足チャートを使って実際のトレードのコツを見ていきましょう。
VIX指数のトレードのコツは?
私はFX通貨ペアを中心にトレードしているのですが、今回VIX指数CFDトレードに挑戦してみたので、レビューします。
VIX指数のチャートは分かりやすい
VIXの特徴的な動きですが、「急激に上昇した後は、下落して元の水準に引き寄せられ」ます。
FX通貨ペアだと、そのままトレンドが発生するということもありますね。しかし、そもそもVIX指数はボラティリティを示しているので、高くなったボラティリティはいずれ収束していくため、ある程度の上限・下限が決まっています。
コロナショック後のチャートを見てみると、VIX指数が20近辺になると、反発しています。「VIX指数=20近辺」が示している投資家心理は、「市場に不安材料があり、懸念されている状況」でした。
コロナが収束しないと通常の経済活動ができないことを考えると、20を大きくは下回らないのではないかと予想できます。ファンダメンタルズを考えれば、FX通貨ペアよりもチャートの動きが読みやすいのではないでしょうか。
VIX指数に直接投資することはできませんが、Titan FX(タイタン FX)やHotForex(ホットフォレックス)などであれば、VIX指数に連動したCFD銘柄を提供しています。CFD銘柄なので、「買い/売り」のどちらからでもエントリーが可能です。
ファンダメンタルズがポイント
VIX指数の重要なポイントは「ファンダメンタルズ」です。「このままで大丈夫かな」と投資家が不安になるような出来事が起こったときがVIX指数トレードのチャンスとなります。
まさに「危機をチャンスに変える」のがVIX指数トレードです。
ただし、事前に「危機」を察知するのは非常に難しく、実際に何らかの懸念材料が発覚したときは、追いかけられないような速さで乱高下しながらVIX指数は上昇していきます。後からチャートで眺めても、ほぼ直角のようなローソク足です。ボラティリティが全くなくなるということはありえないので、VIX指数の下限は、ある程度予想できます。
例えば、予想下限付近で指値注文しておくこともできでしょう。ただ、VIX指数自体も値動きが激しいので、ポジション量は控えめにしておきましょう。
編集部の
コメント
VIX指数はS&P500の急上昇よりも、急落により大きく反応するという性質があります。VIX指数が上昇しているときは投資家が先行きを不安視しているときです。VIX指数からファンダメンタルズを読み取ることもできます。
VIX指数のトレード方法を考えてみた
VIX指数は、ある程度の上限・下限が決まっている点が最大のメリットです。過去20年間の最大値は96.4(リーマンショック)だったので、もちろんもっと上がる可能性もありますが、上限の目安としては100と考えていいでしょう。
私のおすすめのトレード方法は「危機が落ち着いたころの下落を狙う」トレードです。VIX指数は、急騰して徐々に下落するという動きをすることが多いように思います。
VIX指数トレードのポイント
- 急上昇⇒緩やかな下落を繰り返す
- 節目価格に反応しやすい
VIX指数は抵抗線や支持線に敏感に反応していることも分かります。レンジ相場になっているときには、逆張りトレードで利益が狙えると予想できます。
次章では、Titan FXとHot Forexのトレード条件について確認していきましょう。
VIX指数がトレードできる海外FX業者
当サイトで扱っている海外FX業者の中でVIX指数トレードができるのは、Titan FX(タイタン FX)とHotForex(ホットフォレックス)です。それぞれ、取引条件に特徴があります。
Titan FXはポジションの期限がない
Titan FXのVIX指数トレード条件
スプレッド | 0.7 Pips |
スワップ金利 | 買い/売りポジションのどちらもマイナススワップ |
注意点 | 保有期限なし |
Titan FXはスプレッドが狭く、ポジションの期限がないというのが最大のメリットです。取引環境は十分なのですが、VIX指数CFDの取扱いを開始したのが最近のため、2020年7月以降のチャートしか表示することができません。
Hot Forexであれば2012年からの日足チャートを表示することができます。また、チャートツールのTradingViewであれば、2004年からの日足チャートを閲覧できるのでおすすめです。
超短期トレードならHot Forex
Hot ForexのVIX指数トレード条件
スプレッド | 1.2 Pips |
スワップ金利 | 0(ゼロ) |
注意点 | 先物なので、ポジション保有期限がある |
HotForexの最大のメリットは、「スワップ金利がゼロ」である点です。
Titan FXではロールオーバーを超えてポジションを保有すると、買い/売りポジションのどちらもマイナススワップが差し引かれてしまいます。Hot Forexであれば、スワップ金利を全く気にすることなく、ポジションを保有できます。
注意しなければならないのは、「限月チャート」である点です。Hot Forexが提供するVIX指数CFDは「VIX指数先物」なので、ポジションを保有できる期限が決まっています。
Titan FXは「Indicies(指数)」の項目に「VIX指数」がありますが、Hot Forexでは通貨ペアリストの「Futures(先物)」の項目にありますので、注意してください。
HotForexの通貨ペアリストを見ると、銘柄名の左側に「Exp:Feb2021(2021年2月)」と書かれていますね。この期限を過ぎると、保有しているポジションは損益に関係なく強制決済されます。
長期保有には向いていませんが、VIX指数トレードはそもそも長期投資には向いていないCFD銘柄なので、HotForexでも問題ないと思います。ただし、スプレッドはTitan FXよりも広めです。
(まとめ)危機をチャンスにできるVIX指数
ここまでVIX指数について解説してきました。
VIX指数は、ファンダメンタルズと非常に関係の深い銘柄です。S&P500は経済大国アメリカの景気を示しているので、VIX指数が急騰し始めたら、「経済に影響を及ぼす危機が迫っているかもしれない」と事前に警戒することが可能です。
経済危機があると、株を保有している他のトレーダーは大混乱になっているかもしれませんが、VIX指数を知っていれば、リスクを回避しやすくなります。海外FX業者が扱っている通貨ペアやCFD銘柄は買い/売りのどちらのポジションであってもエントリーできるのが最大のメリットだと思います。
VIX指数の急騰を見て、CFD銘柄で売りエントリーで利益を狙うことも可能です。景気が悪化してファンダメンタルズが不安定になったときこそ、VIX指数を確認しましょう。
危機をチャンスにできるのがVIX指数トレードの魅力です。
当サイトで扱っている海外FX業者のうち、Titan FXとHotForexの2社でVIX指数トレードが可能です。ちなみに私のおすすめはTitan FXです。スプレッドも狭く、円口座にも対応しており、日本語カスタマーサポートなども素晴らしい対応が期待できます。
ぜひVIX指数トレードにチャレンジしてみてください。
編集部の
コメント
VIX指数が上昇しているときは、S&P500のボラティリティが高まり、投資家が将来を不安に考えていることを示します。通常、S&P500は下落します。一方、VIX指数にほとんど動きがないときは、投資家が楽観視していることを示します。通常、S&P500は緩やかに上昇している状態です。