海外FX初心者
2023年6月6日、カナダのFXブローカー「ZAIX(ザイクス)」で大幅な損失が発生して資金を失ったと被害を訴える投稿が、SNS上で次々と行われました。
同社は数万人単位のフォロワーを誇るインフルエンサーがプロモーションを行ってきました。しかし、元本保証や最大損失の虚偽など、日本国内では禁止されている投資を誘う内容が含まれており、違法性が高く詐欺的な側面も見え隠れしています。
ZAIXではなぜ、このような事態が起こってしまったのでしょうか?FXplusは独自の視点から解説いたします。
ZAIXのコピートレードでロスカットの嵐
2023年6月6日より、「ZAIX(ザイクス)で大きな損失が発生し、口座残高がマイナスになった」とする投稿がSNS上で相次いでいます。
ZAIXユーザーの取引証拠金が突如マイナスに転じた原因は、コピートレードによる強制的なロスカットと見られます。
ZAIXでは、プロのトレーダーを選択することでそのトレードを自己の取引としてコピーする「コピートレード」サービスを提供していました。初心者でも手間なく利益を上げられるという魅力的な宣伝文句で、一定の期間は順調に機能していたようです。
しかし、2023年6月5日に突如としてコピートレードで大きな損失が発生し、資金を全て失うユーザーが相次いで現れました。
ZAIXのコピトレのオープンチャット入ってたけど資金底つくぐらいマイナスらしくて詐欺発覚ぽい😂
始めなくてよかった...
中には子供の教育資金を数百万全額投資してたシンママとか、仕事辞めて投資に全振りした人とか居て悲惨
この人達もサクラだと良いけど...
引用:Twitter
コピートレードで不自然な損失が発生
2023年6月5日は、「ISM非製造業景気指数」という重要な経済指標が発表され、市場は大きく揺れ動きました。とはいえ、その値幅は100pips程度で、全資金を失うほどの極端な動きではなかったため、その不自然さが指摘されています。
アメリカ合衆国における非製造業の景気指標で、経済全体の活動水準を示しています。 非製造業はアメリカのGDPの大部分を占めており、結果が雇用や消費に大きな影響を与えることから、ドルの相場に影響を及ぼす要因となります。
ISM発表当日には、以前よりも大きな取引ロット数で繰り返し取引が行われ、コピートレードの口座は大きなマイナスに転落しました。指標発表時に行われるトレードとしては非常にリスキーで、通常は考えられないようなトレードでした。
また、運営側によるトレードの履歴が改ざんされたという報告も見られます。
ZAIXやられたなーって感じです。
無知だった私が悪いけど、、、
一枚目6/6の朝に見た内容なんだけどこの時80万円は残ってたんよ。
昼に見たら無くなってて6/5の取引内容にされてるの時刻も全部かわってて不自然だよね。
引用:Twitter
これらの事象から、ZAIX(ザイクス)では投資家を欺いて不正な手段で利益を得る「投資詐欺」が行われた可能性が指摘されています。
Instagramのインフルエンサーが宣伝していた
ZAIX(ザイクス)の宣伝は2021年5月頃から始まり、多数のインフルエンサーやその他の関係者が関与していました。
インフルエンサーは、初心者でも手軽に利益を得られるとしてコピートレードを強調し、自分たち自身も利用しているとアピールして説得力を高めました。このようなアピールにより、主婦や投資初心者などが引き込まれ、結果的に甚大な被害に繋がっています。
また、インフルエンサーはSNS上でフォロワーに対して「お金配り」などの企画を実施し、PayPayを使って送金を行うなどしていました。さらに、LINEのオープンチャットでは投資商品の詳細な説明や勧誘などが行われていました。こうした違法行為により利用者数や入金額を増加させていたとされています。
現在、被害者たちはこれらのインフルエンサーに対する賠償責任を追及し、弁護士を雇って訴訟を準備しています。しかし、まだインフルエンサーの発信を信じ続けている人々も存在し、状況は非常に複雑です。
詐欺インフルエンサーの可能性も考慮して
特定のインフルエンサーを仲介することで、豪華なボーナスや魅力的な利益を得られると推し進めているブローカーはトラブルに繋がりやすい傾向にあります。過去にはHASTFOREX(ハストフォレックス)、FXsuit(エフエックススーツ)で大規模な詐欺が発生しています。また、最近ではCRYPTOGRAPH(クリプトグラフ)などでも同様の傾向が見られるため、利用には注意が必要です。
出金申請拒否もあり被害額は数億~数十億以上との噂も
コピートレードによる損失だけでなく、SNS上では出金申請が承認されないといった投稿も多く見られました。
ZAIXに預金残高あった方(spbの取引残高ではない)で、出金申請して承認された方いますか?6/6に申請も、まだ承認されていない状況です。昨日運用解除依頼も出し、こちらもまだ未承認です。
引用:Twitter
ZAIXさ、昨日もう一つの旦那の口座に残ってたのをすぐ出金申請したけどこれもまだ何も動きないしね。そんなすぐ返ってこないよね。
またマイナスになってるみたいだけど、詐欺ならきっとわざわざ戻したりはしないからエラーと信じたい。
引用:Twitter
出金申請した時点では残高があったのに、出金申請拒否のメールが来る間に資金が減りマイナスに、、
どういうことでしょうかね。
引用:Twitter
出金申請を行っても実行されなかったり、理由を付けてキャンセルされたというユーザーも存在します。これらの事実から、ZAIX(ザイクス)はコピートレードを利用して計画的な詐欺を行った可能性が高いと考えられます。
入金した資金が出金できなくなることは、詐欺師の典型的な手段であり、ポンジ・スキームと呼ばれる詐欺の一種に該当します。詐欺師は最初から出金させないことを目的に資金を集めます。被害者は仮想口座での利益を実際の利益と勘違いしますが、最終的に引き出すことができなくなります。
出資を募り、運用益を配当金として支払う名目で資金を集めながらも、実際に資金運用を行わずに破綻させる詐欺手法のことを指します。既存の出資者は新規出資者からの出資金を配当金と受け取るため、なかなかその実態に気付けないことが多い手口です。
ZAIXに100万円以上入金したユーザーも多く存在し、巷では数億円から数十億円とも言われる規模の被害があったと伝えられています。
ZAIXは問題点が多く指摘されている
ZAIX(ザイクス)は、違法な投資勧誘を行っていたなど以下の問題点が指摘されています。
ZAIXの問題点
- 違法行為である元本保証
- 最大損失額のルールを破る
- 運営元の会社所在地はでたらめ
違法行為である元本保証を行っていた
インフルエンサーによるZAIX(ザイクス)の宣伝では、コピートレードを通じて投資を行う際に元本が保証されるという主張がされていました。元本保証とは、預け入れた金額よりも大きな損失が発生しないという保証のことを指します。
0になる可能性あるよって言ってたっけ??
とりあえず元本割れはないって言ってたって何人も言ってるし、元本割れしないって言ってましたよねってストーリーで否定はしてない(し意味違う気がする)からつまり言ってたこと認めてるよね
引用:Twitter
しかし、日本の出資法では、「出資法第2条」により、金融庁に認可された金融機関以外が元本保証を謳って資金を集めることは禁止されています。
ZAIXは海外のFX業者でありながら、日本国内の居住者を対象に「元本を保証するサービス」を提供する目的で資金を集めていたため、これは明らかな違法行為となります。
最大損失額のルールを破る
ZAIX(ザイクス)が提供していた投資プラン「新SPB積極型」「SPB積極型(大型プール)」の資金運用では、「最大損失30%」と謳っていました。
しかし、大量の資金が失われ、強制的にロスカットが行われたという事実は、これらの最大損失の規定を完全に無視したものとなっています。
もし複数回のトレードで損失が生じたとしても、証拠金の一部が、どんなに少額であっても残るはずです。しかし、実際には被害者の口座残高が0以下になっている、つまりマイナスになっているのです。
運営元の会社所在地はでたらめ
ZAIX(ザイクス)は公式ウェブサイト上に以下の情報を記載しています。しかし、調べてみるとこれらの住所は全くのでたらめであることがわかりました。
ZAIXの基本情報
会社名 | ZAIX Ltd |
会社設立 | 2019年10月 |
登録住所 | 165 Yonge StToronto, ON M5C 2L7, CA |
取得ライセンス | FINTRAC:M21780294 FinCEN:31000237737875 |
事業内容 |
|
カスタマーサポート | メールのみ |
マレーシア支店 | Second Floor,Paragon, (Suite no. 4), Jalan Mustapha, 87000 Labuan F.T.,Malaysia |
セーシェル共和国支店 | Vistra Corporate Services Centre, Suite 23, 1st Floor, Eden Plaza, Eden Island, Mahé, Republic of Seychelles |
会社名 |
ZAIX Ltd |
会社設立 |
2019年10月 |
登録住所 |
165 Yonge StToronto, ON M5C 2L7, CA |
取得ライセンス |
FINTRAC:M21780294 FinCEN:31000237737875 |
事業内容 |
|
カスタマーサポート |
メールのみ |
マレーシア支店 |
Second Floor,Paragon, (Suite no. 4), Jalan Mustapha, 87000 Labuan F.T.,Malaysia |
セーシェル共和国支店 |
Vistra Corporate Services Centre, Suite 23, 1st Floor, Eden Plaza, Eden Island, Mahé, Republic of Seychelles |
それぞれの登録住所を調査すると、カナダのアドレスはデパート、マレーシア支店の住所は労働安全衛生センター、セーシェル共和国支店の住所はショッピングモールが表示され、ZAIXと関連のない場所であることが明らかになりました。
さらに公式サイトは日本語以外は対応しておりません。これらの理由からあらかじめ日本居住者のみをターゲットにサービスを開始したものと推測されます。
また、ZAIXが持っているとされるMSB(Money Services Business)ライセンスについては、各国の金融当局が発行するものですが、このライセンスは事業者に対する罰則や処罰権限がないため、信頼性に大きく欠けるライセンスです。
コピートレードは信頼できる海外FX業者で
投資詐欺においてコピートレードが頻繁に利用されることは事実ですが、コピートレードそのものが悪いわけではありません。全てのコピートレードを提供する業者がリスクを伴うわけではない点を理解しておきましょう。
信頼性が確立されている海外FX業者を選べば、サービスを安全に利用できます。ただし、詐欺業者による誇大な利益率と比べると、実際の条件は現実的なものとなることが一般的です。それでも、コピーするトレーダーの選択を慎重に行えば、利益を得る機会は数多く存在します。
ZAIX(ザイクス)のような詐欺目的で設立された海外FX業者を避け、安定した取引を行うために以下にいくつかのポイントをまとめました。
安全な海外FX業者を選ぶポイント
- 金融ライセンスの有無を確認する
- SNSなどの情報を鵜呑みにしない
金融ライセンスの信頼性を確認する
ZAIX(ザイクス)のように、MSB(Money Service Business)のような簡易的なライセンスだけを持つ海外FX業者は、安全性や信頼性に疑問が残ります。金融ライセンスを所持しているか確認するだけでは不十分で、ライセンスの信頼度を検証することが必要です。
各国の主要な金融ライセンス
- 英国金融行動監視機構(FCA)
- オーストラリア証券投資委員会(ASIC)
- キプロス証券取引委員会(CySEC)
- セーシェル金融サービス庁(FSA)
- ベリーズ国際金融サービス委員会(IFSC)
- ニュージーランド金融市場庁(FMA)
- バヌアツ金融サービス委員会(VFSC)
- イギリス領バージン諸島金融サービス委員会(BVIFSC)
- セントビンセント・グレナディーン金融庁(SVGIBC)
例として、日本の金融庁が発行する許可証は取得条件が厳格で、その結果、世界でも安全性と信頼性が認められています。また、英国金融行動監視機構(FCA)やキプロス証券取引委員会(CySEC)による金融ライセンスも高い信頼度を持つと認識されています。
全世界には多様なライセンスが存在しますが、複数の金融ライセンスを保有しているブローカーは特に信頼性が高いと言えるでしょう。
信頼性の高いコピートレードを提供している海外FX業者
コピートレードの信頼性が高い当サイト厳選の海外FX業者は以下の通りです。
コピートレードの信頼性が高い業者
Titan FX(タイタン FX)はその卓越したFX取引環境により、多くの中上級者から好評を得ているブローカーです。コピートレードサービスは2023年に開始されたばかりですが、優れた取引条件のおかげですでに多くのトレーダーから好評を得ています。
2009年に設立されたHF Markets(エイチエフマーケッツ)は、グローバルに事業展開しており、8種類の金融ライセンスを保有しています。長いコピートレードの運営実績と重大なトラブルの発生がないことから、安心して利用することが可能です。
Exness(エクスネス)は無制限レバレッジや狭いスプレッドなどハイスペックな取引環境が評価され、世界トップクラスの取引量を誇るブローカーです。コピートレードはリスクスコアや投資率など指標がシンプルで分かりやすく、トレーダーを選びやすいことがメリットです。
危険な業者を判断して賢くトレードを
ZAIX(ザイクス)のユーザーが預けた資金の返還見込みは、、HASTFOREX(ハストフォレックス)やGEMFOREX(ゲムフォレックス)の事例を鑑みると、極めて低いと言えるでしょう。
今回のように海外FX業者が著名なインフルエンサーを起用し、広告活動を展開する事例は多々あります。しかしながら、インフルエンサーへの信頼があったとしても、それが紹介サービスの品質を保証するものではありません。
特に投資関連サービスにおいては注意が必要で、特に「元本保証」「高勝率」「高利回り」など、メリットが大袈裟に伝えられている場合には警戒が必要です。
また、全てのコピートレードがリスクを孕んでいるわけではありません。信頼性の高いサービスを提供するブローカーも存在します。
インフルエンサーやブローカーの言葉を鵜呑みにせず、そのライセンス情報や実際のユーザーの評判を調査し、それに基づいてサービスを利用するようにしましょう。
当社のFXplusでは、安全性や信頼性を厳格に審査し、選ばれたブローカーだけを掲載しています。安全かつ快適な海外FXトレードを実現するために、ぜひ当サイトをご活用ください。