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2023年9月7日、FX Fair(エフエックス フェア)は現在発生している出金遅延問題の今後の対応について発表しました。
今回の発表では大きく分けて「出金遅延問題が発生した原因」と「今後の対応方法」の2点が公開されました。
この記事では、FX Fairの出金遅延問題の今後の対応に関する発表内容の解説と今後の動向に関して考察していきます。
この記事の目次
FX Fairが出金期間を大幅に延長
2023年9月7日にFX Fairから全ユーザー向けに、今回の出金遅延に関する原因と今後の対応方法に関する情報がメールで配信されました。
まずは今回の出金遅延問題が発生した原因について6つ原因を確認していきましょう。
FX Fair 出金遅延の原因
- Assassin FXの風評被害の拡大
- 収納代行法人の銀行口座の凍結
- 仮想通貨ウォレットへのハッキング及び凍結
- 不正トレード及び利用規約違反の横行による不正出金
- MetaQuotesライセンスの停止
- 分別保管先の銀行口座が出金停止
Assassin FXの風評被害の拡大
FX Fair(エフエックス フェア)によると、ホワイトラベル契約を締結しているAssassinFX社の粗雑な顧客対応により、虚偽の風評被害が拡大したことが今回の出金遅延に対して影響を与えていると発表しています。
AssassinFXでは、2023年7月にコピートレードによって多くのユーザーが資金を失う事例が発生しました。しかし、その内容の不自然さからAssassinFXを含めた組織ぐるみでの犯行が疑われています。
AssassinFXで大規模なコピートレード被害が発生した後、FX FairはAssassinFXとホワイトラベル契約を行い、MetaTraderなどのシステムを貸与していたことを公表しています。
FX Fair側はAssassinFXとの直接的な関連性を否定したものの、信頼性に疑問を持ったユーザーがMetaQuotes社へ苦情を申し立て、その結果FX Fairはモバイルアプリケーションのライセンスを剥奪されてしまいました。
この事態を重く見たユーザーが一斉に出金申請を行い、FX Fairは資金難に陥ったと明らかにしています。
しかしFX Fairの対応には不可解な部分も多く残されており、GEMFOREXやHASTFOREX同様に返金が行われない可能性も否定できません。FX Fairの公表する情報すべてを鵜呑みにしてしまうのは危険だと言えるでしょう。
収納代行法人の銀行口座の凍結
FX Fair(エフエックス フェア)は、保有する収納代行法人の銀行口座がユーザーから多くの苦情を受け、凍結されてしまったと報告しています。
この凍結は複数の収納代行法人の口座に波及しており、現在も凍結が解除されていないようです。また、凍結の影響でユーザーへの資金返還が困難な状況が続いています。
収納代行法人の口座凍結による資金拘束が事実であれば、FX Fairとしても大きな打撃となり、凍結が解除されない限り顧客資金の全額返還は難しいでしょう。
以前、GEMFOREX(ゲムフォレックス)も出金拒否問題に直面し、収納代行業者の不正行為が大きな打撃となったと言われています。この背景から、FX Fairが同様の問題を引き起こすのではないかという不安が拭い去れません。
仮想通貨ウォレットへのハッキング及び凍結
FX Fair(エフエックス フェア)が保有する仮想通貨ウォレットがハッキングされ資金が盗まれてしまった事も、出金遅延問題の要因と説明しています
ただし仮想通貨ウォレットのハッキングに関しては、セキュリティ面に問題があったのではないかという疑念も浮上してきます。また、ハッキングに遭ったとされるウォレットアドレスの公表もされていないため、事実である確証を得られません。
FX Fair側の管理面の問題があるとも考えられるため、これは言い訳にはならないでしょう。
不正トレード及び利用規約違反の横行による不正出金
FX Fair(エフエックス フェア)内で、一部ユーザーによる不正トレードや規約違反が蔓延してしまい、不正に利益を享受するユーザーが多く発生してしまった事も資金不足の要因とされています。
実際に行われたとされる不正トレード及び利用規約違反
- 組織的におこなわれたボーナスを利用したアービトラージ
- プロモーションコード利用規約を逸脱した取引及び自動売買(EA)の使用
- 組織的に行われたIB報酬を利用したレイテンシーアービトラージ、及びキャッシュバックサイトを利用した不正取引
- 名義貸しなどの不正アカウントによる取引
当然ながら規約を破るユーザー側にも問題がありますが、高頻度で入金ボーナスを実施していたFX Fairが不正を把握していなかったはずがありません。
そもそも不正利用者が原因なのであれば、該当者の出金を停止するだけで回避することが可能です。GEMFOREX(ゲムフォレックス)の一件があったにも関わらず、不正へ対する対策をまったく行っていなかったのであれば、FX Fairは管理体制がずさんで無能な組織であると言っても過言ではないでしょう。
また、不正トレードを理由に出金を渋るのはGEMFOREXと類似していることから、GEMFOREXを模倣して破綻計画を勧めている可能性も含めて注意しておかねばなりません。
MetaQuotesライセンスの停止
FX Fair(エフエックス フェア)の取引プラットフォームであるMT4 / MT5ライセンスが2023年9月25日に停止となり、将来的な入金額の減少と出金依頼の増加が見込まれるとのことです。
取引プラットフォームが停止してしまえば取引困難になるため、出金が殺到するのは当然のことです。
ライセンス停止の要因はユーザーの苦情によるものとされていますが、ユーザーとしては出金遅延に対する納得できる説明とは言えないでしょう。
分別保管先の銀行口座が出金停止
FX Fair(エフエックス フェア)の分別保管先である日本国外の銀行口座において、出金手続きが一時的に停止されてしまったとのことです。原因については、現在も調査が進んでいるとのことで、分別保管先の資金も拘束されてしまった事も出金遅延の要因になってしまったようです。
有事のための分別保管であるにもかかわらず、必要なときに分別保管先が凍結してしまっては元も子もないでしょう。
FX Fairの出金遅延に関する今後の対応方法
FX Fair(エフエックス フェア)のメールによれば、ユーザーの資金全額を出金するという前提で尽力している段階であり、その完了には時間がかかるとされています。
現在のところ仮想通貨で分割出金を行う方針が決定しているようですが、ユーザーを一時的に納得させるための策との見方が大半を占めているようです。
一時的に仮想通貨による分割出金で対応
FX Fair(エフエックス フェア)は、現時点で保有している資金を仮想通貨にてユーザーに公平に分配すると発表しました。
現在発表されている資金の分配に関する情報は以下の通りです。
FX Fairの仮想通貨による分割出金
初回分配時期 | 2023年10月10日前後(予定) |
---|---|
分割出金対象者 | アカウント内に5,000円(50USD)以上の残高を保有しているユーザー |
初回分配時期 |
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2023年10月10日前後(予定) |
分割出金対象者 |
アカウント内に5,000円(50USD)以上の残高を保有しているユーザー |
また、出金予定額についてはユーザーごとにFxFairが預かっている資金を元金として、FX Fairが定める計算方法で行われるようです。
出金予定額の詳細
元金は保有しているMT4 / MT5口座の残高の合計から、下記1と2の内低い金額を「元金」とします。
- 入金額 - 出金額
- ユーザーが保有しているMT4 / MT5口座の総残高
つまり、出金の対象となるのは口座に入っている資金の全額ではなく、FX Fairが定めるまったくフェアではないルールのもとで出金が行われるということになります。
出金予定額の例
例)
- 累計入金額100万円 - 出金額80万円 = 20万円
- MT4 / MT5 の残高が100万円
上記の場合、出金予定額の全額は20万円ということになります。これでは正常な取引で利益を出してきたユーザーとしては納得できないでしょう。
またこれは出金遅延分全額を日本円にて返還する余力がないことを意味していると考えられます。個人の合計資金に対する分割出金ではなく、FX Fairが保有している仮想通貨を一律で公平に分配するという対応方法にも疑問が浮かびます。
その他、申請したユーザー数によって分配される金額が決まるとのことですが、現時点で配布する合計金額も開示されておらず、一時的に資金を配布するだけの時間稼ぎであるという声も多く見られます。
ユーザー側で必要な対応や期日
USDT Walletの準備
仮想通貨の分配についてはUSDT(ERC20 )にて送金されるとのことです。
分割出金を希望するユーザーは、金融機関、取引所を問わずUSDT(ERC20)を受け取ることができるウォレットを用意する必要があります。
仮想通貨を日常的に取引している人は、ウォレットの用意については特段難しい要求ではないと思われます。しかし経験のない人からすると詳細の説明もなく、不十分な対応に不満を感じるユーザーもいるでしょう。
また全額返還についても分割出金と同様にUSDTでの送金となるようなので、今のうちに用意しておきましょう。
USDT受け取り可能なウォレット及び取引所
- MetaMask
- Coincheck
- BYBIT
申請フォームへの入力
USDTを受け取るためのウォレットが用意できたら、申請フォームに必要情報を入力する必要があります。
申請フォームは2023年9月15日前後にメールで送付されるとのことです。
分配金を受け取るための必要な作業
- 署名した同意書のアップロード
- 準備したUSDT(ERC20)ウォレットアドレスの入力
- 本人確認書類の再提出(※)
既に提出済のものではなく、新たに撮影したもの
上記の対応が完了次第、申請したユーザーの審査を実行することになるようです。審査が完了したユーザーを対象に一斉に送金するという流れになります。
同意書についてはおそらく申請フォーム上に掲載されると想定されます。同意書の内容についてはしっかり確認しておいた方がよさそうです。
そして本人確認書類の再提出が条件となっています。既に提出済みのものではなく、新たに撮影したものが必要になります。提出した書類に不備があった場合は再提出が必要となり、期限に間に合わなくなってしまう恐れもあるので注意しましょう。
申請の期日について
申請フォームへの入力作業に関しては「2023年9月25日」が期日となっています。申請フォームのメールが届くのが9月15日前後となるため、約10日以内で申請を完了する必要があるということになります。
また、期日を過ぎてしまった場合は送金の対応は一切できないとのことです。
本人確認書類の提出に不備があった場合、再提出を要求するとのことですが、その時点で期日を過ぎていた場合はいかなる場合でも受付を停止するようなので注意が必要です。
出金日数を遅延させ続けている立場でありながら、資金分配の期限についてはかなり厳しく締め切られており違和感が感じられますが、これらの手続きに関しては遅滞なく進めておくに越したことはないでしょう。
今後の問い合わせ先
今後の問い合わせについては、窓口の一元化を目的として、メールでの問い合わせのみとするようです。本件についてはかなりの問い合わせが殺到することが予想できるため、確認したいことは早めに問い合わせておいた方が良いでしょう。
FX Fairについての今後の考察と注意喚起
FX Fair(エフエックス フェア)は今後どのようになっていき、資金は返ってくるのでしょうか。SNS上の評判を交えて、FXplusの見解とさらなる被害に対する注意喚起をしていきます。
MetaQuotesライセンス停止と保有ポジションの強制決済
まず確定事項として、FX Fair(エフエックス フェア)のMT4 / MT5ライセンスは2023年9月25日に停止となります。
それに伴い現時点の保有ポジションを2023年9月15日 23時59分59秒(MT4サーバー時間)を期限として、決済しておく必要があります。期限が過ぎれば強制決済となるためご注意ください。含み損の決済については、当然補填対象ではないため、まだポジションを持っている人は自身で決済しておいた方が無難でしょう。
今後については、他業者のトレードプラットフォームの契約を検討しており、現在利用できないサービスを除きFX Fairとしてのサービスは継続していくという意向のようです。しかし、他の業者との契約に関する進展に関しても不明で具体的なことについては触れられていませんでした。サービス再開について、現時点で期待度は低いといえるでしょう。
なお、FX Fair(エフエックス フェア)によればMetaQuotes社ライセンス剥奪の要因は、MetaQuotes社に対する苦情が寄せられたことが要因であるため、MetaQuotes社への苦情は取り下げてほしいとのことです。
取引履歴は早めにダウンロード
取引履歴については、9月15日以降にマイページ>ダッシュボードにて、MT4 / MT5口座詳細欄にダウンロードボタンが設置されるため、必要な方は忘れずに保存しておきましょう。またMT4 / MT5停止時点で保有されている残高については、FX Fairにて情報を保存した上で「口座維持手数料」という名目で残高を差し引きし金額を0に調整されることになります。
口座凍結問題解決が最低条件
FX Fair(エフエックス フェア)出金遅延問題解決では、収納代行法人の口座凍結や分別保管先銀行の凍結の問題解決が最低条件となりそうです。仮に解決しなければ返還される資金が無いうえに、現状では新たな資金を得ることも難しいため、事態は平行線になるでしょう。
しかし、GEMFOREX(ゲムフォレックス)ではこれらの問題は発生しておらず資金も潤沢で合ったにもかかわらず、最終的に破綻に追い込まれました。
そのことを考慮すれば、収納代行法人の口座凍結や分別保管先銀行の凍結問題が解決しても、GEMFOREXと同じ道をたどってしまう可能性を視野に入れておかなければなりません。
実際にSNS上の評判を見ても、資金返還は困難であるとの見方が強く、あきらめムードが漂っている状況です。
また、FX FairもGEMFOREXの出金拒否問題の時と共通して、出金遅延が起こる前にボーナスキャンペーンを連発するという行動が見られたことも理由の1つです。
これは新規の入金を、出金ユーザーの出金費用に充てるための苦肉の策である可能性が高いとされ、破綻前のブローカーや詐欺ブローカーの多くで見られる典型的な流れです。
FX Fair資金の返還を謳った詐欺に注意
FX Fair(エフエックス フェア)のUSDTを利用した分割出金について、馴染みがない人をターゲットとした詐欺の可能性が高いSNS上の投稿が非常に多く見られます。
GEMFOREX(ゲムフォレックス)の出金拒否問題の際にも「出金代行」「サポート代行」といってお金をだまし取るという状況も酷似しています。
失った金額が大きいほどこのような甘い言葉に誘われてしまうかもしれませんが、そのような投稿に乗ってしまえば基本的には資金をさらに失うことになるため注意しましょう。
FX Fairの出金遅延問題
FX Fair(エフエックス フェア)はメールの中で、「お客様の資金全額の返還に関しては、資金を準備出来次第、随時送金処理を行います。返還時期につきましては現在断定的な日時をお伝えすることができず、目処が立ち次第、再度ご案内差し上げます。」と説明しています。そのため、もし仮に全額出金が可能になるとしても、まだまだ時間がかかると考えた方がよさそうです。
しかしながらこういった状況に陥った海外FX業者で資金が返還されることは極めてまれです。他のブローカーの対応を見ても望みはかなり薄いと言わざるを得ません。
なお、分割出金の送金予定が2023年10月10日前後となっています。そのため、仮に全ての出金が実際に行われるのは、少なくとも11月以降になることは間違いないでしょう。