海外FX初心者
最終更新：海外FX業者はハイレバレッジやボーナスなどの魅力的な取引条件がある一方で、日本の金融庁からの警告を受けています。このことで、日本人が海外FX業者を利用することは違法ではないのか、という疑問を抱える方も少なくありません。
結論から申し上げると、日本居住者が海外FX業者を利用することは合法です。ただし、海外FX業者の中には安全性に問題のある業者も存在するため、事前の確認が極めて重要となります。
本記事では、海外FX業者の利用が違法性や日本の金融庁に警告される理由、トラブルを避けるポイントについて詳しく解説します。海外FXのメリットを最大限に活かし、安全に利用するためにぜひご覧ください。
この記事の目次
海外FX業者は違法？
海外FX業者を日本人トレーダーが利用しても問題ない理由や、海外FX業者が違法とされる理由について解説していきます。
日本居住者の海外FX業者利用に違法性はない
海外FX業者を日本居住者が利用することは法的に禁止されていません。これは、日本居住者が海外FX業者を用いて取引を行うことを禁止する法律はないためです。また、自己判断のもとで海外FXを使ったからといって、ペナルティはないので安心してください。
収入は日本の税務署に申告する必要がある
海外FXを使って所得が発生したら日本の所得税の対象となり、税法に従って納税する必要があります。
海外FX業者による営業・勧誘は違法
海外FX業者が違法とされているのは、「海外FX業者が日本居住者向けに営業・勧誘する行為を行った場合」です。
日本国内では、個人・法人を問わず、金融商品の営業・勧誘活動にはライセンスが必要です。勧誘は行っていなくても、日本人向けのサービスの提供がそもそも違反していることになります。
つまり、基本的には日本人に提供しているブローカーは違反となり、金融庁から警告を受けているのです。
無資格での投資助言は違法
その他、特定の銘柄の推奨や売買タイミングの具体的なアドバイスなどを行う場合、日本国内では投資助言業の資格が必要です。例えば、無料のオンラインサロンであっても、無資格で投資助言業に該当する行為を行っている場合は違法となります。ただし海外FX業者がこの投資助言を行うことはほとんどありません。
コピートレードサービスは合法
海外FX業者のコピートレードや、投資助言業の登録があるサービスを介して販売した場合は違法とはなりません。
海外FX業者が金融庁から警告されていることについて解説
金融庁が海外FX業者へ警告を発出している理由を解説していきます。
日本の金融庁に無登録のFX業者という理由で警告されている
海外FX業者が金融庁からの警告を受けるのは、無登録であるというのが主な理由です。海外FX業者がトレーダーに損害を与える不正な運営をしているから警告が発出されるわけではありません。
金融庁の「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」では、海外の金融商品取引業者に対して、日本に向けたサービスを提供しないこと、日本からのアクセスを制限するなどの措置を講じることが求められています。
これらのガイドラインを守っていない海外FX業者は、金融商品取引法に違反しているとみなされ金融庁から警告を受けます。金融庁からの警告については、「インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの」と金融庁から公表された警告内容から確認できます。
警告を受けている海外FX業者は今後どうなる？
警告を受けている海外FX業者に対して「今後利用できなくなるのではないか？」といった疑問を持つかもしれません。
しかし、金融庁に無登録のままでも利用できなくなる可能性は非常に低いと考えられます。海外FX業者では警告を受けながらも10年以上日本人トレーダーのサービスを提供しているブローカーも多くあるためです。海外に拠点を置いているということで、営業停止などの強制力がないことが理由と考えられます。
ただし、実際の運営を日本人が行っており、関連する会社が日本国内に金融商品取引業として無登録で存在していた場合は停止命令が出されたケースがあります。Mt.light（MTL）というブローカーは日本国内で金融商品取引業として活動していましたが、運営が停止されました。
海外FX業者は拠点をおく国で規制されている
海外FX業者は日本国内では金融商品取引業者として登録されていませんが、拠点を置く国において適切な登録を行い現地の法規制に従って運営されていることが一般的です。
ライセンスには信頼性に違いはありますが、一定の信頼性が担保されていると考えることができます。日本居住者が利用できる海外FX業者は、以下のような金融ライセンスを取得することが多いです。
海外FX業者で保有されることが多い金融ライセンス
- バヌアツ金融サービス委員会（VFSC）
- ベリーズ国際金融サービス委員会（IFSC）
- セーシェル金融サービス庁（FSA）
- イギリス領バージン諸島金融サービス委員会（BVIFSC）
- セントビンセント・グレナディーン金融庁（SVGIBC）
これらの国は比較的規制が緩いことで、ハイレバレッジなど優れた取引条件のサービスを提供できます。
また、海外FX業者によっては「英国金融行動監視機構（FCA）」といった世界的に厳格とされるグループ会社で取得している場合もあります。日本人向けサービスの直接の管轄とはならないものの、取得している場合は高い信頼性があると考えられます。
危険性の高い海外FX業者は多い
海外FX業者の利用自体は問題ないものの、金融庁の警告通り危険性の高い海外FX業者は数多く存在します。具体的なケースとしては、詐欺行為や破綻で資金が最終的に出金できなくなるといったトラブルなどが挙げられます。以下では、そのようなトラブルが発生する原因や、過去に起こった事例について解説します。
海外FXはトレーダーの保護が完璧ではない
日本のFX業者は信託保全を採用しており、万が一FX業者が破綻した場合でも、顧客の資産は保護され速やかに返還されます。
一方、海外FXでは顧客資金と運営資金で銀行を分ける分別管理が一般的です。他の銀行に預けられてはいるものの、適切に返還されない可能性があり、トレーダーの資金は完全に保護されていません。これにより、海外FX業者でトラブルがあった際に、資金が戻ってくることが困難になることが危険である理由の1つです。
法的措置の困難さと資金返還の問題
海外に拠点を置くFX業者を利用する際は、トラブルが発生した場合に法的な措置を行うことが困難となる点に注意が必要です。海外業者に対して、日本の法律に基づいた対応を求めることが難しく、資金の回収が困難になる可能性が高いです。
2023年には中堅ブローカーである「Gemforex（ゲムフォレックス）」が突如として返金不能になり、多くのトレーダーに大きな衝撃を与えました。Gemforexはその後、様々な対応策を講じていると発表しましたが、現在に至るまで返金されていない状況が続いています。
詐欺的目的で設立されたブローカーも存在
最初から詐欺目的で設立されたと考えられる悪質なブローカーも多数存在します。過去には不正な損失の発生や利益の取り消し、資金の流用、突然の倒産などが報告されています。2023年には、コピートレードを利用した詐欺行為が頻発しました。
コピートレードとは選択したトレーダーの取引を自動的に複製して、自分の口座で同じ取引を行うことができるサービスです。
代表的なのは海外FX業者「AssassinFX（アサシンエフエックス）」です。AssassinFXは、インフルエンサーを通じてコピートレードを勧誘し、最初のうちは意図的に利益を出すことでその実績を元に多くの資金を集めました。しかし、十分な資金が集まった後に運営者は損失が発生するような取引を行い、トレーダーの資金を完全に失わせたとされています。
海外FXでのトラブルを避けるために
しっかりと取引ができる安全性の高い海外FX業者も多数存在します。ここからは、海外FX業者のトラブルを避けるために必須のポイントを紹介します。
金融ライセンスの取得が確認できる海外FX業者を選ぶ
海外FX業者を選ぶ際は、大前提として金融ライセンスの取得が確認できる業者を選びましょう。国内FX業者が日本の金融ライセンスを取得するように、海外FX業者でもその国の金融ライセンスを取得していれば、少なくともその国の規制を遵守している安全性が評価できます。
具体的な確認方法としては、海外FX業者の公式ページの下部にあるライセンスの表記や、ライセンスについてまとめられた個別ページより確認可能です。安全性の高いブローカーの選び方については以下の記事をご参考ください。
海外FX業者に関する口コミをしっかりと調べる
金融ライセンスの取得が確認できたら、口コミなどをしっかりと調べることをおすすめします。知りたいブローカーについてSNS上で検索したり、どのような取引条件を提供しているかなどです。
SNS上でほかのユーザーから海外FX業者へ招待されたといった場合は注意が必要です。多くのFX詐欺はSNS上からの勧誘から発生しています。
とは言え、海外FX初心者の方にとって、各海外FX業者の情報を集めたり信頼できる業者を選別するのは難しいことです。そんな時は、当サイトのおすすめランキングをご覧ください。
当サイトでは、安全性の高い海外FX業者に関する情報をまとめ、各種取引条件から総合的に優れたブローカーをご紹介しています。
海外FXでのトラブル発生時の対処法
仮に海外FX業者に関わるトラブルに遭ってしまった場合に、どういった解決方法があるのか具体例として紹介します。
国民生活センターへの相談
海外FX業者に関するトラブルがあった場合、悪質FX業者に問い合わせて返答すら貰えない可能性もあります。そういった場合は、「消費生活センター等」へ相談すると良いでしょう。
消費生活センター等は、各地方自治体が設置している消費者のための相談窓口です。FX取引に限らず、様々な消費者トラブルに関する相談を受け付けています。消費生活センター等では、無料で状況に応じたアドバイスを受けられます。
法律相談事務所や警察への相談
悪質な海外FX業者から不当な出金拒否をされているなど、金銭面での被害が発生している場合は、弁護士・法律相談事務所や警察に相談するのは有効な手段です。
日本国内に所在地や資産がある業者であれば、個人で交渉するよりも権威ある第三者を仲介することで、被害金額を取り戻せる可能性が高まります。
海外FX業者提携の紛争解決機関の活用
海外FX業者の中には、トラブル発生時に業者と顧客間の直接交渉ではなく、専門的な紛争解決機関が第三者として公平な対応を行うことができる場合があります。
例えば、XM Trading（エックスエム）、Titan FX（タイタンFX）、HF Markets（エイチエフマーケッツ）などは、ブローカーとトレーダー間の紛争解決を専門とする独立組織「Financial Commission」に加盟しています。
これらの業者との取引でトラブルが発生した際は、Financial Commissionに申し立てを行うことで一定額までの補償を受けることが可能です（ただし、ブローカー側に非がある場合に限ります）。
海外FXの利用は違法ではないが細心の注意が必要
海外FXを自己判断の上で利用することは違法ではありません。日本の金融庁の警告はあくまでも、無登録で勧誘・営業している海外FX業者に対して発されたものだからです。
とはいえ、利用は問題ないにせよ危険性の高い海外FX業者は多く存在するため、事前のチェックが重要です。
規制の緩い海外FXでは、ハイレバレッジによる少額取引の容易さや口座残高を超える損失が発生しないゼロカットなどのメリットがあり、国内FXとは違った取引ができます。
安全性を確認した上で、ぜひ海外FXでお取引ください。
