海外FX初心者
2024年4月以降、FXDDに関する苦情がSNSや口コミサイトで急増しています。その多くは「出金拒否」に関するものです。
利用者からは、利益が発生しても出金申請が承認されない、または長期間にわたって出金が遅延するという報告が相次いでおり、多くのトレーダーが資金の安全性に不安を感じています。
加えて、FXDDが経営権を譲渡したとされる888 Marketの透明性に対する懸念も浮上しており、一部では偽装倒産の可能性が指摘されています。
本記事では、FXDDを取り巻く現状と、倒産疑惑に関する背景を詳しく解説します。
FXDDの倒産疑惑が浮上!顧客資金はどうなる?
2002年にアメリカで設立され、今年で22周年を迎えるFXDD(エフエックスDD)は、長年にわたり日本人トレーダーから信頼されてきた老舗のFXブローカーです。その豊富な実績と安定した取引環境で多くの利用者に支持されてきました。
しかし、2024年4月以降、SNS上では「FXDDから出金ができない」という報告が相次いでおり、状況が急激に悪化しています。かつて日本人トレーダーに大きな損害をもたらしたGEMFOREXのように、FXDDも破産寸前ではないかという懸念が広がりつつあります。
2024年4月には資金繰り悪化の兆候が
FXDD(エフエックスDD)は、2024年4月に、収納代行業者のトラブルを理由にすべての出金を突然停止しました。同時期にはExnessやAxiといった他のFX業者でも同様の問題が発生していたため、利用者の間では一時的なトラブルと考えられ、復旧が期待されていました。
しかし、約5ヶ月が経過した現在も出金に関する公式な発表はなく、サポートへの連絡手段も依然として遮断されたままです。
さらに、問題が解決する兆しが見えない中、FXDDは突然、所有権を888 Marketsに譲渡しました。この888 Marketsに関しては不透明な点が多く、一部では「偽装買収」ではないかという疑念が広がっています。
FXDDはグループ全体で「MFSA (マルタ金融サービス庁)」「FSC (モーリシャス金融サービス委員会)」「LFSA (ラブアン金融庁)」「FCA(英国金融行動監視機構)」の4つの金融ライセンスを保有し、長い運営歴を持つ信頼できるFX業者として認識されてきました。そのため、収納代行業者のトラブルが表面化した際にも、多くの顧客はFXDDの信頼性を疑うことはありませんでした。同社がこれまで培ってきた評判やライセンスの裏付けが、問題が一時的なものに過ぎないという認識を助長したと考えられます。
2024年6月に日本人スタッフが一斉解雇
2024年6月には、FXDDに在籍していた日本人スタッフが一斉に解雇されました。この時期の前後には、日本人スタッフに限らず多くのFXDD従業員が解雇されたようです。
この一斉解雇は、FXDDが従業員に対する給与を支払えない状態に陥ったための措置だと考えられます。FXDDの財務状況が悪化し、経営継続が困難になった決定的な瞬間と言えるでしょう。
2024年9月にはポータルへのログインも不可に
FXDDには、一般利用者向けとIB業者向けの2つのポータルサイトがあります。2024年4月時点ではどちらも通常通り利用可能でしたが、9月に入ってから突然、トレーダー向けおよびIB向けのポータルが閉鎖されました。
このポータル閉鎖により、ユーザーは資金移動や出金申請など、一切の操作ができなくなりました。現在でも資金の返還が行われていない状況から、FXDDは倒産や破産の危機に瀕していると考えられます。
海外拠点を持つFX業者から資金を取り戻すことは困難を極めます。実際に、GEMFOREXやFX fair、AssassinFXなどの件でも資金を取り戻したユーザーは確認されていません。
FXDDへの苦情は現在も世界規模で拡大中
FXDD(エフエックスDD)の出金拒否問題は、日本国内だけでなく世界中に広がっています。世界最大級のFXブローカーレビューサイト「Forex Peace Army」には、FXDDに対する多数の苦情が寄せられており、その深刻さが浮き彫りになっています。
例えば、あるユーザーは6月18日以降、FXDDのカスタマーサポートに全く連絡が取れず、888 Marketsへの買収に関する進捗も一切知らされていないと報告しています。また、別のユーザーは5月6日に5,550ドルの出金を申請しましたが、資金は口座から消えたままで、返金が行われていないとのことです。
これらの事例からも、FXDDが事実上機能していない状態にあることが伺えます。
原文:Since june 18 2024 until now i can't contact CS FXDD by email,i send the email many times they never replay....they send me the email on18 june for info proceed acquisition to 888markets,but until now 19 august no news at all to us how the progress is.
翻訳:2024年6月18日から現在まで、メールでCS FXDDに連絡できません。何度もメールを送信しましたが、返信はありません。6月18日に888marketsへの買収の進捗状況に関する情報のメールが送られてきましたが、8月19日現在、進捗状況についてはまったく連絡がありません。
引用:FPA
原文:I requested to withdraw $5,550 since last May 6, and the amount has been deducted from my account and I have not received it yet, in addition to procrastination from support. After all this, no one responds from support. Despite all this, withdrawal and deposit methods have been closed from the customer area, and no one responds to any email or email.
翻訳:5月6日から5,550ドルの出金をリクエストしましたが、その金額は口座から引き落とされ、サポートからの遅延に加えて、まだ受け取っていません。それにもかかわらず、顧客エリアからの出金と入金の方法は閉鎖されており、メールや電子メールに誰も応答しません。
引用:FPA
原文:So far, the amount has not been withdrawn from my account and I wrote to the company repeatedly and they did not execute the transfer with responses in the form of "don't worry" and "we will follow up on the matter."
翻訳:2024年4月6日の1日で1514ドルを引き出しました。
これまでのところ、金額は口座から引き落とされておらず、会社に繰り返し手紙を書いたのですが、「心配しないでください」「この件についてはフォローアップします」という形で返答され、送金は実行されませんでした。
引用:FPA
さらに、2024年4月以降、FXDDはIB(Introducing Broker)への報酬支払いも停止しています。これらの状況から、FXDDの経営破綻が避けられない状態にあるのではないかと見られています。
FXDDの新会社は偽装買収かそれとも本当の経営再編か?
FXDD(エフエックスDD)は2024年6月17日、公式サイトにて経営権移譲を発表しました。同社は、英国拠点の企業「888 Markets(トリプルエイト マーケット)」に所有権を譲渡し、今後は新たな所有者の管理下で運営されることが明らかにされています。
移行作業は数週間以内に完了する予定とされていましたが、現在に至るまでSNSやレビューサイトでは、FXDDからの出金が成功したという報告は確認されておらず、問題解決の兆しは見えていません。
888 Marketsの前身はTriple Eight Markets?
FXDD(エフエックスDD)が移譲先として発表した「888 Markets」について調査を進めたところ、その前身は「Triple Eight Markets」であることが判明しました。
「Triple Eight Markets」は2018年4月24日に資本金1ポンドで設立され、役員には「MARSHAK, Craig Joseph氏」と「GIBSON, Jason William氏」が名を連ねていました。同社はかつてFXブローカーとして、英国金融行動監視機構(FCA)のライセンス(ライセンス番号:814301)を取得していたものの、2020年11月3日に登録が抹消されています。
888 MarketsとTriple Eight Marketsの関連性
「Triple Eight Markets」の解体後、2021年5月14日に資本金1,000ポンドで設立されたのが「888 Markets」です。
「Triple Eight Markets」と「888 Markets」の2社の直接的な関連性は明らかではありませんが、「Triple Eight Markets」の役員だったMARSHAK, Craig Joseph氏が、FXDDの親会社であるNukkleus Inc(ヌクレウス)社の取締役も務めていたことから、両社が無関係とは言い切れないでしょう。
FXDDはNukkleus Incの子会社として運営されていました。Nukkleus Incは、リテールFX業界向けにソフトウェアやテクノロジー、リスク管理ソリューションを提供する企業です。また、フィアット通貨と暗号通貨の交換サービスも展開しています。FXDDの会長であるEmil Assentato氏は、Nukkleus Inc社の取締役を務めていたことから、その関係性が深いことは明らかです。
888 MarketsはFXDDを救えるのか
FXDDが経営権を移譲した888 Marketsは、設立後しばらく休眠状態にあったと報告されています。また、休眠状態であるため資産もほとんどない状態です。
888Marketsが経営危機に陥ったFXDDを救済できる経済力がないことは明らかで、現在滞っている顧客資産の返還や、IB報酬の支払いは困難だと考えられるでしょう。これらのことから、今回の買収劇はFXDDの正式な売却ではなく、倒産や解散を目的とした偽装買収や時間稼ぎの疑いが持たれています。
一方で、FXDDの親会社であるNukkleus Incは、NASDAQに「NUKK」のティッカーシンボルで上場している企業です。可能性は極めて低いものの、Nukkleus Incが今後FXDDを買収し、救済に乗り出す可能性も完全には否定できません。
FXDDの出金問題は現在も解決に至らず
FXDD(エフエックスDD)は現在も公式な声明を出さず、ユーザーは出金されるのをただ待つ状況が続いています。このまま出金が行われなければ、GEMFOREXのように問題が有耶無耶にされる可能性も十分に考えられるでしょう。
こうしたリスクから自己資産を守るためには、トレーダー自身も正しい知識を身に付け、安全な業者を選択しなければなりません。たとえば、FinancialCommissionや民事賠償責任保険に加盟しているブローカーを選ぶことで、万が一の事態が発生しても一定の保護を受けることが可能です。
「投資は自己責任」とよく言われますが、資金を預ける先を選ぶのもトレーダー自身の判断です。特に海外FX業者を利用する際は、その安全性や信頼性をしっかりと見極め、安心して資金を預けられる業者を選択しましょう。