海外FX初心者
海外FX業者のSvoFXにおいて、利用者から出金できないという深刻な報告が相次いでいます。SvoFXは大手海外FX業者ではありませんが、取引条件の良さから一定数の日本人トレーダーに利用されてきました。
しかし、SvoFXは2024年9月末のサービス終了告知後、出金に応じる姿勢を示してはいましたが実際には出金処理が進んでいない状況です。
海外FX業者による顧客資金の持ち逃げの事件は少なからず発生しており、不安に思っているトレーダーの方も多いと思います。本記事では、SvoFXの出金問題の実態や今後の見通し、さらには同様の被害を防ぐための具体的な対策について詳しく解説します。
この記事の目次
SvoFXのサービスが終了し出金できなくなるユーザーが続出
SvoFXは2024年9月下旬にサービスを終了することになり、本来であれば顧客の資金は全額出金されるべきでした。しかし、SNS上では、SvoFXを利用していたトレーダーによる出金できないという報告が相次いでいます。
SvoFXは当初保有していた金融ライセンスが抹消されていることや、運営会社名が頻繁に変更されていることなど、その運営実態には多くの懸念点が存在しました。トラブルの経緯を見ていきましょう。
SvoFXは2024年9月末にサービスを終了
SvoFXは2024年9月20日頃に、利用しているトレーダーのメール宛に9月末でサービスの終了することを伝える告知文を送信しています。具体的には以下の通りです。
SvoFXサービス終了の告知
お客様各位
SVOFXは、誠に残念なことに、2024年9月30日をもちましてオンライン取引サービスを終了いたします。この決定は、継続中の業務上の課題により、効果的かつ持続的にサービスを提供することが困難になっているためです。
サービス終了に関する重要な情報は以下の通りです。
(A) サービス終了
2024年9月30日をもって、当社の取引プラットフォームの運用およびすべてのFX取引活動が停止いたします。 9月30日までに未決済ポジションの決済をお願いいたします。9月30日以降に未決済のポジションが残っている場合、自動的に決済されます。
(B) 口座からの出金
口座に残高がある場合は、2024年10月31日までに、出金申請をお願いいたします。出金申請後、正式な手続きに基づき順次処理いたします。
経営がうまくいかなくなったというのが理由のようです。その後、SvoFXは9月30日に出金に関する連絡を以下のように送信しています。
SvoFXの出金に関する連絡
お客様各位
この度、出金申請と出金処理に関する追加のご連絡です。
出金申請:口座に残高が最低出金額以上ある場合は、2024年10月31日までに口座からの出金申請をお願いいたします。
出金処理:2024年11月以降、正式な手続きに基づき、順次出金処理を行います。申請日に関わらず、お客様によって処理日には前後がございますので、予めご了承ください。申請提出後は、しばらくお待ちください。
ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
SVOFX LTD.
2024年9月30日
この時点で、2024年10月31日までに全額出金申請をすれば、資金は全額出金できるかのように捉えられます。
逆に言えばこの日までに申請をしなければ、口座に入金をしているトレーダーの資金は返金されない可能性がありました。この告知に気づいたSvoFXの利用者は、おそらく急いで出金手続きをしたはずです。
SvoFXの出金遅延に関する告知
出金申請期限である10月30日を過ぎた11月1日、SvoFXは利用者のメールと公式ホームページ上に以下の告知文を掲載します。
SvoFXによる出金遅延に関する告知
お客様各位
平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
この度は、出金申請および処理に関する重要なお知らせをさせていただきます。
現在、多数の出金申請をいただいており、確認作業に追われています。財務整理を進める中、お客様の出金を一日も早く処理できるよう最善を尽くしておりますが、想定を上回る作業のため、現時点では処理の目処が立っておらず、当初の予定より大幅に遅延する見込みです。
当初のご案内よりも大幅に処理が遅延する見込みであり、現時点では具体的な完了時期をお示しすることが極めて困難な状況です。予期せぬ事態も想定されるため、今後の見通しについては不透明な部分が多く、誠に申し訳ございません。
また、お客様からのご質問やお問い合わせに対応するため、サポートセンターの対応期間を2025年2月28日まで延長いたします。ご不明な点等ございましたら、何なりとお申し付けください。
お客様には多大なるご心配とご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
SVOFX LTD.
2024年11月1日
SvoFXからの「大幅に出金の処理が遅延する見込みである」「具体的な完了時期は示せない」「予期せぬ事態も想定される」と告知されたことで、一気にSvoFXに資金を預けているトレーダーの間で不安感が広まりました。
残念ながら懸念していたことは的中し、その後執筆時点では出金報告はありません。また、実際に問い合わせを行っても、SvoFXからの返信等は得られていないという報告もされています。過去の事例を見るとこのまま資金が出金できない可能性は非常に高いといえるでしょう。
SvoFXで起こったトラブルを詳細に解説
今回のSvoFXの出金に関するトラブルにおいて、現時点でどのような被害が報告されているのか解説します。大手のFX海外FX業者ではないため、具体的な被害報告は多くは見受けられませんが、状況から判断すると少額ながらも出金できていない利用者は多いと考えられます。
SvoFXに預け入れた数百万円もの資産が出金できず
SNSを確認する限り、850万円の資金が出金できない、1,600ドルほどの資金が出金できないなどの報告が見受けられます。
このような高額の被害が複数発生しているとなれば、かなり大きな事件と言えるでしょう。今後日にちが経つにつれても出金がされなければ、より多くの被害報告が出てくる可能性も高いです。
SvoFXにはもともと怪しい点が多かった
SvoFXはこの出金に関するトラブルの報告が始まる前から、怪しい点が多い海外FX業者とされていました。以下はSvoFXの会社概要です。
SvoFXの概要(公式ホームページ情報)
運営会社 | SVOFX LTD. |
設立 | 2014年 |
保有金融ライセンス | 未確認 |
住所 | First Floor, First St. Vincent Bank Ltd, James Street Kingstown, St. Vincent and the Grenadines. |
顧客の資金管理 | 信託保全 |
運営会社 |
SVOFX LTD. |
設立 |
2014年 |
保有金融ライセンス |
未確認 |
住所 |
First Floor, First St. Vincent Bank Ltd, James Street Kingstown, St. Vincent and the Grenadines. |
顧客の資金管理 |
信託保全 |
まずSvoFXでは会社の公式な住所として公開されていますが、この住所を調べてみると、セントビンセント及びグレナディーン諸島の銀行の住所となっておりSvoFXはありません。この住所は他の海外FX業者でも利用されており、おそらく登記のためだけに利用されたペーパーカンパニーである可能性が高いです。
さらに、SvoFXはバヌアツ共和国金融サービス委員会(VFSC)やセントビンセント・グレナディーン金融庁(SVGIBC)の金融ライセンスを保有しているとの情報もありましたが現在は詳細が記載されていません。SvoFXは一切の金融ライセンスを保有していない可能性が高く、この時点で海外FX業者としてかなり信頼度が低いと判断できます。
また、海外FX業者評価サイトなどを見ても存在が確認できず、Linkedin(企業向けのSNS)などでも会社の実態は確認できません。まともに運営がされていたとは考えにくいでしょう。
SvoFXの信託保全も嘘の可能性が高い
SvoFXは顧客資金の安全性を保証する「信託保全」を謳っていますが、実態は疑わしい状況にあります。信託保全とは顧客の資金を信託銀行で管理し、運営会社が倒産しても全額が保証されるシステムです。
しかしSvoFXの場合、実際に信託保全が機能している証拠は見当たりません。まず、信託銀行の詳細や具体的な補償内容が一切公開されていません。トレーダーからの信託保全に関する問い合わせに一切応答がないことや、出金の遅延などの問題が発生していることからも、信託保全が実際には機能していない可能性が高いと考えられます。
海外FXでは信託保全はほとんど見られず、大手海外FX業者では補償保険を適用するケースが多いです。SvoFXが信託保全を強調しているのは、日本人トレーダーの信頼を得るための嘘の営業戦略であった可能性が高いといえます。
出金申請が殺到していて対応できないことに対する疑問
SvoFX側は、「多数の出金申請をいただいており、確認作業に追われています。(中略)想定を上回る作業のため、現時点では処理の目処が立っておらず、当初の予定より大幅に遅延する見込みです。」としています。
しかし、SvoFXのサービス終了報告後出金ができない報告は見受けられるものの、無事出金ができたという報告は現時点ではありません。出金申請が殺到して追いつかないという理由であればちらほら出金できたユーザーがいてもいいはずです。そもそも誰一人に対しても返金していない可能性も考えられます。
信託保全で分別管理しているのであれば単純に預かっている資金を返金すれば良いだけであるにもかかわらず、確認作業に追われているのは不自然です。
GEMFOREXの資金持ち逃げ事件との類似性
今回のSvoFXによる出金トラブルは、2023年8月に発生したGEMFOREXの事件との共通点を持っています。GEMFOREXは日本で多くの利用者を抱え、信頼されていた海外FX業者でしたが、突如サービスを終了し顧客資金を実質的に持ち逃げする形となりました。
GEMFOREXのケースでも同じように、さまざまな理由をつけて出金を引き延ばし、執筆時点でもすべての被害金額は出金できていません。おそらく、今後出金できる可能性は限りなく低いでしょう。他にもGEMFOREXのケースの類似点として、運営の実態が日本人である可能性が高いという点も挙げられます。
なお、海外FXを利用したこのようなトラブルは日本人が実質運営をしていたとしても、海外の企業であるため取り締まりが難しく、被害者は泣き寝入りしなければならないケースがほとんどです。
SvoFXはどのような海外FX業者だったか?
トラブル続きのSvoFXはトレーダーからどのような評価を受けていたのでしょうか。SvoFXは以下のような取引条件を提供していました。
SvoFXの概要(公式ホームページ情報)
透明性の高いNDD方式を採用し、レバレッジは海外FX業者の中でもかなり高い設定です。SvoFXのSNSなどでの口コミを見てみると、値付けの良さや指値の約定の高さなど、一部のトレーダーには定評があったようです。コピートレードサービス(ソーシャルトレード)も人気のようでした。
一方でスプレッドは広く使いづらい、出金手数料が高い点が不満点として挙げられていました。また、高額なボーナスも提供しており、15,000円分の口座開設ボーナス、100%+20%の入金ボーナス(最大75,000円)などで顧客を集めていたようです。さらには、友人を紹介するだけで50ドル相当のポイントがもらえることから、報酬目的と思われる書き込みも見られました。
海外FXで被害に遭わないためには
今回のSvoFXでの出金トラブルが、本当に詐欺被害なのかどうかは現時点では確定していません。しかし、SvoFXのような情報の少ない海外FX業者は、決して安易に手を出すべきではありません。
特にFX初心者のうちはさまざまな判断が難しく、気づかないうちに騙されているケースも多いです。海外FXで詐欺などの被害に遭わないためにはどうすれば良いのか解説します。海外FX業者を選ぶ際の参考などにしてください。
SNS上での情報を鵜呑みにしない
海外FXを利用する際に最も気をつけるべきなのは、SNSでの勧誘です。X(旧Twitter)やTikTokなどは特に詐欺が多く見受けられます。利益や確実性を謳って初心者を信用させ、資金を奪い取るケースが後を絶ちません。
よくあるのが、初心者を信用させたあとLINEグループやDiscordなどの閉鎖されたコミュニティに勧誘する手法です。コミュニティ内でコピートレードへ誘導したり、無名な海外FX業者へ誘導したりして入金をさせ、最終的に資金を搾取します。
顔も知らない本名も知らないSNSのアカウントでの勧誘を一切信用してはいけません。ほとんどが詐欺だと思っていて良いでしょう。なお、SNSで投資を勧めているインフルエンサーの中には、宣伝料をもらいながら自分も投資して損をしてしまうという、複雑な立場の人も少なくありません。
本サイトFXplusでは、中立の立場で海外FX業者を評価しご紹介しています。また、信用できない危険なFX海外FX業者は、危険だと思われる根拠をしっかりと掲載しています。SNSなどでFX海外FX業者を紹介された際は、本サイトをぜひご参考ください。
二次被害に注意
また気をつけてほしいのが、「被害を取り戻せます」といった甘い言葉で近づいてくる人たちです。実は、こうした人々の中には、すでに被害に遭った方々の不安な気持ちに寄り添うふりをして、新たな投資話に誘導しようとする人もいるのです。
海外FX業者を複数使ってリスクを分散する
海外FXを利用する際は、リスクを分散しましょう。1つのFX海外FX業者だけを利用していると、その海外FX業者で何かトラブルが起きた際に、一気にすべての資金が失われてしまう危険性があります。万が一利用していた海外FX業者が詐欺だったとしても、いくつかの海外FX業者に分けてトレードをしていれば被害は最小限で済みます。
海外FX業者に限らず、自分自身の資産はリスクを分散して保管する癖をつけておきましょう。
海外FXではこまめに出金をおこなう
海外FX業者を利用する際は、こまめに出金をおこなうようにしましょう。海外FX業者の口座に資金を入れっぱなしにしておくと、何かトラブルがあった際にすべての資金を失う可能性があります。
海外FX業者の口座にはトレードに必要な最低限の証拠金さえ入っていれば十分です。口座残高が多いことで利子が発生するわけでもないので、高額な資金を残しておくメリットはほとんどありません。利益が発生したら貯め込まずに、定期的に出金するようにしましょう。
自分自身で海外FX業者しっかり調べてから利用する
どのような海外FX業者を利用する際でも、必ず自分自身でしっかりと調べてから利用するようにしましょう。
具体的には、海外FX業者の口コミ、運営期間、金融ライセンス、会社の実体などを調べます。SNSに書かれている情報などだけを信じるのではなく、自分自身で調査しましょう。悪質な海外FX業者の場合、公式ホームページに書かれている内容もすべて嘘です。SvoFXのように会社の住所が書かれていなかったり、金融ライセンスが確認できないような海外FX業者は、まず利用しないようにしましょう。
SvoFXからの出金は期待できない
今回のSvoFXの出金トラブルに関して、残念ながら今後の出金に期待を持つのは難しい状況といえます。会社住所が不明確で金融ライセンスも持たないなど、ブローカーの信頼性に関する懸念が非常に多いためです。
海外FXの取引をお考えの方は、FXplusで紹介している厳選された安全性の高い海外FX業者の情報をぜひご参考ください。ただし、最終的な判断は必ずご自身で行っていただき、慎重に取引先を選ぶことをおすすめします。