GEMFOREX サービス停止に伴う掲載終了について

GEMFOREXサービス停止の背景

GEMFOREX（ゲムフォレックス）が決定した一時的なサービス停止は、2022年中頃から始まった3つのトラブルが招いた結果であると明らかにされました。

これらの問題には、名義貸しや転売口座を利用したボーナスアービトラージ被害の拡大、決済代行会社による約50億円の持ち逃げ、そして決済代行会社による約10億円の未払いが含まれています。

GEMFOREXで発生したトラブル

3つの事件は同時期に発生しました。その結果としてGEMFOREXは深刻な資金難に陥り、大幅な出金遅延が生じています。

ボーナスアービトラージの横行

2022年中頃から始まった、名義貸しと口座転売が最初の問題となりました。

組織的なボーナスアービトラージが行われ、GEMFOREX（ゲムフォレックス）の財政状況を脅かす事態となったようです。

しかし、GEMFOREXが公式に注意喚起を行ったにも関わらず、現在のような窮地に陥ったという結果は、GEMFOREXのリスクマネジメント不足を疑わざるを得ません。

決済代行業者の離反

2022年後半には、決済代行会社による約50億円の持ち逃げと、約10億円の未払いという大規模なトラブルが同時期に発生しました。2つのトラブルはGEMFOREX（ゲムフォレックス）の財務状況を悪化させ、深刻な状況に追い込んだと見られています。

決済代行業者のトラブルは基本的に技術的なトラブルが多く、GEMFOREXのような持ち逃げや未払いと言ったケースは極めて珍しい例です。

海外FX業者が利用する決済代行業者は様々な業者が存在しますが、今後は決済代行業者の見極めも必要になってくるのかもしれません。

止まらないSNS上の悪評

GEMFOREX（ゲムフォレックス）によると、TwitterやLINEのオープンチャット上で事実と異なる噂が拡散されていたと主張しています。

サードパーティ（第三者機関）への通報やGEMFOREXへの脅迫めいた投稿が相次ぎ、これが会社の破綻に繋がる行為になりかねないとして、一時的にサービスを停止するとの声明を発表しました。

一方で、GEMFOREXはサービス停止前日までユーザーに対して入金ボーナスの案内を送付しています。さらに、資金難の状況でGem Membership PASSの販売を計画するなど、明らかな集金と思われるような行為を繰り返してきました。

信用の失墜を招く行動を行ってきたGEMFOREXへの悪評は、当然の結果と言えるのではないでしょうか。

GEMFOREXユーザーへの影響

GEMFOREX（ゲムフォレックス）のこのサービス停止は、顧客に大きな影響を与えています。新規の注文が停止され、既存の取引についても2023年6月30日までに決済を完了するようにと要求されています。

事前の告知が無かったこともあり、顧客にとっては想定外の事態となりました。

すべてのポジション決済を要求

GEMFOREX（ゲムフォレックス）は、売買の新規発注を2023年5月31日から停止しました。

現在ポジション保有中のユーザーに対しては、2023年6月30日までに全ての決済を完了させるようにとアナウンスしています。

定額出金や分割出金は一時停止

先日決定された「週ごとの定額出金」「分割出金」は、事業譲渡が完了する8月1日まで一時停止となる見込みです。

上記措置については、以下の過去記事で詳しく解説していますのでご確認ください。

出金再開は8月以降になる見込み

GEMFOREX（ゲムフォレックス）は、事業譲渡資金でユーザーへの出金再開を計画していると明らかにしています。したがって、8月1日までに出金が行われる可能性は低いと言えるでしょう。

しかし、出金申請を行った日から30日以上経過した未払いがある場合、遅延損害金として年利5％を月末に顧客の口座に反映すると発表しています。

GEMFOREXが事業を再開するのであれば、遅延損害金の支払いはGEMFOREXにとっても甚大な損失に繋がります。そのため、GEMFOREXの事業継承がスムーズに行われれば、8月1日以降の順次出金再開が行われる見込みです。

GEMFOREXのM&Aと事業継承について

GEMFOREX（ゲムフォレックス）の経営陣は、M&Aによる事業継承を模索しており、セントビンセント・グレナディーン諸島に拠点を置く「GemTrade LLC」の全事業譲渡を協議しているようです。

GEMFOREXが公表するM&Aの詳細については以下の通りです。

GemTrade LLC事業継承の詳細

事業譲渡の目処は2023年8月1日とされ、GEMFOREXはこの資金をユーザーの出金に充当することを計画しています。

また、出金申請を行った日から30日後に未払いがある場合、遅延損害金として年利5％を付け、その金額を月末に顧客の口座に反映することを明らかにしました。

事業継承失敗で残る不安

GEMFOREX（ゲムフォレックス）の発表した内容によると、2023年5月25日を協議開始日とし、買収先を事業継承手続き中、または完了後に公表するとしています。

事実であれば、GEMFOREXの買収先はほぼ確定し、現在協議を進めているものと思われます。

しかし、M&A協議中が事実でない場合、遅延損害金の支払いはもちろん、出金さえ行われない可能性があります。最悪の事態にならぬことを祈るしかありません。

GEMFOREXに対する信用の失墜

GEMFOREX（ゲムフォレックス）は2023年8月1日のM&A完了を目指して、事業再開の準備を進めています。

具体的な再開の目処は、M&Aが完了すると予想される2023年8月1日以降になるでしょう。遅延中の出金を全て完了した後、MetaQuotes社と協議の上で取引の再開を予定しているようです。

しかし、サービス停止前日に入金を促すメールを送付するなど、数々のユーザーを裏切る行為から、既にGEMFOREXへの信用は無いに等しいといっても過言ではないでしょう。

お客様への出金遅延やサービスの停止、企業の未来が不確かなままであるという事実は、信頼と安心を顧客に提供する責務を果たせていないことを示しています。

これらの問題が解決されない限り、FXplusはGEMFOREXとのパートナーシップを継続することが不可能と判断し、GEMFOREXの掲載を終了とさせていただきます。

GEMFOREXに関する今後の情報につきましては、続報があり次第ニュース記事で配信してまいります。