自己売買
2018.07.04
自己売買とは、証券会社や銀行などが各々の勘定を使って株式や債券、為替などに投資することをいいます。「ディーリング」ともいわれます。
例えば証券会社は有価証券の発行引き受けや売買仲介業務だけでなく自己の資金を用いて有価証券の売買を行い、それによって収益を得ることが認められています。
もちろん有価証券投資に伴うリスクもこの証券会社の負担になります。このような自己売買業務に携わる人たちがディーラーです。その最大の目的は売買益の確保にありますが、同時に有価証券の流動性を高めるという目的もあります。
つまり自己売買によって買い付けた有価証券を在庫として保有するとともに、投資家の買い注文があった場合などにその在庫を用いて投資家に販売するといったケースがこれに相当します。とくに債券取引の場合、証券取引所での売買もありますが、多くは店頭市場で取引されており、証券会社が自己売買を通じて市場の流動性を維持することがあります。
金融商品取引法において証券会社は、委託売買業務、引受業務、募集・売り出し業務、自己売買の4つを行えるとされています。ただし、大手証券会社が多額の自己資金で無制限に取引できるとすると、相場を大きく動かすなど多方面へ影響を及ぼすことが懸念されます。このため、自己売買基準で取引対象や限度枠等に関して種々の規制に服しています。
また、口座を開設する際に誤登録や架空登録をするおそれや決済時に誤記帳や架空記帳をするおそれがあります。このため、一般的に防止策として多くの点がシステム化されており、内部統制が強化されています。
読み方
ジコバイバイ・じこばいばい
同意語