海外FXの確定申告を理解しよう!国内FXとの相違点から節税・申告方法まで
FX初心者のお役立ち情報
海外FX投資を行う場合は、取引に関する知識だけでなく税金に関する正しい知識も知っておく必要があります。海外FXの利益には、所得税や復興特別所得税、住民税が課税され、原則として確定申告が必要です。また、国内FXとの課税方式の違いや税額計算方法を理解しておくことも大切でしょう。さらに、適法な節税を行って税負担を抑えることも、税引き後の利回りを高めることにつながります。そこで、海外FXで所得を得た場合の確定申告義務や所得計算方法、節税方法などについてお伝えします。
海外FXの確定申告を理解しよう
海外FXから生じた所得は公的年金等以外の雑所得で総合課税
個人が所得を得た場合、所得を得た方法によって税額計算が違うため、所得の種類に応じ区分して計算することになっています。
海外FX取引から生じた所得区分は、公的年金等以外の雑所得です。公的年金等以外の雑所得は総合課税が適用されます。総合課税とは、海外FXの所得だけでなく、給与所得や事業所得などほかの総合課税とされる所得と合算して税額計算を行う課税方式です。総合課税となる所得が多くなるほど、税率が上がる超過累進税率が適用されます。
国内FXから生じた所得は先物取引にかかる雑所得等で申告分離課税
国内FXから生じた所得は、海外FXの所得区分とは違います。国内FXの所得は、先物取引にかかる雑所得等に区分されることになっています。この所得に適用される課税方式は、申告分離課税です。
申告分離課税とは、ほかの所得とは合算せずに税額計算を行う方式です。国内FXに適用される税率は比例税率で、所得金額によっては海外FXよりも税負担が少なくなる場合があります。
確定申告義務がある人
海外FX投資を行っている人は、原則として確定申告が必要です。
会社員などの給与所得者のほとんどは、年末調整によって必要な税額が源泉徴収されますので、確定申告は不要とされています。
ただし、給与年収が2,000万円を超える人や給与所得以外の所得が年間20万円を超える人は確定申告義務があります。そのため、給与年収2,000万円以下の会社員であっても海外FXの所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。
また、自営業など会社員以外の場合、各種所得金額の合計額が所得控除額を超えるときは確定申告が必要です。所得控除の最低金額は基礎控除だけしか適用できない場合ですので、基礎控除38万円を超える海外FXの所得がある場合は確定申告義務が生じることがあります。
海外FXの所得がマイナスで、そのほかの所得がない場合は確定申告の必要はありません。
海外FXで確定申告する場合における注意すべきポイント
海外FXと国内FXの課税方式の違いを理解する
FX投資を行う人は、海外FXと国内FXの課税方式を理解しておく必要があるでしょう。税負担が違いますので注意が必要です。
海外FXの所得に対する課税方式は総合課税で、所得税は所得金額に応じて最低5%から最高45%までの税率が適用されることになっています。このほかにも、10%の住民税と所得税に対して2.1%の復興特別所得税が課税されます。そのため、海外FXで多額の利益を得た場合は、50%を超える税負担が生じる場合もあります。
一方、国内FXの所得に対する課税方式は申告分離課税で、所得税等の税率は20.315%の比例税率です。税率が一定ですので計算しやすく、所得金額によっては海外FXよりも税負担が軽くなるケースがあります。
また、海外FX取引による損失はほかの所得との損益通算が認められず、損失の繰越控除の適用もありません。国内FXの損失もほかの所得との損益通算はできませんが、損失を3年間繰り越して翌年以降の国内FXの所得と通算することができる点が違います。
海外FXの損失と国内FXの所得は損益通算できない
国内FXと海外FXの両方を行っているFX投資家の場合は、もう1つ注意しておくべきことがあります。それは、国内FXと海外FXの間の損益通算が認められない点です。
例えば、海外FXは損失で国内FXでは利益が生じた場合、FX投資全体の税引前投資利回りを計算するときは両方を相殺して計算することになるでしょう。しかし、税額計算においては海外FXと国内FXを合計して損失と利益を相殺することはできません。
海外FXの公的年金等以外の雑所得と国内FXの先物取引にかかる雑所得等は違う所得区分で、区分をまたいでの通算は認められないことになっているのです。
節税のポイントは必要経費の計上
必要経費計上が節税につながる理由
海外FX取引で利益が生じた場合は、原則として確定申告が必要となります。確定申告にあたっては、できるだけ節税することが大切です。
海外FXの代表的な節税方法は必要経費の計上です。海外FXの所得は、取引による為替差益とスワップポイントから必要経費を控除して計算することになっています。そのため、必要経費を多く計上すればその分だけ所得金額を抑え、税負担を減らすことが可能になります。
どんな支出が必要経費として認められる?
海外FXの所得計算において必要経費として認められるのは、海外FX取引のために直接支出したものです。
例えば、海外FX関連のセミナーに参加した場合の交通費や参加料、海外FX投資方法などを勉強するために購入した書籍代や新聞代、有料投資情報などが挙げられます。取引に使用した事務用品なども必要経費にできるはずです。また、海外FX会社に支払う取引手数料も必要経費として認められるでしょう。
さらに、取引に使用するパソコン・スマホの購入代金やインターネットプロバイダ費用、サーバー費用などの通信費も認められる場合があります。海外FXのために借りている部屋の家賃も認められる可能性があります。ただし、これらについては海外FXだけに使用している分が明確に区分できる場合だけに限られますので注意が必要です。
確定申告を行う場合のポイント
確定申告には期限がある
確定申告は、所得が生じた年の翌年2月16日から3月15日までに行う必要があります。期限を過ぎてからでも確定申告書を提出することは可能ですが、延滞税がかかる可能性が高いです。申告期限までに提出するように準備しましょう。納税額が発生している場合、翌年の3月15日までに納税も行う必要があります。
確定申告で必要となる書類とは?
確定申告で提出する必要がある書類についても理解しておくことが大切です。
確定申告書そのものを提出するだけでなく、添付書類提出が求められます。給与所得者の場合は会社から受け取った源泉徴収票の添付が必要です。
また、各種の所得控除や税額控除を受けるために、関連支出に関する証明書などが求められる場合もあります。また、提出する必要はなくても一定期間保存する義務が課されている書類もありますので注意が必要です。保存義務がある書類としては、年間の取引収支を証明する書類や必要経費の領収書などが挙げられます。
確定申告書の入手方法と提出方法
確定申告書は税務署で入手できます。また、国税庁のホームページを利用して印刷することも可能です。「確定申告書作成コーナー」で指示通り入力することで、簡単に確定申告書を仕上げることができますのでおすすめです。
申告書が完成したら申告期限までに税務署で提出し、納税することで確定申告作業は終了です。確定申告書の提出は郵送でも可能ですので、忙しい場合は郵送するとよいでしょう。控えの申告書と返信用封筒を入れて郵送し、受付印の押印後に返送してもらうことがポイントです。
まとめ
海外FX投資を行うにあたっては、税金に関する知識が欠かせません。海外FX取引で所得が生じた場合は原則として確定申告が必要になりますので、税額計算や節税、申告方法などについて理解しておくことが大切です。
また、国内FXの課税方法との違いを知っておくことも重要でしょう。海外FXを始めるにあたっては、税金の知識とともにどの海外FX会社で口座を開くかを判断するための情報収集も必要です。
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