当社(FXplus)は、2024年2月1日〜2024年2月29日の期間を対象とした、「重要イベント」と「主要銘柄のボラティリティ」にみる市場動向をまとめたデータを公開しました。
2024年2月は、全体的にボラティリティが低迷しているものの、ドル円は米国ISM製造業景況指数の発表があった2日に当月最大のボラティリティを記録し、月末には150円台まで上昇しました。
人気通貨ペアのボラティリティ動向と取引量
人気通貨ペアであるドル円(USD / JPY)、ユーロドル(EUR / USD)、ユーロ円(EUR / JPY)、ポンド円(GBP / JPY)を対象とした今回の調査結果では、全体を通して1月比でボラティリティの低下が確認されました。特に顕著にボラティリティが低下していたのはクロス円通貨ペアです。また、欧州通貨ペアに関してはテクニカル要因でボラティリティと取引量が拡大する動きが見られました。
米指標発表を受けドル円のボラティリティが拡大
ドル円(USD / JPY)のボラティリティ推移(対象月:2024年1月・2024年2月)
上記は、1月・2月のドル円(USD / JPY)のボラティリティ推移を比較したグラフです。2月のドル円は、全体のボラティリティは1月よりは控えめだったものの、突発的なボラティリティの増加が目立つ1ヶ月間となりました。1日当たりの平均ボラティリティは、1月の132.6pipsに対して2月は87.5pipsと、前月比45.1pips低下しています。一方で1日当たりの最大ボラティリティは、1月の216.8pipsに対して2月2日に記録された239.0pipsが最大となり、22.2pips増加しました。同日は米国ISM製造業PMIが発表があり、市場予想を上回る結果となったことがボラティリティ拡大に大きな影響を与えたと考えられます。2月のドル円価格は、好調な米経済指標やFRBの利上げ決定を受けて徐々に上昇し、月末には150円台を突破しました。
ドル円(USD / JPY)のボラティリティと取引量の推移(対象月:2024年1月・2024年2月)
上記は、ドル円(USD / JPY)の1月と2月のボラティリティと取引量の推移を比較したグラフです。2月のドル円は概ねボラティリティと取引量が相関していましたが、寄り付き時はボラティリティが急増した一方で、引けの際には取引量が急増する動きが見られました。ドル円は2月中旬までレンジ相場で推移しており、その後レンジを脱したことが月末の最大取引量につながったと考えられます。
ユーロ円は全体としてボラティリティが低迷
ユーロ円(EUR / JPY)のボラティリティ推移(対象月:2024年1月・2024年2月)
1月・2月におけるユーロ円(EUR / JPY)のボラティリティ推移を比較した上記グラフから、2月のユーロ円は1月と比べてボラティリティが全体的に低下していたことが確認できます。1日当たりの平均ボラティリティでは、1月の120.9pipsに対して2月は85.4pipsと、35.5pips減少しました。また、1日当たりの最大ボラティリティに関しては、1月の251.7pipsに対し2月29日の163.3pipsが最大となり、88.4pips低下しています。同日はユーロ円において特に重要なファンダメンタルズ材料はなかったことから、主にテクニカル的な要因でボラティリティが拡大した可能性が高いと考えられます。同日のユーロ円のチャートを見てみると、1時間足でヘッド&ショルダーを形成し、右肩から大幅に下落する展開が合ったことが確認できます。