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海外FX業者BigBoss(ビッグボス)は、2023年7月24日よりこれまで採用して来たゼロカットルールを変更すると発表しました。
これまで口座単位で適用してきたものを、ユーザー単位で適用するという内容です。BigBossはこの変更により、ユーザー単位で、全ての口座を一括管理することができるようになります。
これまでBigBossでは同一ユーザーによる複数口座の開設を認めてきました。しかし、各口座ごとにゼロカットルールを適用することで、業者側の負担が大きくなってしまったのかもしれません。
変更後、複数口座をお持ちの場合、他の口座のプラス資金からマイナス口座へと、原資が補填されるようになります。
この記事では、変更されたゼロカットルールについて詳細に述べていきます。
BigBossがゼロカットルールを変更
BigBoss(ビッグボス)を含めた多くの海外FX業者では、ゼロカットルールを採用している業者が一般的です。
逆に国内証券会社各社ではゼロカットルールを採用せず、「追証」が発生する証拠金管理を行っています。
海外FX業者を利用する一番のメリットは、入金額以上の損失が発生しない、ゼロカットを利用できる点にあるといえるでしょう。
ゼロカットと追証の違い
ゼロカットルールとは預け入れた証拠金額以上の損失を発生させず、それ以上の損失をブローカー側が補填することで、残高をゼロに戻すシステムのことです。このシステムにより、トレーダーは本来であれば負担しなければならない、証拠金額以上の損失額を支払う必要がありません。追証とは、各種取引などにおいて、業者へ委託している証拠金の総額が相場の変動等により必要額を下回ってしまった場合に、追加しなければならない証拠金をいいます。
ゼロカットルールの変更内容とは?
BigBoss(ビッグボス)の定めるこれまでのゼロカットルールは下記の通りです。
変更前のゼロカットルール
- 各口座ごとにゼロカットルールを適用
- 口座残高がマイナス後、1~2営業日でBigBossが補填を実施
変更前までは、口座ごとにゼロカットルールを適用していました。また、損失補填までにかかる時間が1~2営業日と少し時間がかかることがネックとなっていました。
そして、2023年7月24日の変更後に適用されるゼロカットルールは下記の通りです。
変更後のゼロカットルール
- 各ユーザのアカウント単位でゼロカットルールを適用
- 自動補填処理は、毎日日本時間の7時と20時に実施
- 他の口座に有効な資金がある場合、他口座の資金から優先的に補填へと充当
- 他の口座の残高を全て補填に回してもマイナス残高がある場合のみ、BigBossがマイナス分を補填
今までは各口座ごとに適用されていたゼロカットルールですが、ユーザーアカウント単位での適用となりました。
1つの口座でマイナス残高となったときには、他の口座の資金が補填へと回されます。そして、他の口座の残高を全て補填に回してもマイナス残高がある場合のみ、ゼロカットが適用されるというルールとなっています。
自動補填処理は日本時間の7時と20時の毎日2回行われるため、変更前と比べると頻度は多くなっています。
ゼロカットが適用されないケースも
BigBoss(ビッグボス)のゼロカットルールが、全ての取引に対して適用されるわけではありません。
利用規約に違反した行為などを行うと、損失は補填されない可能性も有ります。ユーザーが新たな取引を行うためには、自己資金で損失分の補填を迫られることになってしまいます。
BigBossで禁止されている行為
- 複数口座での両建て行為
- 指標発表前後など相場の急変動だけを狙った取引
- 公平性に欠ける取引
最近では入金ボーナスを利用した極端にハイリスクな取引をされる方が多く、BigBosssに限らずSNS上では利益の取り消しにあったという投稿もよく見られます。
しかし、ゼロカットを利用した過当投機はブローカーにとって痛手となるため基本的に禁止されています。入金ボーナスを利用する以上はルールを守って正しく取引を行いましょう。
BigBossのゼロカットルール変更後はここに要注意!
新ゼロカットルールの適用は、2023年7月24日より始まります。新たに定められたゼロカットルールには以下のような規約があります。
補填に関するルール
- 補填に充当される資金はBalanceから優先的に充当され、有効なBalanceが無くなった後にCreditから充当される
- 補填が必要な口座の通貨と同じ通貨の口座から優先して充当される
- Balanceが多い口座から優先的に充当される
- 複数口座に有効なBalanceまたはCreditがある場合は、Balanceが全て無くなった時点で、Creditが多い口座から優先的に充当される
- 有効なBalanceまたはCreditが同額で複数口座にある場合は、口座開設日時が古い口座から優先的に充当される
- 補填に使用される口座にオープンポジションがあってもマイナス残高の補填に充当される
- マイナス残高の口座が複数ある場合は、マイナスの金額が大きい口座から順番に相殺の対象となる
- プラスの口座残高を全て使用してもマイナス口座が残る場合、及び保有されている口座が1つのみの場合はゼロカットを実行しBigBossが負担する
- 保有している口座のうち1つでもマイナス残高の口座があった場合、残高がある他の口座からの出金は不可
変更後のルールは、BigBossで複数口座を運用している方にとってかなり厳しい内容となっています。しかし、1口座のみで運用されている方や、低レバレッジで堅実な運用をされている方にとってはあまり影響のない変更内容とも言えるでしょう。
新ルール対象外となる口座タイプもある
対象となる口座タイプ
対象口座:Standard口座・ Pro Spread口座・ MASS Standard口座
プレミア口座のみ、口座単位でゼロカットが適用されます。
BigBoss(ビッグボス)には通常の顧客が開設できる口座タイプと、大資金を運用する顧客向けの特別な口座タイプが存在します。
プレミア口座は今回のロスカットルール変更の対象外となっているため、お持ちの方はいままで通りの資産運用を続けることができることになります。
また新ルールの適用により損失補填にはまずBalanceから、続いてCreditが補填へと充当されます。
Balanceはそれまでにユーザーが入金している証拠金を意味しています。Creditは損失発生までにユーザーが付与されているボーナスのことです。
マイナス残高の相殺は証拠金から
複数の口座タイプを保有している場合、1つの口座タイプが証拠金以上の損失を抱えると、まず残りの口座のBalance(証拠金)から、マイナス残高が相殺されることになります。
Balance(証拠金)を全て使いきった後でも、まだマイナス残高が残っている場合は、付与されているCredit(ボーナスクレジット)がその補填に使われます。
全ての口座タイプから、マイナス残高がある口座に対してBalanceとCreditによる補填がおこなわれた後に、まだマイナス残高が残っている場合のみ、BigBoss(ビッグボス)によるゼロカットが執行されます。
マイナス残高の充当が行われないと出金が出来ない
BigBoss(ビッグボス)が定める新たなルールでは、保有している口座の中にひとつでもマイナス残高の口座がある場合、出金が行えません。これは、BigBossが運営する仮想通貨取引所であるCRYPTOS口座も同様に手金が行えなくなります。
ゼロカットルールを逆手に取った過当投機は、BigBossに置いている資金が一時的に拘束されてしまう可能性もあるため、十分に注意しましょう。
補填処理のために強制ロスカットが発動するケースも
複数の口座タイプを運用していると、片方でマイナス残高が発生したものの、別の口座タイプでも含み損を抱えているなど、ポジションを保有しているケースも考えられます。
この場合、ポジションを保有する口座のBalance(またはCredit)がマイナス残高の口座タイプへと補填されることになってしまいます。
結果的に、含み損を抱えていた口座タイプで強制ロスカットが発生するケースもありうるため、口座の資金管理をしっかりとおこないましょう。
BigBossのゼロカットの対象外となる取引について
BigBoss(ビッグボス)ではゼロカットの対象外となる取引も存在します。契約書や利用規約に書かれている、違反行為などが該当するものです。ここでは、以下の3つの原因をご紹介します。
ゼロカットの対象外となる原因
- 複数口座での両建て行為
- 指標発表前後など相場の急変動だけを狙った取引
- 公平性に欠ける取引
上記の行為は、他の海外FX業者でも共通する禁止取引をまとめたものです。
これらの行為をおこなった場合、規約違反としてゼロカットが執行されないことが予測されますので、注意しましょう。
複数口座での両建て行為
複数口座で両建てをすると、BigBoss(ビッグボス)ではゼロカットの対象外となります。その理由は、ゼロカットを利用して業者が不利となる利益を、ユーザー側が獲得できるからです。
参考例
- Aの口座で、USD/JPYを145円から1ロットでロングする
- Bの口座で、USD/JPYを145円から1ロットでショートする
このようにすると、片方の口座は証拠金がなくなるまで損失を抱えて強制ロスカットされ、もう片方の口座は利益が残ることになります。
複数口座の両建てをすると、強制ロスカットされた口座についてBigBossがゼロカットを適用して損失補填をするため、ユーザー側は損失額の補填をすることなく不正に利益を享受できてしまいます。そのため、複数口座の両建てについては禁止行為とされています。
指標発表前後など相場の急変動だけを狙った取引
指標発表前後は相場が急変動しやすいという傾向があります。この時期だけを狙った取引について、BigBoss(ビッグボス)では違反行為として禁止しています。
価格変動の激しい相場は、ゼロカットのリスクが高まるため、BigBossとしても多額の損失補填を行うリスクは避けたいところでしょう。
また、トレーダーは大きな利益を狙える確率が高まるため、無理をして大きなポジションを持ちたくなります。
トレーダーもギャンブル的になりがちなので、自身を戒める意味でも、堅実なトレードを心がけましょう。
公平性に欠ける取引
BigBoss(ビッグボス)では、以下の行為を公平性に欠ける取引として、利用規約に明記しています。
公平性に欠ける取引について
以下の行動および取引を、公平性を欠いた取引とさせて頂きます。利用規約第5条に沿った処置を行わせて頂きます。
- 複数の口座を用いたリスク過多な両建て取引
- 指標発表時などの市場の変動性が高い時間帯を狙ったリスク過多な取引
- その他、当社の判断により公平性の欠けるお取引をされた取引
先の2項目ほど明記されているものがないものの、その他の公平性に欠ける取引については以下のものが考えられます。
その他の公平性に欠ける取引
- サーバーに過剰な負荷をかける高頻度取引(HFT)
- 遅延を意図的に利用したレイテンシートレーディング
- ボーナスやゼロカットの盲点を利用した取引
上記の行為はサーバーへの負担だけでなく、業者にとって思わぬ損失をさせるリスクが高いため、禁止・違反行為に該当するものとして、判断してよいでしょう。
BigBossのルールを守り安全な取引を
今回、BigBoss(ビッグボス)がゼロカットルールの変更に踏み切った背景には、ボーナスやゼロカットシステムの盲点を利用し、非常にリスクの大きな取引をする利用者が増えたことが挙げられます。
このような他のユーザーに対する公平性や、業者の利益を無視した状況が続いてしまうと、顧客の信頼を失うだけでなく、BigBossの安全性そのものが問われてしまいます。
そのため、BigBossではゼロカットルールの変更をおこなうことを決めました。安全な取引を提供するためにやむなく決定された今回のルール変更ですが、通常の取引をする上では、トレーダー側の負担となることは少ないように思います。
複数口座の運用が不安な方は、1口座タイプのみの運用へと取引を切り替えると良いでしょう。