FX取引におけるリスク管理の方法と重要性
FX初心者のお役立ち情報
FX取引を行う場合には、適切なリスク管理をすることが重要です。特に初心者がFX取引を行う場合には、リスク管理ができていないと予想外に損失を拡大させてしまうことにつながる可能性があります。また、適切なリスク管理を行うことによって、結果的に利益を拡大させることもできます。そこで、FX取引におけるさまざまなリスク管理手法についてご紹介します。初心者の段階でリスク管理手法を理解しておくことは、FX取引を続けていくにあたって有利になるはずです。
取引スパンをはっきりさせておこう
短期取引とは?
FX取引は取引スパンの違いによって短期、中期、長期に分けられます。それぞれ取引の特徴や注意点が違いますので、どのスタイルで取引するかはあらかじめ決めておいた方がよいでしょう。
まず、短期取引とはいわゆるデイトレードです。1日の間に何度も取引を実行し、基本的にはポジションを持ち越さずに1日の中で利益を確定していく手法です。短期取引のメリットは、資金効率が上がることです。また、為替相場は1日の中でも大きく変動する可能性があります。その変化を逃さず即座に対応できる点も短期取引のメリットといえます。
デメリットは、1日中為替相場の動きから目が離せないことや、負ける日は連続して負けが続くことによって精神的な負担が大きくなることなどがあげられます。
中期取引とは?
中期取引とは、数日から数週間、場合によっては数か月の為替相場の変動を予想し、その予想にあったポジションをとって為替差益を狙う取引手法です。中期取引のメリットは、短期取引のように、1日中相場の動きを注視する必要がない点と保有する通貨ペアによってはスワップポイントが得られる点です。デメリットは、デイトレードのような資金効率の良さは望めないという点でしょう。
長期取引とは?
長期取引とは、1年以上など長期にわたってポジションを維持して為替差益を狙う取引手法です。
短期や中期の取引と比較すると、FXで長期取引するメリットはそれほど大きいとはいえないでしょう。数年単位の為替相場の予想はかなり困難ですし、資金も長期的に固定されることになりますので、資金効率は極端に悪くなります。
ただし、保有通貨の金利差が大きい場合は、インカムゲインとしてのスワップポイントを長期的に得られるというメリットはあります。通貨への投資は、株式とは違い倒産などで価値がゼロになるリスクは極めて小さいですので、気長にスワップポイントで稼ごうという人には向いているでしょう。
資金管理ルールを決めておくことも大切
投資可能総額を決めておく
FX取引は少額でもできるとはいえ、ある程度の自己資金を用意するのが一般的です。投資に回す金額は、借金をして調達したり生活費をあてたりするのではなく余裕資金を回すべきです。
そのため、FX投資を行う場合の資金管理ルールの一環として投資可能総額を決めておくことが大切です。投資可能総額を決めておかないと、損失を取り戻そうと熱くなって、生活費の一部を投資に回してしまうなど可能性があります。そういったことにならないよう、投資可能総額の上限をあらかじめしっかり決めておく必要があるでしょう。
必要証拠金の額と保有ポジション数量の上限を決める
FX取引を継続的に行っていくための資金管理のルールは、投資可能総額を決めるだけでは不十分でしょう。必要証拠金の額の上限を決めておくことも大切です。必要となる証拠金総額の上限を決めておくことによって、いたずらに投資額を増加させたり無理な取引をしたりすることを避けられます。
また、保有ポジション数についても、数を増やしすぎると注視する相場が増えて重要な変化を見落としたり、混乱して誤った処理を行ったりするリスクが増えてしまいます。そういったリスクを避けるためにも、保有ポジション数についても上限を決めておくことが重要です。
損切決定ラインの決定が大事
投資額を想定以上に減少させないという観点から、損切決定ラインについて取引する前に決めておくことも大事になります。損切とは、予想と違った相場の動きになって損失が発生した場合に、どの程度の損失まで許容して相場の反転を待つかというラインです。損切ラインを超えたら覚悟を決めて損失を確定します。
FX取引のチャンスは1度ではありませんので、相場が予想通りの動きにならなかった場合は、早めに見切って次の取引で挽回する方がよいということです。
ポジションを作る理由を明確にしてから取引する
FX取引におけるリスク管理の手法としては、ポジションを作る理由を明確にしてから取引を始めるというのも有効な手法です。
ポジションを作る理由としては、例えば、重要な統計の発表が予定されていて、その国の経済や政治状況から判断するとある方向に為替相場が動く可能性が高い、といったことが考えられます。ポジションを作る理由を明らかにすることによって取引を手仕舞いする判断がしやすくなります。
いつまでもずるずるとポジションを持ち続けて損失を拡大させたり、投じた資金を遊ばせてしまわないためにも有効なリスク管理の手法といえます。
ストップ注文の実行は厳格に
ストップ注文は当初に決めた損切ルール通りに実行することが大切です。
相場が予想外の方向に変動し損失が発生すると、焦って冷静な判断ができなくなることもあります。冷静な判断ができない中では、損切ラインを超えて損失が拡大しても相場が反転してとりもどせるかもしれないと考えがちです。その結果、損切が遅れて損失が予想外に拡大する可能性があります。取引前の段階でストップ注文を入れるラインを決める意味は、ここにあります。
予想外に損失を拡大させることを避けるためにも、最初に決めた損切ラインを守り、ストップ注文をご自身で決めたルールに従って厳格に実行することが大切です。
ストップとリミットのバランスをとる
ストップロスとリミットのバランスを考えながら決めることも、FXにおけるリスク管理のポイントです。ストップロスとリミットをバランスよく決めるということは、損切の幅と利益確定の幅のバランスをとる、ということです。
例えば、損切幅であるストップロスが常に大きく、利益確定幅であるリミットが常に小さい状態で取引を続けると、累計損失が累計利益を上回ってしまう可能性が高くなります。そういったことがないように、ストップロスの指値とリミットの逆指値のバランスを考えながら決めることが必要です。
勝率に関して
FX取引の場合、勝率も重要な要素です。ただし、勝率にそれほどこだわる必要はないでしょう。例えば、勝率が80%を超えていたとしても、残りの20%の損失が利益の合計を上回っているのでは勝率はまったく意味がなくなってしまうからです。
ある程度勝つことは必要ですが、損失を抑えながら利益を積み上げるという意識でFX取引に臨むことが大切です。
リスク管理の徹底が結果的に長期間FX取引を続けられることにつながる
リスク管理の手法は多岐にわたりますので、初心者の段階ではすべてを理解して実行することは難しいかもしれません。それでも、取引の経験を積んでいくことによってリスク管理の重要性がわかってくるでしょう。
リスク管理を徹底することは、損失を最小限にして利益を上げることに役立ちます。そして、結果的に、長期間利益を上げながらFX取引を続けていくことにつながるはずです。常にリスク管理を意識しながらFX取引をすることをお勧めします。