FX取引において証拠金の安全な維持率とは?その目安と効率的な運用方法
FX初心者のお役立ち情報
FX取引を行う時に担保になる証拠金は、取引を続けるための体力ともいえる重要な要素です。そして、海外FXでの取引の大きな特徴である、ハイレバレッジをかける場合にも、見逃せない注意ポイントです。証拠金維持率の算出方法やロスカットの条件を知って、避けられるリスクは、あらかじめ避けるように心がけましょう。また、証拠金が少なくても、工夫ややり方次第でそれを補うことは可能です。合わせて学んでおきましょう。
FXの証拠金とは?維持率の計算方法
FX取引における証拠金とは?
FX取引を行う場合には、証拠金を預け入れる必要があります。FX取引とは、実は借金をしてその資金で為替の売買を行う取引なのです。そのため、取引を始めるにあたって、資金を借りるタイミングで担保にあたる資金を預けることになっています。これが証拠金です。
海外FXの特徴であるハイレバレッジは、この証拠金、つまり担保の何倍もの資金を貸してくれることを意味しています。最初に証拠金を預け、FX取引が終了し決済する段階で損失が確定した場合は、預けておいた証拠金からその損失が差し引かれます。そして、残りの証拠金は手元に返ってきます。
しかし、取引の途中でも、為替変動によって評価損が発生することがあります。取引を終了していなければ、相場が好転して評価損が消える可能性もありますが、そのまま損失が拡大すれば、FXブローカーは預かっていた証拠金だけでは損失を埋めきれません。そのような場合には、追加で証拠金が求められます。
この追加の金額の負担ができなければ、投資家は無理にでも取引を終了して、損失を確定させなければならなくなるのです。
証拠金維持率とは?計算方法と注意点
追加で証拠金が求められるのは、証拠金維持率が50%を下回った場合というのが一般的です。強制的に取引を終了させられることがないように、慎重に為替レートの動向を見極め、レバレッジをかける必要があります。また、十分な証拠金を預けておくことも大切となるでしょう。そういったスタイルでFX投資をしようとすれば、証拠金維持率についても、理解しておく必要があります。
証拠金維持率とは、預けた証拠金の額から取引中に発生している評価損益を加算、もしくは減算した残額を出し、これを預けた証拠金で割った率です。つまり、預けた証拠金から損失を除いたら、何%残っているかを示しているのが証拠金維持率です。
低レバレッジで取引している場合はあまり気にする必要はありませんが、ハイレバレッジで取引していると、為替レートの変動率にレバレッジの倍率をかけた分だけ証拠金維持率が変動します。
例えば、レバレッジ10倍で為替レートが5%変動すると、維持率は50%も減少するのです。そのため、ハイレバレッジ取引をする場合は、証拠金に余裕を持たせておくことが大切となります。
FXをやるなら知っておきたい!安全な証拠金維持率の目安とは?
証拠金の維持率とレバレッジの関係を知っておくことが大切
投資家が預け入れた証拠金は、取引終了時に返してもらえますが、取引で損失を出してしまうと、その証拠金から差し引かれます。出した損失を負担しなければならないためです。
注意すべき点は、まだ取引を終了させておらず、取引途中で評価損が出ている状態であっても、FXブローカーは証拠金と評価損から計算される証拠金維持率によって、投資家の支払能力の判断を行っているということです。
証拠金維持率は、証拠金から評価損を引いた残額を、もともとの証拠金で割った率です。FX取引の特徴はレバレッジをかけられることですが、ハイレバレッジをかけた場合、為替レートの変動がほんの僅かだったとしても、証拠金維持率は大きく変動することになる点は、常に頭に入れておく必要があるでしょう。
ロスカットを避ける目安となる証拠金維持率とは?
安全な証拠金維持率の目安を出すためには、追加証拠金やロスカットについても考えておかなければなりません。証拠金維持率が50%を下回るなど、一定の状況になると、FXブローカーは追加の証拠金を求めてきます。取引の担保が足りないということです。これが追加証拠金で、俗に追証と呼ばれています。
追加証拠金が支払えないと、強制的に評価損になっている取引を終了させて、損益を確定しなければならない事態になります。これがロスカットです。そのため、証拠金維持率の目安としては、予想外の追加証拠金を求められても、ロスカットのリスクが発生するのを避けられるレベルに設定することが大切です。
レバレッジが1倍の状態で取引するのであれば、証拠金維持率はほとんど気にすることはありません。為替相場が急激に50%変動することは、まず起こらないでしょう。
しかし、レバレッジをかける場合は別です。例えば、レバレッジが10倍であれば、為替レートの変動率の10倍分、証拠金維持率は変動することになります。そのため、為替相場が10%変動しても、仮に証拠金維持率70%が維持できることを目安にするのであれば、10倍のレバレッジをかける場合は170%、20倍であれば270%が目安になります。
大体、維持率300%以上を目安にしておけば、安全圏となるのではないでしょうか。
FXで証拠金が不足しがちな人にお勧めな方法とは
証拠金不足を補うための取引その1:スワップポイントでの複利運用
FXにおいて、証拠金はまさに「体力」そのものといえるかもしれません。証拠金が多ければそれだけ多くの通貨枚数を取引することができ、少ないpipsで多額の利益をねらうことが可能です。また、自動ロスカットされずに、相場が持ち直すまで耐えることもできます。
このように、FXで利益を得るうえで、証拠金の額は非常に重要な要素ですが、証拠金が少なくても利益を生み出す方法はあります。
そのひとつが、スワップポイント(金利差)を利用した複利運用です。スワップポイントは、取引する通貨間の金利差であり、日本円のように金利が非常に低い通貨で取引する場合には、利益をねらいやすくなります。他国の通貨の多くが、日本円よりも高金利であることがその理由です。
取引で得たスワップポイントをそのまま証拠金として組み込み、さらにスワップポイントをねらっていけば、2重に利益を得ることも可能です。これを複利運用と呼びます。少ない証拠金でスワップポイントをねらう場合は、レバレッジをかけない等倍率で取引を開始するという方法もあります。そうすることで、証拠金が不足している場合でも、利益を上積みすることができます。
拠金不足を補うための取引その2:海外FXブローカーを使った高レバレッジ運用
証拠金が不足している場合でも、大きな利益をねらう方法として、海外FXブローカーを使うというやり方もあります。こちらは、スワップポイントねらいの取引よりも、格段に利益が大きくなる可能性があるのです。その理由は、レバレッジ規制の差にあります。
国内のFXブローカーでは、レバレッジは25倍が上限となっています。国内FXで1000万円超の取引をするためには、最低40万円の証拠金が必要となるのです。しかし、海外FXでは、この25倍というレバレッジの制限がありません。100倍、200倍といった超高倍率での取引が可能です。
レバレッジが200倍であれば、1000万相当の取引をする場合でも、5万円の証拠金ですむ計算になります。もちろん、高レバレッジでの取引はそれなりのリスク管理が必要ですが、手堅い相場では少ないpipsで大きな利益を得ることが可能です。
リスク管理をしっかりと行えば、海外FXは取引を始めるところとして非常にお勧めなのです。