FXの基礎！わかりやすくレバレッジを解説

レバレッジとは、「てこの原理」という意味です。「シーソー」や「やじろべえ」などでおなじみの原理で、支点から離れれば離れるほど反対側にある重いものを軽い力で持ち上げられるのがてこの原理です。

FXでは、少額の証拠金をFX会社に預け、その何倍もの取引ができる仕組みがあります。これをレバレッジと呼びます。少額の証拠金という小さな力で多額の取引という大きなものを動かせるためこう呼ばれています。

国内FXではこのレバレッジの倍率は最大25倍までに規制されていますが、海外FXでは数百倍ということは珍しくなく、なかには千倍を超えるレバレッジがかけられる海外FX会社も存在します。

自分が拠出した証拠金以上の金額の取引ができる理由は2つあります。

1つ目は、FX取引の差額決済が基本である点です。FX投資は異なる2つの通貨を売買する取引ですので、買いと売りがワンセットになっています。通常の投資は購入した段階で購入代金を支払い、売却した時点で売却代金を受け取ることになります。このとき、支払金額と売却金額の差額が利益となります。

一方、FX取引では先に購入してあとで売却をする場合、購入時点で代金を支払う必要はなく、売却して差額が確定した時点で差額のみの決済を行う仕組みになっています。そのため、仮にレバレッジをかけて大きな金額の取引をしたとしても購入時点で大きな資金を用意する必要がないのです。

2つ目はFX会社側の処理です。たとえば、25倍のレバレッジをかける場合、FX会社は取引金額に必要な金額の最低25分の1の金額を投資家から受取って取引に回しますが、それ以外の部分はFX会社が取引を行うことになります。そのため、投資家は一部の金額を証拠金として預ければ済むのです。

国内FX会社の場合は売り買いの全体を勘案して証拠金以外の部分のすべての取引を実行するのではなく一部にとどめることがありますが、海外FXの場合は証拠金以外の部分はすべて市場での取引を行います。

FX取引でレバレッジをかけるメリットは、少額の自己資金だけしかなくても、自己資金を超える取引ができることです。自己資金を超える取引ができれば、予想通りに相場が変化した場合に大きな利益が得られることになります。

たとえば、レバレッジ10倍の取引を行って相場が予想通りの方向に10％変動すれば、証拠金として支払った金額と同額の利益を得られることになります。効率的に稼げる点がレバレッジのメリットと言えるでしょう。

どんな投資でもそうですが、リターンを大きくするとリスクも大きくなります。FX投資も例外ではありません。FXでレバレッジを活用する場合のデメリットは、メリットの裏返しでリスクが大きくなることです。

たとえば、10万円の証拠金を支払って10倍のレバレッジをかけて100万円の取引をした場合、相場が予想と逆の方向に10％変動すると、10万円の為替差損が生じます。この損失は証拠金と同額ですので投資金額のすべてを失うことになります。

レバレッジの倍率を上げていけば、さらに損失は拡大することになり、証拠金を超える損失を被る可能性も出てきます。リスクが大きくなる点がレバレッジのデメリットです。

レバレッジのメリットばかりに目が行ってしまうと、ハイレバレッジをかけてリターンを大きくしたくなります。しかし、FX初心者はレバレッジの倍率を低くして取引をすることをおすすめします。

レバレッジ1倍の取引であれば、外貨預金や外貨建てMMFと同じリスクで投資ができます。まずは低レバレッジで取引の感覚をつかむことを優先しましょう。ハイレバレッジ取引に挑戦するのは慣れてからでも遅くありません。

FX投資で成功するためには長く続けることが重要です。長く続けるためには、手持ちの自己資金がゼロになる事態を避ける必要があります。そのためにも低レバレッジ取引から始めることが大切なのです。

FX初心者は、レバレッジをかけて取引をした際に、相場が予想に反した方向へと動いてしまい損失が拡大した場合、どんなことが起こるのかを知っておくことも大切です。

国内FXの場合は、取引中のポジションの損失額が証拠金と比較して一定水準を超えてくると、追加の証拠金を求められます。これを追証といいます。また、追加の証拠金を拠出せずにさらに損失が拡大するとロスカットと呼ばれる仕組みが適用されて、強制的に損失を確定して取引が終了することになります。

海外FXの場合、追証はありませんが保有しているポジションの損失が証拠金を超えると、損失を証拠金と同額として確定して取引を強制的に終了させるゼロカットという仕組みが適用されます。

海外FXにはレバレッジの倍率に規制はありません。また、規制がかかる前は国内FXでも100倍、400倍といったハイレバレッジをかけることが可能でした。しかし、国内FXは最大25倍に規制されています。その理由は、ハイレバレッジ取引による多額の損失で破綻する投資家がいたことにあります。

日本の金融当局は投資家保護のために最大25倍までに規制をかけました。株式の信用取引でもレバレッジはかけられますが、その倍率は約3.3倍です。ですから25倍でも十分大きなレバレッジと言えます。さらにハイレバレッジを求める場合は海外FXに挑戦してみましょう。

FX初心者が投資を続けていくためには、大きな損失を避けることがポイントとなります。

損失を被らないためには相場予想の精度を上げることも有効ですが、必ず当たるように予想することはほとんど不可能といってもよいでしょう。そのため、ある程度の損失は覚悟する必要があります。

しかし、多額の損失が生じてしまったら投資を続けることができなくなってしまいます。損失の大きさはレバレッジのかけ方と密接な関係があります。初心者が投資を続けていくためのキーとなるのがレバレッジの倍率だということを十分理解しておく必要があるでしょう。

FXのレバレッジに関する基本的な知識についてお伝えしてきました。

重要な点は、初心者であればむやみにハイレバレッジに挑戦するのではなく、最初は低レバレッジから始めてFX取引のリスクとリターンの関係や取引手法、そして為替相場の見方などをじっくり勉強して慣れることです。慣れてきたら、ハイレバレッジに挑戦すればよいでしょう。

ハイレバレッジ取引に挑戦したい場合は海外FXがおすすめです。国内の25倍という規制が及ばないため、海外FX会社によっては1,000倍を超えるレバレッジをかけることができるようになります。ただし、ハイレバレッジ取引をする場合は、ご紹介したリスクをしっかり理解しておくことも大切になります。

ゼロカットという安全装置もありますので、海外FXにも挑戦してハイレバレッジ取引の醍醐味を味わってみるとよいでしょう。