世界に見る、日本のFXブローカーの優秀さ
海外FX初心者のお役立ち情報
ワールドワイドでトレーダーが集まる海外FXブローカーは、さぞや規模が大きいと思われるかもしれません。しかし実際は異なります。取引高などの規模でみると、国内FXブローカーがランキングの上位を独占しているのです!
国内FXブローカー各社が公表している年間取引高、預かり証拠金残高、総口座数の最新データ(2015年度)を見てみましょう。
取引高では国内FXブローカーが上位にランキング!
データによると、「GMOクリック証券」が年間取引高1119.48兆円、預かり証拠金残高1280億円、口座数42万3915で1位です。そして「DMM.com証券」が年間取引高974.57兆円、預かり証拠金残高1009億円、口座数49万6981で2位、「YJFX!」(前身は「サイバーエージェントFX」)が年間取引高402.24兆円、預かり証拠金残高1007億円、口座数29万2662で3位となっています。
そのほか、4位には年間取引高249.50兆円、預かり証拠金残高825億円、口座数40万4102(2015年3月時点)を持つ「外為オンライン」が、5位には年間取引高106.03兆円、預かり証拠金残高494億円、口座数27万1544を持つ「Money Partners」がランクインしています。
しかもこのランキングは国内FXブローカーの順位であるのと同時に、世界ランキングでも1位から3位を独占しているのです!
国内FXブローカーの取引高シェアは世界で40%にものぼる!
国内FXブローカーの中でも、とりわけ取引高の多いのが「GMOクリック証券」と「DMM.com証券」です。3位の「YJFX!」のほか、4位の「外為オンライン」や、5位の「Money Partners」などといったその他の大手国内FXブローカーをぶっちぎりで引き離し、取引高だけでなく預かり証拠金残高や口座数も大きな数を誇っています。
そのため、「GMOクリック証券」と「DMM.com証券」は世界のFXブローカーの2強だといえることができます。
そしてこの2強ブローカーを合わせた日本のFX取引高シェアは40%を占めており、世界で最も大きなマーケットとなっています。
国内FXブローカーに海外のFXトレーダーが集まるということはなく、FX取引高シェア40%という数字のほとんどが日本人FXトレーダーで占めていると考えられます。
このことから、世界の他の国々と比べ日本では多くのトレーダーが活発にFXトレードをしているといえます。今や日本においては、「FXが資産の運用法のひとつとして身近な金融商品になった」といえるでしょう。
「レバレッジ規制」によりFXブローカーの寡占化が進む
国内FXブローカーが世界のFXトレードにおける取引高の上位を独占している理由としては、皮肉なことに2010年8月1日から段階的に実施された金融庁の「レバレッジ規制」が影響していると考えられます。
国内FXブローカーの数は2008年にピークを迎えていますが、投資家保護を目的とした「レバレッジ規制」により大きく淘汰されました。そして2017年現在における国内FXブローカーの数では、ピーク時の半分である約60社へと絞られています。
レバレッジが規制されたことで、サービスに魅力が少ないFXブローカーは淘汰されるか、他のFXブローカーに吸収や合併され、FXブローカーの寡占化が進みました。いわば、コンビニエンスストアで見られる現状と同じようなことが、FXの世界でも起こったわけです。
そして現在も存続して営業を続けている国内のFXブローカーは、金融商品取引法などによる規制強化の荒波をくぐり抜けてきており、残っているのは比較的優良な会社ばかりとだといえます。
その結果、生き残った国内FXブローカー1社あたりの規模が大きくなり、世界における年間取引高ランキングの上位を占めるようになりました。
国内のFXトレード年間取引金額は5000兆円以上!
「日本では『レバレッジ規制』以降、FXトレード自体も沈静化して取引金額自体も低下傾向にあるのではないのか?」と考えるかもしれません。
しかし実際はその真逆となります。「レバレッジ規制」がかかり始めた2010年以降、2011年度は低下傾向を見せたものの、それ以降は国内におけるFXの取引高は増加しており、2015年度における国内FXの取引金額は初めて5000兆円を超えています。
具体的には5524兆3269億円となっており、前年度からみても18%も増加しています。
世界最大の経済大国「アメリカ」のGDP(国内総生産)は、2017年度予測で20兆4930億ドルとなっています。1ドル110円で換算すると約2250兆円となりますから、なんと「アメリカのGDP2年分の金額」が、1年間の国内FXマーケットで取引されたという勘定になります。
もちろん5000兆円以上とはいっても短期トレードが中心ですので、FXブローカーの利益となっているわけではありません。
しかし国内FXという世界だけで1年間に500兆円以上もの資金が行き交っている、ということはにわかには信じがたい事実でしょう。
「アベノミクス」をきっかけに国内FX取引金額が増大
このような国内におけるFXトレードでもっとも取引されているのが「米ドル/円」です。この「米ドル/円」だけで全体の約6割を占めています。
日本の個人トレーダーの取引金額はすでに輸出企業などの売買高を上回っており、相場への影響も無視できない存在となっているようです。
このように、国内FXの取引金額がそれまで以前よりも増大したのは2013年のことです。
2013年といえば、「アベノミクス」のおかげでドル円が急上昇した年。この年は「アベノミクス」によって日本人にとって馴染み深い「米ドル」が「円」に対して上昇し、円安の流れとなりました。
そのため外国為替市場も注目されており、この円安の流れをきっかけにFXをスタートさせたトレーダーも多く、FXの取引金額の増大へとつながったのです。
国内FXブローカーは「低スプレッド+高スワップ」へと向かっている
国内FXブローカーの取引金額が増加するにつれ、そのスプレッドはより低く、スワップポイントは高くなる傾向にあります。
例えば、「米ドル/円」のスプレッドは、国内大手FXブローカーに限っていえば「0.3銭」がほぼ標準となってきています。なかには「0.2銭」という低スプレッドのFXブローカーも存在します。
また、スワップポイントも高くなる傾向にあります。「南アランド/円」「豪ドル/円」「ニュージーランドドル/円」といった高金利通貨はスワップポイントも高く、これらの高金利通貨を保有しているだけでかなりの配当が得られるようになっています。
なお、「米ドル」は長らく低金利が続いたことにより「米ドル/円」ではスワップポイントはほとんど入りませんでした。しかし、2016年12月14日に1年ぶりとなる金利引き上げを行っています。
さらに2017年には3回の利上げを予定していることにより、「米ドル/円」のスワップポイントも期待できるようになるでしょう。
かつて国内FXブローカーは、「高スプレッド=高スワップ(高いスプレッドであるが高スワップを配当している)」のブローカーか、「低スプレッド=低スワップ(スプレッドは狭いがスワップ配当は低い)」のブローカーか、このどちらかに色分けされていました。
すなわち、「頻繁にトレードを繰り返し外貨の長期保有はしないトレードスタイル」か、「トレードはあまりせずに外貨を長期保有し、スワップポイントによる配当で利益を得るトレードスタイル」かに二分されていたわけです。
それが今や、どちらのトレードスタイルにも対応できる「低スプレッド+高スワップ」が支持されるFXブローカーの条件となりつつあり、実際、国内FXブローカーもその方向へと動いています。
国内のFXブローカーには、「ゼロカットシステム」は無く、入金ボーナスなどの「インセンティブ」もあまりありません。その点では海外FXに大きなメリットがあるといえます。
しかしFXの取引高や預かり証拠金残高、総口座数だけで見れば世界の上位を占めていることから、多くのFXトレーダーからも支持されていると言ってよさそうです。