世界の株価指数 (インパクト中~小編)
海外FX初心者のお役立ち情報
前回はFXマーケットに大きなインパクトを与える、アメリカや日本の株価指数について書きました。しかし世界を見渡すと、ヨーロッパやアジア、オセアニア各国にも株価指数が存在します。
アメリカや日本の株価指数ほど大きなインパクトを与えるものは少なくなりますが、ここで紹介をしていきたいと思います。
ドイツ、イギリス、フランスの株価指数にも、ある程度のインパクトがある
ヨーロッパ、アジア、オセアニアの株価指数の中で、世界経済に対するインパクトの大きい株価指数は、ドイツの「DAX指数(ダックス指数)」、イギリスの「FTSE100(FTSE100種総合株価指数)」、フランスの「CAC40指数(カック40指数)」でしょう。
これら3つの国はヨーロッパでも経済規模が大きいことから、株価指数の動向がFXマーケットにもインパクトを与えます。
「DAX指数」とは、ドイツ証券取引所が運営しているフランクフルト証券取引所の上場銘柄のうち、ドイツ企業の優良30銘柄を対象とした「浮動株調整時価総額加重型」の株価指数となります。
ドイツは世界第4位の経済大国であり、ヨーロッパにおいては最大の経済規模を持っていることでこの株価指数に対する注目度も高く、FXマーケット、とくに「ユーロ」関連の通貨ペアにはインパクトを与える株価指標となっています。
「FTSE100」は、イギリスの「ロンドン証券取引所」に上場する時価総額上位100銘柄で構成されている株価指数です。算出方法としては、同証券取引所に上場されている時価総額が最も大きい100社を対象とし、1983年12月31日の価格を基準値1000とする「時価総額加重平均型」となっています。
「FTSE100」はイギリスの代表的な株価指数であり、その構成銘柄には世界的な大企業も数多く名を連ねていることから世界的にも注目度が高く、株価指数に変動があったときにはFXマーケットにも(とくに「ポンド」関連の通貨ペアにおいては)インパクトを与えるものとなっています。
「CAC40指数」は、「ユーロネクスト・パリ(旧パリ証券取引所)」の上場銘柄のうち、時価総額や流動性が大きく、代表的業種に属する40銘柄で構成されたフランスの「浮動株調整時価総額加重型」の株価指数です。なお、「CAC」という名称は、旧証券取引所の公認仲介ブローカー組合「Compagnie des Agents de Change」に由来しています。
この「CAC40指数」は、フランスの代表的な株価指数であるため、ヨーロッパではドイツの「DAX指数」やイギリスの「FTSE100」と並んでおり、FXマーケットへのインパクトも、ある程度大きい株価指数となっています。
なおヨーロッパには、ユーロ圏全体の株式市場を対象とした株価指数「EURO STOXX 50(ユーロ・ストックス50指数)」というものも存在します。この株価指数は、ユーロ圏12ヵ国に加え、イギリス・スイスなど非ユーロ圏6ヵ国を対象に含めた50銘柄をカバーする浮動株に基づく「時価総額加重平均指数」を用いて算出されています。
本指数は、FXマーケット自体に大きなインパクトを与えるわけではありませんが、ユーロ圏の株式市場全体を対象とした代表的なインデックスとなっています。
FXマーケットにも影響を与えている中国の株価指数
先進国の株価指数だけでなく、経済成長にともなって新興国の株価指数もFXマーケットにインパクトを与えるようになってきました。その代表が今や世界2位の経済大国となった中国(中華人民共和国)の株価指数です。
現在、中国の株式市場は、「本土市場」と「香港市場」の二本立てとなっています。さらに「本土市場」は、「上海証券取引所」と「深セン証券取引所」の2つに分かれており、それぞれ独自の銘柄が上場されています。
そして「上海証券取引所」には「上海総合指数」という株価指数があり、上海証券取引所(中国語の名称は「上海証券交易所」)が算出している人民元建てA株(上海A株=中国本土投資家のみが取引可能)と、外貨建てB株(上海B株=中国本土投資家以外の投資家も取引可能)の両方に連動する日中価格パフォーマンスを表しています。
「上海総合指数」は、中国本土における株式市場の上場銘柄の値動きを示す代表的なインデックスとして世界中で注目されています。
また、「深セン証券取引所」には「深セン総合指数」という株価指数があります。これは、広東省深セン市羅湖区にある「深セン証券取引所」が公表している、人民元建てA株と外貨建てB株の両方に連動する日中価格パフォーマンスを表す株価指数です。
そのほか、「香港証券取引所」の株価指数は「ハンセン(恒生)指数」と呼ばれます。これは中華人民共和国香港特別行政区の香港証券取引所で売買される銘柄のうち、主要50銘柄を時価総額加重平均で算出しており、「香港株式市場」の相場動向を表す代表的な株価指数となります。
「ハンセン指数」は「香港株式市場」の時価総額の約70%を占めているほか、本指数と比べ、より幅広い銘柄群(200銘柄)から構成され、時価総額の約95%をカバーしている「ハンセン総合指数」もあります。
現在、FXの世界では中国の「人民元」はマイナーな通貨であるため、中国の経済動向が直接FXマーケットにインパクトを与えるわけではありません。ただ、「AUD(オーストラリア)ドル」や「NZ(ニュージーランド)ドル」は中国経済の影響をもろに受けやすいため、中国の株価指数の動向によっては「AUDドル」「NZドル」関連の通貨ペアが大きく動くことがあります。
シンガポールとインドの株価指数も要注目
アジアにはそのほか、FXマーケットに与える影響は小さいものの、重要な株価指数もあります。それはシンガポールの「ST指数(ストレーツ・タイムズ指数)」と、インドの「SENSEX指数」です。
シンガポールの「ST指数」は、シンガポール共和国の「SGX (シンガポール取引所)」のメインボード(Mainboard)上場銘柄のうち、時価総額が最も大きい30銘柄を対象にして「時価総額加重平均型」で算出した株価指数となります。
またインドの「SENSEX指数」は、インド共和国のマハーラーシュトラ州都ムンバイにある「ボンベイ証券取引所(BSE:Bombay Stock Exchange)」に上場する銘柄のうち、流動性、業種、取引規模などを考慮した代表30銘柄で構成されている「時価総額加重平均型」の株価指数となっています。
資源価格の動向に左右されやすいオーストラリアの株価指数
オセアニアにももちろん、株価指数は存在します。オセアニア諸国の中で最大の経済大国はオーストラリア連邦ですが、そこには「S&P/ASX200指数」という株価指数があります。
「S&P/ASX200指数」とは、「オーストラリア証券取引所(ASX)」の上場銘柄のうち、時価総額上位200銘柄で構成される「時価総額加重平均型」の株価指数です。
この株価指数がFXマーケットに与えるインパクトは小さいのですが、オーストラリアは世界的な資源国であるため、資源価格の動向に左右されやすい傾向があります。
FXマーケットへのインパクトが大きい株価指数だけを確実にチェックしておこう!
ここまでで挙げてきたものがFXマーケットにインパクトを与える株価指数となります。そのほかにも世界中にはさまざまな株価指数が存在しますが、FXマーケットへのインパクトはほとんど考慮する必要はないでしょう。
また、日本にはここまでで挙げてきた「日経平均株価(日経225)」「東証株価指数(TOPIX)」という株価指数以外にも、さまざまな株価指数が算出され公表されています。
その代表的なものとして、新興市場向けの株価指数「東証マザーズ指数」「日経ジャスダック平均株価」や、「東京証券取引所」に上場する企業の中の400銘柄で構成される「JPX日経インデックス400(JPX日経400)」などがあります。
しかしこれらの株価指数が単独でFXマーケットにインパクトを与えるようなことはありません。すべての株価指数をチェックして疑心暗鬼になるのではなく、FXマーケットへのインパクトが大きい株価指数だけを確実にチェックしておくようにしましょう。