海外FX口座のベース通貨、円建てと外貨建てどちらがおすすめ?
海外FX初心者のお役立ち情報
海外FXの口座を開設する時に、口座で使うベース通貨(基本通貨)を選択することができますが、その通貨は一般的な円建ての他に、米ドル建てやユーロ建てといった外貨を選ぶことができます。あまり意識することはないと思いますが、円建てと外貨建てのメリットとデメリットを比較して、どちらがおすすめなのかを見ていきましょう。
海外FX口座で選択する基本通貨
円建て口座と外貨建て口座の仕組み
円建て口座を選択した場合、海外FXの口座に入出金するのは日本円で行います。一方の外貨建て(=ドル建てを前提とします)の場合は、海外FXの口座に入金する時に日本円から米ドルに、出金時には米ドルから日本円にそれぞれ両替しなければなりません。また、それだけではなく為替手数料も必要になるので注意が必要です。
為替の影響の有無
円建て口座では入出金は全て日本円で行われるので、為替レートの影響を受けることはありません。対照的に外貨建て口座は、入金時と出金時のいずれでも為替レートの影響を受けます。ドル建て口座であれば、ドル円レートが入金時よりも出金時に円安になっていれば為替差益が発生し、反対に入金時より出金時に円高になっていれば為替差損が発生します。
具体的な数字に当てはめると、ドル円レートが1ドル=100円の時にドル建て口座に100,000円を入金すると、海外FXの口座残高は1,000ドルになります(為替手数料はないものとして考えます)。この1,000ドルを出金する時点で、ドル円レートがそれぞれ円安そして円高に動いていたパターンを見てみると、
- 1ドル=105円の円安:1,000ドル×105円=105,000円で5,000円の為替差益が発生
- 1ドル=95円の円高:1,000ドル×95円=95,000円で5,000円の為替差損が発生
となります。外貨建て口座で運用する場合は、このような入出金時の為替差損益にも注意しなければいけません。
基本的には円建て口座がおすすめ?
為替手数料がかからない
円建て口座ではもちろん為替手数料はかかりませんので、これは円建て口座の大きなメリットと言えます。仮にベース通貨をドル建てに選択した場合、海外FXの口座に入出金する際には、前述した為替レートの影響のほかに、日本円から米ドル、米ドルから日本円に両替する為替手数料が必要となります。
その手数料は、金融機関によっても様々ですが、みずほ銀行や三菱UFJ、三井住友などのメガバンクの場合、1米ドル当たり0.25円〜1円程度の為替手数料がかかります。金額としては小さいですが、金額が増え、回数が重なると負担も大きくなるので注意しましょう。
国内銀行送金に対応している海外FX業者もある
海外FXの口座に入金する方法は、クレジットカードやオンラインウォレットなどいくつかありますが、国内銀行送金にも対応している海外FX業者もあります。トレーダーが海外FX業者が指定する国内の銀行に入金すると、海外FX業者側が入金された金額を海外FXの口座に振り込み、トレーダーのアカウントにその金額が反映される仕組みです。
国内銀行への通常の振り込みですので、手数料も数百円程度、若しくは銀行の取引状況によっては無料というケースもあります。海外FXで取引を継続する限り、入金は何度も行うことになるので手数料は安いに越したことはありません。
プラットフォームが円表示のため分かりやすい
円建て口座では、MetaTrader4(MT4)やMetaTrader5(MT5)などの取引プラットフォームや各FXブローカーの管理画面における利益表示などは全て円表示ですが、ドル建て口座では全てドル表記となります。ドル表記では、その日の為替レートを考慮して損益を計算しなければなりませんが、円表示であればその計算は必要ありませんので、一目見て分かりやすいというメリットもあります。
円建て口座に対応していない海外FX業者も
円建て口座の数少ないデメリットとしては、円建て口座に対応していない海外FX業者があることです。円建て口座に対応していない海外FX業者の数は多くありませんが、すべての海外FX業者で対応しているドル建て口座に比べると、その数は減ってしまいます。ただ、主な海外FX業者は円建て口座の開設ができるのでそれほど心配する必要はないでしょう。
外貨建て口座がおすすめな人
海外在住、外貨預金のある人
あまりメリットがないように思える外貨建て口座ですが、海外在住や外貨預金口座を持っているトレーダーにとっては、外貨建て口座のデメリットである為替レートの影響もなく、為替手数料もかかりません。
アメリカ在住のトレーダーであれば、ドル建て口座を開設した方が為替手数料もかからないので、メリットは大きくなります。また、日本に住んでいながらも海外の銀行に口座を持っているトレーダーならば、その口座で使われている外貨を使えば入出金もスムーズに行えます。
長期的な円安を予測している人
すでに触れたように、外貨建て口座では入金時より出金時に円安になっていれば為替差益を得られます。長期的なトレンドとして円安が続くと予想するできる場合は、円建てではなく外貨建て口座を選ぶことで、出金時に大きな為替差益を狙うことができます。実際に、ドル円の為替レートを長期的な視点で振り返ると、2012年12月には1ドル=70円台後半だったのが、2019年10月は1ドル=108円前後にまで円安が進みました。長期的なトレンドを予測してベース通貨の選択の参考にするのもひとつかもしれません。
まとめ
海外FX口座のベース通貨について、お分かりいただけましたでしょうか。多くのトレーダーは円建て口座を選択して海外FXを行っていると思いますが、外貨建て口座を選択することで得られるメリットもあります。取引を行う中でベース通貨を変更したくなった場合は、新たに希望するベース通貨を選んで追加口座を開設することも可能です。自分の取引状況や為替レートのトレンド予測を立てて、より効率よく稼げるベース通貨を選択しましょう。