海外FX初心者が陥りやすい罠!?建値決済に注意を
海外FXに関する基本知識
海外FXには大きく分けて3つの決済パターンがあり、利益を確定させる利食い、損失を確定させる損切り、そして建値決済です。利食いや損切りは分かりやすいと思いますが、建値決済は海外FX初心者が陥りやすい罠などと言われることもあります。今回はその建値決済について見ていきましょう。
建値決済の基本情報
建値決済とは
そもそも海外FXで建値と言えば、エントリーしたときの通貨の価格のことを指します。建値決済とは、エントリー=ポジションを保有した時点での価格で決済することを意味します。
「建値決済をする意味って?」「建値決済をする前に自分で決済すればいいのではないか」などと思うトレーダーの方もいるかと思いますが、建値決済には2つのパターンがあります。
1つ目が含み損を抱えた状態からエントリーした価格まで戻ってきたので建値決済をするパターンで、2つ目は含み益がある状態だったにも関わらず建値決済をせざるを得なかったというパターンです。
では、2つのパターンについて具体的に見てみましょう。
建値決済の具体的な事例
米ドル円の通貨ペアで、具体的な建値決済の事例を見てみましょう。
1ドル=100円の時に買いのポジションを取り、その後相場が1ドル=101円まで円安に進行したとします。この時に、レートが1ドル=100円になった時に自動的に決済をするように設定しておくのが、建値決済です。
このように予約決済を設定しておけば、仮に急激な円高に振れて1ドル=99円になったとしても、1ドル=100円になった時点で自動的に決済されます。建値決済は相場が自分の読みとは逆の動きを示し、含み益が無くなった時に決済されることが多いので「建値撤退」と言われることもあります。
一方で、1ドル=100円の時に買いのポジションを取ったものの、直後に1ドル=99円の円高になり含み損を抱えた状態になったとしても、1ドル=100円に戻った際に自動で決済するように設定しておくこともできます。
建値決済のメリット
海外FXで建値決済をする一番大きなメリットは、含み益を抱えた状態から損切りをすることがなくなる点です。取引の途中経過は含み益が増え続けていたとしても、利確のタイミングを少しでも逃してしまうことで一気に含み損を抱えてしまう展開になることも少なくありません。建値決済を取り入れることで、含み益を抱える前に自動的に決済されるので、損失を抱える事態は回避できます。
次に挙げられるメリットは、精神的な余裕が生まれる点ではないでしょうか。先ほどのように、一度含み益が出たものの最終的に損切りをしなければならないという状態は、精神的に非常に辛いものです。少しの含み益が出た瞬間に建値決済を予約しておくことで、精神的に余裕をもって取引できるようになります。
建値決済で海外FX初心者が陥りがちな失敗例
短時間で相場が戻るのはまれ
ここからは建値決済での失敗例について見ていきましょう。
海外FXで万が一、含み損を抱えた状態であっても建値決済をすれば、損益はゼロになると考えてしまいがちですが、レートが短時間で建値まで戻るかどうかは誰にも分かりません。建値まで戻ってくる間ずっと含み損を抱えた状態になり、更に「もしこれ以上含み損が拡大するような事態になったらどうしよう」などと考えると精神的にも苦しい状況が続くことになります。
また、取引証拠金を使った状態が続いているため、他にポジションを取ることも難しくなってしまいます。
損切りの最適なタイミングを逃す
含み損を抱えた状態であるにも関わらず建値決済することを重視するあまりに損切りのタイミングを逃してしまうことは避けたいものです。短時間で相場が回復するケースはそれほど多くはなく、更に含み損が拡大してしまう可能性もあります。
一般的に海外FXの初心者は損切りのタイミングを逃しがちだと言われます。それは「相場がこのあと回復するかもしれないからまだ損切りはせずに、建値付近まで戻ったら決済しよう」という状態でポジションを保持した結果、より損失を拡大してしまうといったことがよく起こるからです。
海外FXで重要なのは大きく負けないことです。後述しますがトレード記録などを参照することで、大きく負けないことを優先的に意識するようにしましょう。
建値決済でもスプレッド分は損失
建値決済はエントリーしたレートと同じレートで決済するので、プラスもマイナスもない取引と言われますが、実際にはエントリーした時点で海外FX業者が設定しているスプレッドが発生しているので、スプレッド分だけ実際には損をしていることになります。
「建値決済ができたから、今回の取引はよかった」と安易に考えて、最適なタイミングでの決済を逃し続けると、効率がいい海外FXはできません。
建値決済を行うときのポイント
自分なりのルールを設定
まず、建値決済の前段階として海外FXを始める前に自分の中で取引ルールを定めましょう。自分がどのような取引手段を採用して海外FXをするのかにもよりますが、仮にデイトレードをするのであれば含み益がいくらになったらその時点で迷いなく決済を行う、反対に含み損がいくらになったらその時点で潔く損切りをするなどのルールを定めることが大切です。
トレード記録から建値決済するか否かを判断
海外FXをする中で必ず起こるのが「建値決済した後に相場が回復した」「建値決済した後に相場が反発した」というケースです。トレーダーの心理としてはどちらのケースも「建値決済せずに待っておけばよかった」となりますが、建値決済後に相場がどう動くかは誰にも分りません。
但し、分からない中でも相場の動きをある程度予測することはできます。そのためにしておきたいのが、建値決済したあとに実際にどう相場が動いたのかという記録を付けることです。この記録を分析すれば相場の動きを予測するのに役立つ材料となるでしょう。
まとめ
海外FXにおける建値決済のメリットとデメリットについてお分かり頂けましたでしょうか。大事なことは、まずは海外FXをする上での自分なりのルールを定めてそれに従ってトレードを行うことです。その上で建値決済をするタイミングなのかどうかを判断しますが、その判断をするのに役立つのがトレード記録を分析することです。
「建値決済できるからいいや」といった考えではなく、いかに効率よく稼ぐのかを意識して海外FXを行いましょう。そして、どの海外FX業者で取引をするかも重要な要素です。レバレッジや各種ボーナスなどは業者によって異なるので、それらの情報をまとめた最新の海外FX業者人気ランキングも参考にしながら、自分の取引スタイルに合った海外FX業者で効率的に取引しましょう。