サービス関連
ZuluTradeによるソーシャルトレードサービスは、2021年8月27日をもって終了しています。
最近、コピートレードに注目が集まっています。利益を上げている裁量トレーダーや自動売買システム(EA)のトレードをコピーするものです。実際の利用者がまだ少ないサービスなので、どんな仕組みなのか、どうやって利益を出していくのか、イメージしづらい方も多いでしょう。
今回はTitan FXなどの海外FX業者で無料で利用できるZuluTradeというコピートレードサービスについて、メリットや注意点を紹介していきます。
知りたい情報 TOP3(ここを読めば解る)
この記事の目次
コピートレードって何?気になったので調べてみた
コピートレード(ソーシャルトレード)とは
「裁量トレードをしていても、なかなか利益が出ない・・・。とはいっても、自動売買トレードもハードルが高い・・・。」
こんな悩みを抱えているトレーダーは多いと思います。実際、私も自動売買トレードをした経験があるのですが、バックテストやパラメーター調整など意外とやらなければいけないことが多かったように感じました。
また、自動売買システム(EA)は、EA本体を数万円で購入しなければいけない場合が多いことも、ハードルの一つになっています。
そこで最近、注目されているのが「コピートレード(ソーシャルトレード)」です。私たちのような個人投資家たちのニーズの高まりによって、世界のどこかにいる優秀なトレーダーや自動売買システム(EA)の取引を、インターネットを使ってそのままコピーすることが可能になっています。
「トレードをコピーする」というのは、同じ銘柄を同じタイミングで、また希望に応じてロット配分までコピーできるということです。
この記事では、コピーされる元になるトレードを行うトレーダーやEAのことを「シグナルプロバイダー」、コピーするトレーダーのことを「フォロートレーダー」と呼びます。
シグナルプロバイダーが注文を出すと、その情報がフォロートレーダーのMetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)に送信され、フォロートレーダーのMT4/MT5でも同じ注文が出されます。つまり、シグナルプロバイダーが利益を出すことができれば、自動的にフォロートレーダーも利益が出せるのです。
必要な作業は、シグナルプロバイダーを選んでフォローするだけで、手軽に始められます。
こんな人におすすめ!ZuluTradeのコピートレード
- 自動売買システム(EA)に興味があるが、設定が難しく感じる
- サラリーマンでトレードをする時間がない
- 上手いトレーダーのコピーがしたい
コピートレードを提供するサービスはいくつかあるのですが、今回はTitan FX(タイタン FX)などの海外FX業者が提携しているZuluTrade(ズールトレード)について、特徴や利用手順などを詳しく解説していきたいと思います。
コピートレードの流れ
コピートレードの簡単な流れを紹介します。
- シグナルプロバイダーを選ぶ
- ロット数などの設定を行う
- シグナルプロバイダーのトレードをコピーする(自動)
フォロートレーダーがやらなければいけないことは、トレードをコピーするシグナルプロバイダーを選び、ロット数などの簡単な設定をすることだけです。コピーを開始すると、シグナルプロバイダーと同じタイミングでトレードが行われるようになります。
もちろん、定期的にパフォーマンスの確認をする必要はありますが、コピーは完全自動で行われますので、他には何もすることはありません。
自分のMT4/MT5に注文をコピーする仕組みはコピートレードサービスごとに異なりますが、ZuluTradeは、Titan FXなど提携する海外FX業者にZuluTrade専用口座を開設し、コピートレードサービスが紐づけされています。そのため、自分のMT4/MT5上で稼働させる自動売買システム(EA)と違い、24時間MT4/MT5を稼働させる必要もありません。
コピーを開始するために「フォローする」のボタンをクリックしたら、PCの電源をそのまま切ってしまって大丈夫です。
当サイトで紹介している海外FX業者の中では、Titan FXがZuluTradeに対応しています。利用を開始するには、Titan FXの指示に従ってZuluTrade専用口座を開設してください。
ロット配分もコピーできる
コピートレードでは、ポジションのロット数はコピーする側が自由に設定することができます。
ZuluTradeでロット数を設定する方法は、2つあります。
- 固定のロット数を設定する
- 資金量に対するポジション量の比率をシグナルプロバイダーと同じにする
シグナルプロバイダーの中には、リアル口座でかなりの金額を運用している人もいます。数千万円規模の資産を運用しているトレーダーも見たことがありますが、これがプロトレーダーの世界なのですね。こういった場合、シグナルプロバイダーが注文するロット数はかなり大きくなりますので、フォロートレーダーの側はロット数を小さくしてコピーする必要があります。
固定ロット数でロット数を設定する場合は、シグナルプロバイダーがどのくらいのロット数でポジションを持ったかに関わりなく、コピートレーダー側では全て同じロット数でポジションを持ちます。
一方、「資金量に対するポジション量の比率をシグナルプロバイダーと同じにする」方法でロット設定を行った場合は、シグナルプロバイダーの資金量に比べてフォロートレーダーの資金量が半分だった場合、ポジション量もシグナルプロバイダーの半分になります。
固定ロット数の方が、合計でどれくらいのポジション量になるか事前に予測がつきやすいため、リスク管理がしやすいですが、シグナルプロバイダーと同じ比率のポジション量にする場合、資金管理戦略も含めてシグナルプロバイダーの戦略を全てコピーできるというメリットがあります。
ZuluTradeでも、固定ロット数と、シグナルプロバイダーと連動したロット数の両方が選択できますので、自分の希望に合わせて利用しましょう。
コピートレードのメリットは?裁量トレード・自動売買と比較
コピートレードを試してみる価値があるのか、裁量トレードや自動売買と比較してみます。私も最初は半信半疑だったのですが、実際にコピートレードをしてみたところ、シグナルプロバイダーを上手に選べば、利益を出すことができました。
自分が得意でない通貨ペアやCFDで利益が出せる
コピートレードの最大のメリットは、自分が得意でない通貨・銘柄のトレードもできることです。
ZuluTradeでは、シグナルプロバイダーは豊富に用意されていて、ドルストレート通貨を専門的にするシグナルプロバイダーもあれば、金(GOLD)やマイナー通貨を主に取引するものもあります。
裁量トレードでは、一つの通貨ペアに熟練して利益を出せるようにするまでが大変です。私も相場の予想がしやすいドル/円やユーロ/ドルなどのメジャー通貨以外はほとんどトレードしません。
リスクを分散させるために多くの通貨ペア・銘柄をトレードしたいと思ったとき、コピートレードがとても役に立ちます。自分が得意でない通貨ペアや銘柄を取引するシグナルプロバイダーがおすすめです。
ZuluTradeでは、シグナルプロバイダーの詳細ページから、「取引」タブの「取引」項目を選択すると、過去の取引履歴の通貨ペアの割合が表示されます。
このシグナルプロバイダーは、EUR/USD(ユーロ/ドル)やGBP/USD(ポンド/ドル)を主にトレードしていますね。トレードする銘柄も、シグナルプロバイダーを選ぶポイントです。
ファンダメンタルズにも対応できる
コピートレードのシグナルプロバイダーには、人間のトレーダーと自動売買システム(EA)があります。ファンダメンタルズに影響するニュースがあった場合、リアルタイムでトレードする人間のトレーダーであれば柔軟に対応できる可能性がありますが、EAの場合ファンダメンタルズは考慮できません。
ZuluTradeにも、EAのシグナルプロバイダーもあれば裁量トレードのシグナルプロバイダーもありますので、シグナルプロバイダーを選ぶときに確認しましょう。
それぞれのシグナルプロバイダーの下に特徴を示す記号があり、EAの場合は、「EA」というマークがついています。上記の図で言うと、「Asha Pro」はEAで、「Gacon RUS」は裁量トレードであることが分かりますね。
裁量トレードの場合は、経済指標発表時やファンダメンタルズの変化に敏感に反応できます。一方、自動売買の場合は、トレーダーの感情に左右されない・24時間トレードチャンスを狙えるといったメリットがありますが、ファンダメンタルズに関して柔軟な対応は期待できません。それぞれ長所・短所がありますので、特徴を理解してシグナルプロバイダーを選択するのがいいでしょう。
自動売買よりも手軽!VPSも必要なし
自動売買システム(EA)の場合、24時間MT4/MT5を稼働させる必要があります。自宅パソコンで稼働させることもできますが、通常は仮想専用サーバー(VPS)を契約し、そこでMT4/MT5を稼働させます。
一方、ZuluTradeは、MT4/MT5の電源を切っていても、ZuluTradeのサーバーとTitan FXなどの海外FX業者のサーバーが自動的に接続されてコピートレードが実行されるため、フォロートレーダーがすることは利益が出ているか確認するのみです。
さらに、ZuluTradeは、シグナルプロバイダーに支払う手数料が提携する海外FX業者のスプレッドに含まれているので、無料で利用できます。VPS代やEAの購入費用などの初期費用・維持費用の心配をする必要はありません。
EAの方が、細かいカスタマイズやバックテストでの成績検証が可能というメリットはありますが、手軽に始めることができる点はコピートレードのメリットです。
ZuluTradeの特徴・注意点
独自のリスク管理機能がある
ZuluTradeでは、ZuluGuardというリスク管理機能が標準搭載されています。コピー中のトレードを確認できるのはもちろん、それぞれのシグナルプロバイダーごとに、最大ロット数の設定などができ、どれぐらいのリスクを許容するのかカスタマイズが可能です。
ZuluGuardで設定できる主な項目
- 通貨や銘柄ごとのトレード制限(買いポジションのみ・売りポジションのみ、特定の銘柄はトレードしない等)
- 最大ロット数
- 独自の利益確定幅と損切り幅の設定
- 設定した以上の損失が発生しないようにするZuluGuard Capital Protection(資産保護)
例えば、最大ロット数を「5ミニロット(1ミニロット=1万通貨)」に設定すると、フォロートレーダーの口座で合計5万通貨のポジションを持った段階で新規ポジションのコピーはストップします。その後にシグナルプロバイダーがトレードしたポジションはコピーされません。
コピートレードは、基本的にはシグナルプロバイダーと同じポジションをコピーするものですが、このような機能でカスタマイズは可能です。
英語で解説されている部分が多い
ZuluTradeの最大の弱点は、外国企業が運営しているため、日本語で解説されている部分が少ないという点です。全体では日本語になっているのですが、ところどころで理解するのが難しい部分もありました。
ただ、基本的な操作や説明は日本語で解説されているので、利用するには問題ありません。日本語カスタマーサポートを何回か利用してみたのですが、日本人スタッフではなく外国の方が日本語で対応してくれます。どうやら日本人スタッフは少ないようです。
シグナルプロバイダーの質に差がある
シグナルプロバイダーの数は多いのですが、リスクの高いトレードを行っているシグナルプロバイダーもあるため、成績を確認してよく選ぶ必要があります。90%のドローダウンや成績グラフが乱高下しているシグナルプロバイダーや、価格が逆行するとナンピンを繰り返すシグナルプロバイダーもありました。
最大資産額からの損失率や損失額のこと。
例えば、このシグナルプロバイダーは、5月17日時点では3,600Pipsの損失となっていましたが、3日後の5月20日には3,000Pipsの利益を出しています。数日の間に大きく利益が変動するトレードをしていますので、コピーする際には注意が必要です。
コピーをする前に成績やポジション状況などをよく確認しましょう。
コピートレードで利益は出るのか?実際に体験してみた
トレーダーの選定が最も重要
コピートレードは、選ぶシグナルプロバイダー次第で損も利益も決まります。これまでの成績は快調だったにも関わらず、急に成績が落ちてしまうということもあり得るのです。
シグナルプロバイダーの選定が大切なのですが、人間のトレードをコピーする場合、淡々とトレードする自動売買システム(EA)ほど過去の実績が参考にならない可能性があります。
ZuluTradeでは、裁量トレードとEAのシグナルプロバイダーが用意されているので、それぞれの特長を活用した組み合わせを選択するという方法もあります。コピートレードをした場合の利益のシュミレーションができる機能があり、複数のシグナルプロバイダーをフォローした場合のシュミレーションも可能です。
コピートレードで、たった2ヵ月間で資金を失ってしまった私の失敗談を紹介します。3つのシグナルプロバイダーをコピーし、2週間程度は順調に利益が出て資産は2倍近くになったのですが、相場の乱高下が予想される英国の選挙の時期に稼働させてしまいました。
コピートレードはファンダメンタルズに対応できることがメリットだと考えていたので、特に調整はしていなかったのですが、結局強制ロスカットになりました。裁量のシグナルプロバイダーが冷静さを失って損失トレードを繰り返したことが原因でしょう。コピートレードであってもリスク管理は自分で行うのが望ましく、ZuluTradeでは、ZuluGuardというシステムがリスク管理に活用できます。
利益が緩やかな右肩上がりになっているかを確認する
シグナルプロバイダーの中には、ハイリスクなトレードをするものもあります。目立つ成績を出せば、それだけフォロワー数も増えてコピー手数料で利益が出せるのですが、このようなシグナルは避ける必要があります。収益率だけにこだわると、痛い目に合ってしまいます。
成績グラフがシグナル一覧に表示されていますので、できるだけ緩やかな右肩上がりになっているシグナルプロバイダーを選ぶのがいいでしょう。
こちらのシグナルプロバイダー(YunoriYK氏)を見てみましょう。
トレーダー名をクリックすると、トレードの詳細情報を確認できます。
YunoriYK氏は、2016年からコピートレード提供を始めていて、長期間にわたって安定的な右肩上がりの成績を維持しています。
シグナルプロバイダーを選ぶ際には、成績の安定性にも注目するのがおすすめです。
最大ドローダウンと最大ポジション数を確認する
トレードの詳細情報画面で特に確認したいのは、最大ドローダウンと最大トータルポジション数です。
YunoriYK氏の場合、過去1年間の利益2,304.8Pipsに対して、最大ドローダウンが593Pipsとなっています。最大ドローダウンとは、資産額が最も大きく減少した幅を指します。
3月付近に最も大きな資産の減少がありますが、その後すぐに損失を取り戻していますし、獲得Pipsと比較して最大ドローダウンが少ないので、安定した収益と判断できます。収益率が高くても、最大ドローダウンの大きいシグナルプロバイダーには注意が必要です。
また、最大トータルオープン取引数(最大ポジション)が7と少し多めなので、コピーするときにはトータルのポジション量が大きくなりすぎないように注意しましょう。
コピートレードは利益が出るのか、運用した正直な感想
結論から言うと、コピートレードは十分試してみる価値があると感じました。ZuluTradeには、シグナルプロバイダーもたくさんあり、選ぶのに時間がかかるかもしれませんが、良いシグナルプロバイダーを見つけられれば、利益を出すことはできそうです。
ZuluTradeでは、成績グラフや取引の詳細を確認でき、損失が一定量を超えたら新規トレードをストップするなどのリスク管理も可能です。コピートレードも、完全放置にするのではなく、自分のリスク許容度に応じて調整をするのがいいでしょう。
裁量トレードや自動売買システム(EA)と併用すれば、分散投資やリスク軽減になるのではないかとも感じました。
最近の相場は非常にややこしいのですが、そんな状況の中でも安定的に利益を出し続けているストラテジーがあることを知れたので、自分のトレードにも磨きをかけていきたいと感じました。また、新しい手法を求めているトレーダーにもコピートレードを試してみる価値が十分にあると思います。
ZuluTradeのポジション状況は、スマホでも確認できます。アプリ版も用意されているのでぜひ試してみてくださいね。
編集部の
コメント
ZuluTradeは一つの口座で複数のシグナルプロバイダーのトレードをコピーできます。このため、3人のシグナルプロバイダーのトレードをコピーしていて、それぞれが3つずつポジションを持つと、コピーされるポジションは合計9つになります。あまりたくさんのシグナルプロバイダーをフォローしすぎると、過剰ポジションを保有してしまう原因になりますので注意しましょう。