海外FXテクニカル分析
海外FXで一目均衡表を使うには?初心者でもわかる一目均衡表の見方!
海外FX初心者の方にとっては、この「一目均衡表」は初めて耳にするツールかもしれません。多くのオシレーター系や指標のツールが存在する中で、この「一目均衡表」を使用しているトレーダーはなかなか少数派といえるでしょう。
そして、この一目均衡表は他のツールに比べて扱い方がやや難しい印象をお持ちの方もいるのではないでしょうか。しかし実際は、一目均衡表を構成している「5本線」と「雲」の見方や一般的なサポート&レジスタンスラインなどの考え方さえおさえておけば、誰でも簡単に活用できます。一目均衡表を使えると、トレンドの転換点を見極めるのに非常に役に立つでしょう。
今回は一目均衡表の見方や具体的な活用方法、筆者独自のトレード手法を解説していきますので、FX初心者の方は是非ご参考にしてください。
この記事はこんな方におすすめします
一目均衡表とは?
一目均衡表とは、異なる日数から計算された5本線と1つの雲から構成される表で、トレンド転換の時期を判断する際に非常に便利なツールです。
FXに存在する数多くのテクニカル分析の中でも珍しく、実はこの一目均衡表は、100年ほど前に日本で開発されたツールなのです。もともとは株価を基に開発された指標ですが、FXの為替レートや他の銘柄相場にも応用することが可能で、今も広く利用されている万能ツールです。
一目均衡表に限らず、FXや投資系のツールには100年ほど前に開発されたものが多くあります。そして、現在においてもしっかりと機能し多くのトレーダーに使用されています。これは何故でしょうか?
それは、相場の値動きは人間心理の集合体でできているからです。今も昔も人間の行動心理というものは基本的には変わりません。喜び、快楽、恐怖、不安など人間であれば感じる場面は、いつの時代も大きく変わりません。
例えば、あなたがいきなり刃物を向けられたらどうでしょう?当然ながら恐怖を感じますよね。同じように100年位前の昭和、大正、明治時代の人も当然恐怖を感じるはずです。もちろん、その前の江戸や平安時代の人でも恐怖を感じるはずです。
つまり、時代が変わっても人間が持つ感情や取る行動は大きく変わらないため、100年以上昔の理論が今の時代でも十分に活用できるのです。
一目均衡表は、1935年(昭和10年)に細田吾一によって「新東転換線」として発表されました。そして、戦後に細田吾一がペンネームを「一目山人」としたのに合わせて「一目均衡表」と改名したことが起源になります。その後、一目均衡表は世界に先駆けた近代的テクニカル分析手法として海外でも広く普及したと言われています。
一目均衡表を構成する5本線とその見方
一目均衡表はを構成する5本線は、「基準線」「転換線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」になります。そして、「先行スパン1」と「先行スパン2」の線に挟まれた部分を「雲」と言います。
実際に、一目均衡表を下記のユーロ/ドルの日足チャート上で見ていきましょう。それぞれの線が示す値とそれから分かることについて、1つずつ詳しく説明していきます。
基準線
値
過去26日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線で、中期的な相場の方向性を示している線のことです。
計算式:(過去26日間の最高値+26日間の最安値)÷2
見方
基準線は相場のトレンド方向を示しており、ローソク足との位置関係によってトレンドを判断します。
転換線
値
過去9日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線で、短期的な相場の方向性を示している線のことです。
計算式:(9日間の最高値+9日間の最安値)÷2
見方
転換線は基準線と比較して上にあるなら上昇、反対に下にあるなら下降のトレンドと判断します。この場合は、転換線は基準線より上に位置しているので、上昇傾向ということが分かります。
先行スパン1
値
基準線と転換線の中心を26日間に先行させて記入された線です。つまり、先行スパン1はそれぞれの中心となる値を結んだ線です。
計算式:基準線+転換線)÷2を26日間先行させたもの。
先行スパン2
値
過去52日間の最高値と最安値の中心を26日先に先行させた線です。
計算式:52日間の最高値+52日間の最安値)÷2を26日間先行させたもの。
見方
先行スパン1と先行スパン2は未来のトレンドと価格の予想を表示しています。そして、先行スパン1と先行スパン2に囲まれた、オレンジの網掛け部分を「雲」と呼びます。この「雲」とは一目均衡表の代名詞とも呼べるくらい重要な指標です。
「雲」は抵抗線と支持線つまりサポート&レジスタンスラインの役割を果たしており、その厚さによって強さが変化します。「雲」が厚いほど強さがあります。
遅行スパン
値
当日の終値を26日遅行させたものです。当日の終値を26日前に遅行させた値を結んだ線です。遅行線は当日の価格と26日前の価格を比較していることになります。
見方
遅行スパン、は過去のローソク足を上抜けもしくは下抜けしたかでトレンド転換を判断します。
雲って何?
雲は、レジスタンスラインやサポートラインとしての役割を果たしています。レジスタンスラインは、上昇しているチャートにおいて価格がどこまで上がるかの目安、反対にサポートラインは下降しているチャートにおいて価格がどこまで下がるかの目安となるラインのことを指します。そして雲に対するローソク足の位置を見ることで、相場のトレンドを読み解くことができます。一般的には、ローソク足が雲の上にあれば強気相場、雲の下にあれば弱気相場と考えることができます。そのため、雲の中にローソク足が入り込んでいる場合、その後ローソク足が雲の上に行くか、下に行くかが重要になってきます。
一目均衡表の特徴
一目均衡表を形成する5本線と雲について紹介しましたが、数多くのテクニカル分析ツールと比較した時に、一目均衡表には以下のような特徴があります。
【特徴1】「時間を主体」にして価格を扱っている
一目均衡表は、「いくらの価格」になるかを分析するよりも「いつという時間」を分析することに特化したテクニカル指標となります。数多くのテクニカル分析ツールが価格の変動や相場の流れなどを主において、時間を二次元的なものとして扱っているのに対して、この一目均衡表は時間を主において、価格を二次元的なものとして扱っています。
【特徴2】売買の勢力バランスが崩れた方向へ相場が動く
また、一目均衡表は買い勢力と売り勢力の力のバランスが崩れた方向へ相場が動くとする考えに基づいて作成されています。
【特徴3】雲がレジスタンスライン、サポートラインとして機能する。
そして、先ほどご説明した5本線の各線と雲がレジスタンスライン、サポートラインとして機能する働きがあることも特徴的です。
以上が一目均衡表の主な特徴になりますが、FX初心者の方や一目均衡表をよく知らない方にとってはなかなかイメージが浮かびにくいでしょう。
一目均衡表の働きや示していることを簡潔に一言で言えば「相場の値動きは時間による影響を受けている」ということになります。つまり、過去に起こった値動は、現在の価格と未来の価格に大きな影響を与えるということを意味します。
一目均衡表=「時間軸を未来・過去へずらした三次元チャート」と考えておけば良いでしょう。そして、先行スパン1と先行スパン2の間の「雲」はレジスタンスライン、サポートラインとして今後の相場の予測に使用できるということです。
一目均衡表の設定方法
詳しい説明に入る前に、まずは、MetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)で、一目均衡表を表示する方法を紹介します。設定方法をすでに知っている方は、一目均衡表の具体的な利用方法に進んでください。
MT5で一目均衡表を表示するには、ナビゲータ内の「指標」より「トレンド系」をクリックした後、「Ichimoku Kinko Hyo」を右クリックして、「チャートに追加」をクリックします。
Ichimoku Kinko Hyoの設定ウインドウが表示されたら、①「パラメータ」タブをクリックし、②詳細設定を行います。③詳細設定が完了したら、「OK」をクリックすることで一目均衡表がチャート上に表示されます。
転換線 | 過去何日間のデータを利用するかを入力します。「9」と入力した場合、9日分のデータを元に転換線が形成されます。 |
基準線 | 過去何日間のデータを利用するかを入力します。「26」と入力した場合、26日分のデータを元に基準線が形成されます。 |
先行スパンB | 過去何日間のデータを利用するかを入力します。「52」と入力した場合、52日分のデータを元に先行スパンBが形成されます。 |
転換線 |
過去何日間のデータを利用するかを入力します。「9」と入力した場合、9日分のデータを元に転換線が形成されます。 |
基準線 |
過去何日間のデータを利用するかを入力します。「26」と入力した場合、26日分のデータを元に基準線が形成されます。 |
先行スパンB |
過去何日間のデータを利用するかを入力します。「52」と入力した場合、52日分のデータを元に先行スパンBが形成されます。 |
Ichimoku Kinko Hyoの色や線種、線の太さを設定する場合は、①「カラー」タブをクリックし、②詳細設定を行います。③詳細設定が完了しましたら、「OK」をクリックします。「None」を選択すると、非表示に設定することもできます。
一目均衡表の代表的な活用方法
5本線によって相場のトレンドを示す一目均衡表ですが、この章では、その具体的な活用方法について代表的なものを3つご紹介します。
基準線と転換線の交差
基準線と転換線は、それぞれ短期と長期の移動平均線としての役割があります。
移動平均線の使用方法と同じ原理で、転換線が基準線を下から上へ突き抜けると買いのサイン=上昇トレンド、逆に上から下に突き抜けると売りのサイン=下降トレンドになります。
先行スパンと雲
先行スパン1と先行スパン2で囲まれた網掛けの部分を「雲」と言います。この「雲」は抵抗帯としての機能があり、「雲」の厚みがあればある程、その抵抗は強いということが判断できます。
そのため、相場よりも上に「雲」がある場合は上値抵抗のある下降相場であり、反対に相場よりも下に「雲」がある場合は下値支持のある上昇相場と考えられます。
また、「雲」がねじれてクロスしている部分を「先行スパンの変化日」と呼び相場のトレンド転換点としての目安となっています。
遅行スパン
遅行スパンは当日終値を26日逆行させただけの単純な線ですが、意外にもこの遅行線は重要です。なぜなら、相場の大きな転換点を示すとされているからです。
一般的に遅行スパンが相場を下抜いた時は下降に転換、反対に上抜いた時は上昇に転換すると考えられています。
一目均衡表のおすすめ設定方法
ここでは、一目均衡表のおすすめの設定方法をご説明します。ちなみに一目均衡表に限らず、多くのツールにおいて好みに合わせて自由に設定することが可能です。
一目均衡表の最適な設定値は、実はデフォルトで初期設定されている下記の数値になります。理由は簡単で、デフォルトの数値を使用している投資家が多いからです。
- 転換線:9
- 基準線:26
- 先行スパン:52
下記のチャートが実際に、一目均衡表をチャート上に表示させる時に出てくるデフォルト状態のポップアップ画面ですが、初期設定にて上記の数値になっていることがお分かり頂けます。
多くの投資家がデフォルトの数値を使用しているということは、大半の投資家がその数値に反応して売買判断をしていることになります。仮に自分だけデフォルトの数値と大きくかけ離れた数値設定にしていたら、本来デフォルトの設定であれば、相場の値動きが転換してくるポイントで転換してこなかったりします。
つまり、本来相場で効いてくるポイントで機能しないということです。そうなると、どんなに優れたツールを使用していても自分だけ取り残されてしまいますので、おすすめの設定はデフォルトということになります。
プロの
助言
長年FXトレーダーとしてトレードしてきた結果、一目均衡表に限らず、他のテクニカル分析ツールにおいても価格、日数、期間などの数値設定は、基本はデフォルトが一番だと考えます。自分好みに設定できるのは嬉しいポイントではありますが、テクニカル分析ツールにおいては、カスタマイズすべき部分と、デフォルト設定を利用すべき部分をしっかり把握しておくことも重要です。FX初心者の方には是非、このことは覚えておいて頂きたいポイントです。
【基礎編】一目均衡表を使ったトレード手法
一目均衡表を使ったトレード手法は沢山あります。そして、使い方はそのトレーダーの思考によって変わってきます。
ここでは、数ある一目均衡表を使ったトレード手法の中で、最も人気で多くのトレーダーに使用されている手法を1つご紹介いたします。
「雲」を抵抗帯として使用する手法
一目均衡表を利用した最も人気のトレード手法は、「雲」を抵抗帯として使用するトレード手法です。実際のチャートを用いて詳細を説明します。
下記は、先ほどと同じユーロ/円の日足チャートです。
先行スパン1と先行スパン2で囲まれた網掛け部分が「雲」になりますが、この部分を抵抗帯として使用する手法になります。
使い方は非常にシンプルで、「雲」よりも上に価格がある時は、「雲」をレジスタンスラインとして考えて、そこから価格の上昇を狙って買いポジションをエントリーするやり方です。反対に「雲」よりも下に価格がある時は、「雲」をサポートラインとして考えて、そこから価格の下降を狙って売りポジションをエントリーします。
雲がサポート&レジスタンスラインの役割を果たす?
レジスタンスラインは、「そこから価格が上昇しやすい買い勢力が多い部分」、反対にサポートラインは「そこから価格が下降しやすい売り勢力が多い部分」のラインです。一目均衡表の「雲」は、そのラインの役割を果たします。
そして、「雲」の使い方としては、上の線の先行スパン1を基準に考えるトレーダーもいれば、下の線の先行スパン2を基準に考えるトレーダーもいます。どちらが正しいも間違いもありません。そのトレーダー自身の考え方次第です。ただ、若干先行スパン1の上の線を基準に考えるトレーダーが多い傾向があります。
【応用編】一目均衡表を使ったトレード手法
次に筆者独自の一目均衡表を使ったトレード手法をご紹介します。
独自の使用方法は3つあり、基礎編で使用したユーロ/円の日足チャートを用いて1つずつ説明します。
トレンド継続を見極める判断材料にする
チャート上の二つの赤丸を見てください。この赤丸の部分は相場から「雲」が大きく離れている部分に記入しました。
つまり、相場は大きく上昇しており抵抗帯(レジスタンスライン)として機能する「雲」まで、かなりの距離があります。私はこの距離があればある程、そのトレンドの力は強いと判断しています。そして、そのトレンドが「雲」まで落ちてこない限り上昇トレンドは継続するという判断基準を持ってトレードしています。
「雲」の中に相場の価格が推移している時は、トレンドフォロー戦略は取らない
青色の四角形で示した部分がまさにその状態です。
相場の価格が「雲」の中に入っているということは、相場の方向性が曖昧な時期であるといえます。このような時期にトレンドフォロー戦略は取りません。仮に取引する場合はレンジ戦略に切り替えて、少ないpips獲得を狙いにいきます。
プロの
助言
FXは「何かをする」よりも、「何かをしない」と決めて守り通すことが大切です。このケースは何かをしない、つまりトレンドフォロー戦略はしないと決めて守り通すケースにあたります。その判断材料に一目均衡表の「雲の中」を利用することをおすすめします。
利益確定に使用する
「7-1.トレンド継続を見極める判断材料にする」のケースで相場の価格が「雲」まで落ちてきたら一旦利益確定します。
もちろん、その直後に急上昇するケースもざらにありますので、これはかなり独自のトレードルールとなります。
このように私は一目均衡表を使用しております。こういう使い方もあるんだと頭の片隅において頂ければ幸いです。
編集部の
コメント
FXにおいて利益確定や損切りなどの位置に正解、不正解はありません。例えば、買いエントリーして少し上昇したところで少しの利益を利益確定するケースも、その後に更に急上昇して多くの利益を利益確定するのも、どちらも正解です。もちろん、後者の更に急上昇して多くの利益を確定した方がいいのは誰が見てもそう思うはずです。しかし、それはあくまで結果論で未来は誰にも分りません。ですので、FXは「自分が決めたところが正解」という考え方を持つことをおすすめします。
まとめ
一目均衡表は100年程前に開発されたツールですが、現在も使用されている優れたツールであるということがお分かり頂けましたでしょうか。
一目均衡表を構成する5本線にはそれぞれ役割があります。まずはその5本線が何を指すのかを理解することが、一目均衡表を活用して取引する上での第一ステップといえるでしょう。そして、多くのトレーダーに倣って、一目均衡表の代名詞ともいえる「雲」をレジスタンスライン、サポートラインとして使用して取引していくことをおすすめします。
一目均衡表を活用して、トレンドの転換点を見極めるにはある程度表の見方になれる必要もあるので、まずはデモ口座から初めてみるものいいでしょう。
「FX初心者でもできるテクニカル分析」でご紹介しているその他のトレンド系/オシレータ系のテクニカル指標を用いて、海外FXで勝てる戦略を確立していきましょう。
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編集部の
コメント
こちらでは、MT5を使用して一目均衡表の設定方法を解説しましたが、MT4でも同じ項目が設定できます。詳細は「一目均衡表の設定方法(MT4)」をご参照ください。
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