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最終更新：ISM製造業景況感指数（ISM製造業PMI）は、全米供給管理協会（Institute for Supply Management）が行うアンケートをもとに製造業の景気観を示したもので、毎月第1営業日に公表されます。
この指数は企業へ直接、新規受注や在庫状況、仕入れ価格などに関する前月比の状況を調査するため、実際に企業が感じている景気観を反映しやすい指標です。
また、ISMが発表するISM非製造業景況感指数（ISM非製造業PMI）と合わせて分析することで、米国経済全体の景況感をより包括的に把握できます。
本記事では、ISM製造業景況感指数がどのようにして米経済の動向を反映しているのか、具体例を交えて詳しく解説していきます。
ISM製造業景況感指数（ISM製造業PMI）とは？
「ISM製造業景況感指数」は、米国の製造業の景気状況を反映する指標です。全米供給管理協会（ISM）が毎月、全国の製造業の購買担当者を対象にアンケートを行い、その結果をもとに算出しています。
この指数が50％を超えると景気が拡大していると考えられ、50％未満だと後退していると見なされます。
このようにして、企業や投資家は経済の動向を把握し、適切なビジネス戦略や投資判断を行うための貴重な情報源として活用しています。
ISM製造業景況感指数を発表する機関
ISM製造業景況感指数を発表するのは、「全米供給管理協会（Institute for Supply Management）」です。
この非営利団体は、供給管理や購買のプロフェッショナルをサポートすることを目的として、1915年に設立されました。
ISMが公表するデータは、政治・経済・投資に携わる者にとって重要な情報源であり、政策金利や投資戦略の策定に活用されます。
ISM製造業景況感指数の具体的な発表時期
ISM製造業景況感指数は、毎月第1営業日の日本時間24時（米国がサマータイムの期間は23時）に発表されます。
発表タイミングが月初であることから、ISM製造業景況感指数のデータは速報性が高く、市場参加者からの注目度も高い指数です。
ISM製造業景況感指数が市場予想を上回ると、景気の拡大が予測され、株価が上昇しやすくなります。一方、予想を下回ると景気後退の懸念から株価が下落することが多いです。この指数は製造業の先行指標と見なされており、次の連邦準備制度理事会（FRB）の政策決定に影響を与えることもあるため、金融政策に敏感な市場参加者から特に注目されています。
ISM製造業景況感指数（ISM製造業PMI）の調査項目と計算方式
全米供給管理協会（ISM）が発表する主要な指標には「ISM製造業景況感指数」と「ISM非製造業景況感指数」があり、これらはPMIとも呼ばれます。
また、同様に米国の景況感を反映する指標として、IHS Markit社が集計するPMIもありますが、これはISMの指標とは異なるため注意してください。
ISM製造業景気感指数の調査内容
ISM製造業景況感指数は、「新規受注」「生産」「雇用」などの10項目から成り立っています。
ISM製造業景気感指数の調査内容
- 新規受注
- 生産
- 雇用
- 入荷遅延
- 在庫
- 顧客在庫
- 仕入価格
- 受注残高
- 新規輸出受注
- 輸入
これら項目について、全米供給管理協会が300社以上の製造業購買担当者にアンケート調査を行い、平均した数値がISM製造業景気感指数として作成されます。
各購買担当者は市場の状況を「改善（Better）」「変化なし（Same）」「悪化（Worse）」の3つの選択肢から選び、以下の式でDI（Diffusion index）を算出します。
DI（Diffusion index）の計算式
DI =「Better」+「Same」÷ 2
算出されたDIの数値を基に、50点以上なら景気の拡大、50点以下なら景気後退とされています。
ISM製造業PMIは5項目を重視した指標
ISM製造業PMIは、米国経済全体に対する早期の景気判断材料として特に注目される指標で、製造業景況感指数に含まれる10項目のうち、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の5つの主要項目に特に焦点を当てて算出されています。
ISM製造業PMIは景気の先行指標と呼ばれているため、月初めにこの数値が良いか悪いかの確認だけでもしておくことをおすすめします。
ISM製造業PMIとIHS Markit社のPMIはどう違うの？
ISM製造業PMIとIHS Markit社のPMIは、どちらも製造業の景況感を示す指標ですが、調査の対象や方法に違いがあります。ISM製造業PMIは全米供給管理協会（ISM）によって集計され、NAICS（北米産業分類システム）のリストに基づいて選ばれた米国内の300社以上の製造業購買担当者にアンケートを実施しています。一方、IHS Markit社は独自により広範な民間企業のデータを基にPMIを集計しており、ISM製造業PMIとは別の経済指標として扱われています。
ISM非製造業景況感指数とは内容が異なる
ISM非製造業景況感指数は、アメリカのサービス業など非製造業の景況感を示す指標です。アメリカのGDPは約7割が非製造業から成り立っているため、ISM製造業景気感指数よりも重要な経済指標として注目されます。
ISM製造業景況感指数とよく名前が似ているため混同してしまいそうですが、ISM非製造業景況感指数は毎月第3営業日に発表されます。
ISM製造業景況感指数（ISM製造業PMI）を活用してFXで利益を上げよう！
ISM製造業景況感指数は、米国経済の健全性を示す重要なバロメーターです。この指数は製造業の景況感だけでなく、経済全体の方向性を反映するため、トレーダーにとっては特に重要な指標の1つといえるでしょう。
FXや株式取引では、ISMデータの発表前の市場予想と実際の結果を比較し、その差異から市場の反応を予測することが有効です。また、他の経済指標との相関を分析することで、より精度の高いトレード戦略を立てることもできます。
ISM製造業景況感指数を活用して、より高い利益の獲得を目指してみましょう。
