日銀当預
2018.07.10
日銀当預とは、金融機関が日本銀行(日銀)に保有している当座預金(法定準備預金率を超える残高については、出し入れ自由な無利子の預金)である「日本銀行当座預金(日銀当座預金)」の残高のことをいいます。
一般に日銀当預は
(1)金融機関が他の金融機関や日銀、国と取引を行う場合の決済手段
(2)金融機関が個人や企業に支払う現金通貨の支払準備
(3)準備預金制度の対象となっている金融機関の準備預金
といった、主として3つの役割を果たしています。
バブル崩壊後のデフレ経済の中、2001年3月19日に日銀政策委員会の金融政策決定会合が行われました。そしてこの会合で、金利(無担保コールO/N物)に代え、日銀当預を金融市場調節の主たる操作目標とし、この金融市場調節方式をCPI(全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的に0%以上となるまで継続することが決定されました。
また法定準備預金額を大きく上回る水準に日銀当預の目標が定められ、各種オペレーションによって潤沢な資金を供給する「量的緩和策」も採用されています。
なお、日銀当預およびその変動要因は「日銀当座預金増減要因と金融調節」等で日々公表されています。
FX取引においても、日銀当預の増減は無視できるものではありません。日銀が当座預金残高を増やす、すなわち「量的緩和策」を実施するのは日本経済全体の金回りが良くなることを目的としていて、これは各市中銀行が企業などにお金を貸し出す余裕を持てることにもつながります。
そして、お金を借りられる企業などが増えれば、その分設備投資や企業の活性化も促せるというのが量的緩和策で期待できる効果です。
しかし、量的緩和で市場に出回るお金を増やせば増やす分だけ通貨価値は下がっていき、円安傾向に陥ることになります。つまり、日銀当預を量的緩和策で意図的に増やすというのは、為替市場に多大な影響をおよぼすことと頭に入れておく必要があるのです。
読み方
ニチギントウヨ・にちぎんとうよ