通貨バスケット
2018.06.29
為替相場制度は主に、変動相場制か固定相場制に大別されます。例えば米ドル/円の場合、昔は1米ドル=360円と固定されていましたが、今はドルに対する円の価値は刻々と変化します。前者が固定相場制で、後者が変動相場制です。
通貨バスケットとは固定相場制の一種で、複数の通貨で構成される仮想通貨をいいます。複数の通貨をそのバスケットにまとめて扱うというニュアンスで使われている用語です。実際のお札や硬貨としては存在しませんが、通貨単位として国際間の取引などにおける計算や基準として利用されます。
通貨バスケット制は、ある国の通貨に対して複数の国の通貨の価値を加重平均し、為替レートを決定する仕組みです。複数の通貨の価値に連動させることで、レートを安定させられるという利点があります。
各通貨の構成比率は貿易関係の深さなどによって決定されます。通貨バスケット制は為替レートをドルやユーロといった単一の通貨ではなく、この仮想通貨に連動させたり、変動幅を通貨バスケットに対する一定の割合に制限したりする為替管理制度のことです。
なお、中国政府は人民元について、通貨バスケット制を参考にした「管理フロート制」を採用しています。中国の動向は世界経済に大きな影響を与えますので、中国の金融政策を知る上で、通貨バスケット制の理解は必須と言えるでしょう。
読み方
ツウカバスケット・つうかばすけっと