DD方式
2018.07.12
DD方式とは、ディーリングデスク(Dealing Desk)の略で、相対取引、つまり投資家とFXブローカーが1対1で取引を行う方式をいいます。DD方式と称する他にもOTC取引(相対取引)、MM(マーケットメーク)方式などといった呼び方があります。
DD方式では、投資家とFXブローカーは利益が相反する関係にあります。これはこの方式が投資家の注文をFXブローカーが一旦決済するからです。
例えば、投資家がFXブローカーからある通貨ペアを買ったとき、FXブローカーは投資家に対してその通貨ペアを売った事になります。そして投資家がその通貨ペアを決済すれば利益が出るタイミングで決済すると利益を得る事ができます。このとき、投資家が利益を得た分がFXブローカーにとって損失となるのです。逆に、投資家が損失を出した場合には、その損失分がFXブローカーにとっての利益になります。
このシステムを見ると、もしこのFXブローカーと取引をする投資家が利益を出し続けた場合には、FXブローカーは倒産することとなります。それを避けるために、各FXブローカーのディーリングデスクにはディーラーが配置されています。
ディーラーは、FXブローカーに利益をもたらす事を目的として、ディーラー自身の判断で通貨ペアの提示価格を決定したり、オーダーをカバー先(インターバンク市場の銀行や他のFXブローカー)に流したり、複数の投資家のオーダーを組み合わせて相殺したりしています。
DD方式の厄介な点は「リクオート」という状況が起きることです。リクオートとは、価格変動が激しいときに、有利なタイミングで決済しようとしてもレートが再提示されて、思ったとおりのタイミングで約定できない状況のことです。
DD方式の特徴は、スプレッドの幅が狭いことです。DD方式は、投資家からの注文を直接インターバンクにつなげずに、一部については、FX業者が相手となり取引を成立させます。そのため、現実の為替市場で取引されている為替レートで取引を成立させる必要はなく、スプレッドの幅も自由にFX業者自身が設定することが可能です。
スプレッドとは、インターバンク市場における売値と買値の差のことで、需給状況によって常に変動しています。スプレッドはFX業者の利益の源泉です。しかし、DD方式の場合は、FX業者自身が相手方となって取引を成立させる相対取引によっても利益が得られるため、スプレッドを狭くしても利益が確保できる収益構造になっています。
読み方
ディーディーホウシキ・でぃーでぃーほうしき
対義語