内部投資収益率
2018.07.04
内部投資収益率(IRR、Internal Rate of Return)とは、投資利回りを計算する手法の一つで、投資に必要な資金の現在価値と、将来の現金の流れ(キャッシュ・フロー)を現在の価値に換算した合計額が等しくなる割引率(ディスカウントレート)のことをいいます。
この場合の割引率は、商品の価格を割引く際の割引率とは異なり、将来に受け取る収益を現在の価値に換算した数値のことです。
投資には利回りがありますが、利回りは時間の経過によって変化するため、現在と将来のお金の価値も変わってしまう可能性があります。そのため、長期間に及ぶ投資を考えている場合には、まずはこの割引率を求めておくことが大切です。
内部収益率は、複利計算に基づく投資に対する収益率(投資利回り)を表します。
そのため、内部収益率が、投下した資本のコストより高い場合、つまり、投資利回りが、借入金の金利よりも高い場合は有利な投資といえ、低い場合は不利な投資ということになります。投資案件の採否の決定においては、内部収益率が資本コストより大きいかどうかが重要な判断要素になります。
現在から「t」年後に受け取るキャッシュ・フローを「Ct」とし、n年間にわたって受け取るとし、年々の金利が「r%」で一定であると仮定すると、現在価値Pは、各期間のキャッシュ・フローの現在価値である「Ct÷(1+r)のt乗」の合計となります。「Ct」と「r」を既知の値として、現在価値Pは求められますが、PとCtを既知の値として「r」を求めることもできます。このようにして求められる収益率「r」が内部収益率です。
債券投資においては、将来支払われる利息(クーポン)収入および償還時に発生する償還価格(額面)を、その債券価格と等しくする割引率である内部収益率を複利最終利回りと呼び、利回り計算の1つの方法として使われます。
読み方
ナイブトウシシュウエキリツ・ないぶとうししゅうえきりつ
同意語