マーケットニュートラル
2018.07.31
マーケットニュートラルとは、買い建て(ロングポジション)と売り建て(ショートポジション)を組み合わせることによって、マーケット(市場)全体の価格変動に左右されない、安定的な収益確保を目指す投資戦略をいいます。
一般的には割安と判断される銘柄のロングポジションを取る一方で、それと同額の割高と判断される銘柄のショートポジションを取ることが多く、この手法では銘柄選択の効果が出やすいと言えます。
例えば、株式投資において割安と判断される銘柄を買い建てると同時に割高と判断される銘柄を空売りし、ポートフォリオがマーケット(株式市場)全体の変動からニュートラル(中立)になるような状態にし、そして銘柄の割高と割安の状態が解消される過程で収益を狙うことになります。
マーケットニュートラルはヘッジファンドの代表的な運用手法の一つで、市場中立型のロング・ショート戦略と言えます。また、個人投資家向けに本手法を取り入れた「マーケット・ニュートラル・ファンド」も販売されており、市場全体の動向に影響を受けない絶対収益を目指すファンドとして一つの選択肢になるかもしれません。
なお、本手法にはクオンツ運用でさらに綿密に分析された戦略もあり、主なものに「統計的ペアトレード」や「マルチファクターモデル」などがあります。
手堅く収益を得ることが期待できることに、マーケットニュートラルの最大のメリットがあるといえますが、デメリットがない訳ではありません。
マーケットニュートラルは、相場や金利が上がっても下がっても収益が見込める投資戦略なので、理論的には買い建てと売り建ての双方で利益を得ることが可能です。ここに手堅さがあるのですが、見込みが違った場合は、双方で損失が発生することになるため注意が必要です。
要するに、損失が倍増してしまうリスクがあるのです。マーケットニュートラル戦略を得意としていたヘッジファンド(LTCM)は、1998年に巨額の損失を出して経営破綻しています。
読み方
マーケットニュートラル・まーけっとにゅーとらる