ISD
2018.07.24
ISD(金融商品市場指令)とは、EU域内における証券市場及び投資サービスを規定する、包括的な規制のことをいいます。米国のNMSと並ぶ「規制のグローバルスタンダード(世界標準)」です。
ISDは、投資家がEUの境界を超えて投資を実行し投資サービスが受けられるようにすること、証券会社がEUの域単内一免許を利用する際の障害を取り除くこと、欧州での取引所間の競争を促進し取引分野を拡大すること、投資家と投資サービス利用者の適切な保護を確保することを目的としています。
主な内容に、相対取引を禁止する利益相反防止の義務化、NDD方式を利用することによる投資業務規律の明示、顧客からの注文を最大限約定させることを義務・責務とする最良執行の定義などがあり、投資家保護の中核をなしています。
ISDは、1993年に制定された投資サービス指令(ISD)を抜本的に見直されたものです。
この指令では、規制環境の変化とテクノロジーの進展に対応させることを目的として2004年4月に採択され、2007年11月より国内法化された規制がEU加盟国で順次施行されています。
ところが、その後に勃発したグローバルな金融危機の中で、株式以外の金融商品に対して規制が弱いこと、競争が激化したために取引が複雑になって取引の透明性がなくなったことなど、規制の問題点が次々と明らかになりました。
その結果、取引の透明性と投資家の保護を強化するため、2018年1月に第2次金融商品市場指令(ISD2)がスタートすることになったのです。
ISD2では、投資会社はブローカーに支払う売買手数料とリサーチに対する対価を分離することなども求められるようになりました。
読み方
アイエスディー・あいえすでぃー
同意語