資金洗浄
2018.09.21
資金洗浄とは、英語でいうとマネーロンダリングをいいます。犯罪によって得られた収益金(汚れたお金)の出所を隠蔽し、正当な手段で得たお金と見せかける行為を比喩的に「お金を洗浄する」といいます。汚れたお金を一般市場で使用しても身元がばれないようにする為の行為です。
架空または他人名義の金融機関口座などを利用して、転々と送金を繰り返したり、株や債券の購入や大口寄付などを行ったりします。これは、捜査機関による差し押さえや摘発を逃れるための行為で、世界中で巨大な闇のお金として悪用されることもあり、これらの行為は法律で禁止されています。
悪質な資金洗浄への対策を強化するため、日本では2007年1月4日から、本人確認法(金融機関等による顧客の本人確認及び預金口座等の不正利用の防止に関する法律)が一部改正され、現金でのATM振込み限度額が10万円に引き下げられました。
これにより10万円を超える現金での振込みを行う際には、窓口にて本人確認書類を提示することが義務付けられました。これは近年世間を騒がしている「振り込め詐欺」防止対策のひとつにもなっています。
こうした中、新たな資金洗浄の手法として問題視されているのが、仮想通貨を悪用した方法です。一般的に仮想通貨とその口座は、金融機関の口座に比べて利用者の匿名性が高くなります。
また、これに加えて、インターネットを通じてさまざまな別の仮想通貨への交換も可能になっています。つまり、悪用されると資金の出所を確認するのは困難になってしまうのです。
このようなリスクに対し、2017年4月に改正犯罪収益移転防止法が施行されました。仮想通貨の交換業者は、資金洗浄などが疑われる取引が確認された場合には、金融庁などに届け出をするように義務づけられています。
読み方
シキンセンジョウ・しきんせんじょう
同意語
対義語