SNB
2018.07.18
SNBとは、Schweizerizche National Bankの略であり、スイス国立銀行のことです。中央銀行として、スイスフラン紙幣の発行や金融政策の決定を行っています。
スイス連邦には4種の公用語があるため、制度上の正式名称も4種の言語で併記されています。(ドイツ語: Schweizerische Nationalbank, フランス語: Banque Nationale Suisse, イタリア語: Banca Nazionale Svizzera, ロマンシュ語: Banca Naziunala Svizra。)
法人形態はアクツィエンゲゼルシャフトで、カントンや州立銀行のような公的機関が資本金の約55%を出資しています。残りの資本金は証券市場で取引されており、そのほとんどを個人が所有しています。スイス連邦は一切出資していません。
2007年、スイス国立銀行が設立100周年を迎えたことを記念してスイス・ポストが1フラン切手、85ラッペン切手の2種類の記念切手を発行しました。それぞれのデザインは100周年に掛けて、100スイス・フラン紙幣のデザインをそのまま採り入れています。
また、SNBは、一部収益を株式で運用し上場もされている点が、ほかの中央銀行にはみられない特徴です。すなわち、国立銀行とはいうものの、民間の資金が入っているのです。スイスは戦争に影響を受けない永世中立国であり、その通貨であるスイスフランは安全通貨として高い人気を誇ります。
ところが、あまりに人気が高いため、深刻なスイスフラン高に長年悩んでいます。これを問題視するSNBは、スイスフラン高にストップをかけるため、たびたび対スイスフランでユーロを大量に買い付ける市場介入を行ってきました。
2015年には、1ユーロ=1.20に設定されていたスイスフランの上限を撤廃し、金利を-1.25%に下げたことで、市場に大混乱を引き起こしたのです。これがいわゆるスイスフラン・ショックです。
2018年にもSNB総裁によって「スイスフランは依然として過大評価されている」との声明が出されました。
SNBが市場介入することもいとわない態度を打ち出していることは、市場参加者にとって脅威です。対日本円で直接影響が出る可能性は低めですが、スイスのマイナス金利政策を利用してスワップトレードをしている人は、とくにSNBの動向に注意しておく必要があるでしょう。
読み方
エスエヌビー・えすえぬびー
同意語