無担保コール翌日物
2018.07.10
無担保コール翌日物とは、無担保コールオーバーナイト物(無担保コールO/N物)とも呼ばれ、コール市場において取引される「無担保で、翌日には返済する超短期資金のやり取り」をいいます。
コール市場とは日本で最も歴史のある代表的な短期金融市場であり、銀行などの金融機関同士で短期の資金の貸借が行われるマーケット(インターバンク市場)をいい、その名称は"Money at call"=呼べば即返ってくるほど短期の資金の貸し借りであることから由来しています。
一般に金融機関は日々の手元資金の過不足を調整する貸借の場として本市場をメインに利用しており、余剰分があれば貸し出し、不足分があれば借り入れるという取引が機動的に行われています。
この無担保コール翌日物の貸し借りの金利はマーケットにおいて「無担保コール翌日物金利」と呼ばれています。本金利は日本銀行の金融調節の操作目標にも採用され、日本の代表的な短期金利の指標として非常に重要視されています。
日本銀行は、毎月の金融政策決定会合において、金融経済情勢の検討の下で金融市場の調節方針を決定しており、その中で本金利の誘導水準を示しています。
日本銀行が本金利を金融調節の操作目標としている理由には、無担保コール翌日物取引が、当日の金融機関における資金過不足を最終調整する場であり、資金供給・吸収オペレーションによる誘導が比較的容易であることが挙げられます。
また、他の取引レートの判断基準になりやすく、さらには期間が長めの金利形成にも影響を与えやすいことなども理由として挙げられます。
また、準備預金制度の対象になっている金融機関は、受け入れている預金等の額に応じて、日本銀行に対し一定額を預金する義務があります。この制度に基づき、日本銀行に準備預金として預け入れしなければならない最低の預金額が、「法定準備預金額」です。
金融機関によっては、各種の取引や日々の決済などでお金が活発に動き、日によって一時的に必要とされる準備預金が確保できない状況に陥るときがあります。
このような場合は、お金に余裕のある別の金融機関に依頼し、翌営業日まで一時的にお金を借りて準備金を確保するのが通常です。無担保コール翌日物はこのようなときに使われたりもします。
読み方
ムタンポコールヨクジツモノ・むたんぽこーるよくじつもの
同意語