長期保有するスタイルでFX取引を行う場合のポイント
FX初心者のお役立ち情報
FX取引には、その取引の期間の違いによってさまざまな手法が存在します。FX投資初心者は、まずこの取引手法の違いについて知っておく必要があるでしょう。具体的な取引手法は、デイトレードやスイングトレード、ポジショントレードなどがありますが、それぞれの特徴を確認した上で、特にポジショントレードについて詳しくご紹介します。
デイトレード、スイングトレードの違いについて
デイトレードとは?
FXのデイトレードとは、株のデイトレードと同じで、数時間から数分といった短い時間で売買を繰り返す取引手法です。1つ1つの取引の利益は小さくても、取引数を増やすことで利益を積み上げていくことが特徴の取引手法です。この方法で取引すると、資金の待機ロスが少なく常に資金が運用されている状態に近くなりますので資金効率が良くなるメリットがあります。
また、短時間で取引を手仕舞いしていきますので、個々の取引で大きな損失を出す可能性は低くなるメリットもあります。一般的には、当日の終わりまでにすべての取引を完了させ、翌日にポジションを持ちこしません。1日単位で取引を完結させるため、デイトレードと呼ばれるのです。
頻繁に売買を行いますので、FXブローカーを選ぶときは、取引手数料が安いブローカーを選ぶことがポイントになります。会社員の就業時間中の短い空き時間で取引できる点に魅力を感じる人も多い取引手法です。
スイングトレードとは?
スイングトレードとは、数日間から数週間で取引を完結させるタイプの取引です。デイトレードよりは長い期間ポジションを保有することになりますが、この方法もデイトレードと同様に短期取引に分類されます。
そのため、通貨を発行している国の経済状況などの分析によって長期的な相場変動を判断するファンダメンタル分析よりも、短期的な為替レートのチャートなどを分析して短期的な為替レート動向を予想するテクニカル分析が重視されることが多いです。
デイトレードは、1日中パソコンなどの前でデータをチェックすることになります。極端なことをいえば一瞬の気の緩みも許されない取引といえます。しかし、スイングトレードは、1日に数回程度、重要な指標のチャートなどをチェックするだけでも十分対応できます。デイトレードのように1日中取引するのは無理な人でも、スイングトレードなら取引できる点が魅力です。
ポジショントレードとは?基本と特徴
ポジショントレードの手法とコツ
ポジショントレードとは、ポジションを長期保有するスタイルの投資です。デイトレードが1日単位、スイングトレードが数週間程度で取引を完了するのに対し、ポジショントレードは数か月以上ポジションをキープする長期保有が特徴です。
ポジショントレードのコツは、長期保有している間に予想外の為替変動により損失が拡大しロスカットせざるを得ない状況を回避することです。そのため、レバレッジの倍率を1倍から5倍程度に抑え、ロスカットの幅を比較的大きくとる必要があります。
長期的な為替変動による為替差益を狙うためには、テクニカル分析だけでなくファンダメンタル分析も重要になります。大きな為替変動によって狙っている通貨が暴落したタイミングでその通貨を購入すると、長期的な利益が狙いやすくなるでしょう。また、長期保有することによって、スワップポイントも長期間入ってくることになるメリットもあります。
通貨ペアはこうして選ぶ
どの通貨ペアを選ぶかについてのポイントは3つあります。1つ目は、ご自身の得意な通貨ペアを選ぶことです。得意な通貨ペアは、過去に蓄積した情報が多く、ファンダメンタルに関しての知識も豊富なはずです。そのため、長期的に割安になっているタイミングなどが判断しやすいでしょう。
2つ目は取引量が多く流動性が確保できるメジャーな通貨ペアを選ぶことです。取引量が少ないマイナーな通貨ペアは、投機的な売買や突発的な政情不安などによって予期せぬ為替変動が発生し、想定外の損失を被る可能性があります。ファンダメンタル分析による判断が通用しにくい面がありますので避けた方がよいでしょう。一般的には、新興国通貨のペアよりも先進国通貨のペアの方がポジショントレードには適しているでしょう。
3つ目はスワップポイントが高い通貨ペアを選択することです。ポジションを長期保有しますので、スワップポイントが高ければその分による利益の拡大も期待できます。
ポジショントレードに役立つチャート
ポジショントレードでは、長期的な為替レートの変動に注目する必要があります。長期的に安くなっていく通貨であっても、1日単位では上下動がありますのでデイトレードであれば稼ぐことはできます。しかし、ポジショントレードでは、長期的なトレンドが上昇傾向になった時に購入して、下降トレンドに入る前に売却するのが取引で利益を得る基本になります。そのため、長期的なトレンドが把握できるチャートを利用することをお勧めします。
具体的には、21日指数移動平均線が役に立つでしょう。また、もう少し長い25日平均や75日平均のチャートも併用すれば、長期的なトレンドをより把握しやすくなるはずです。それぞれの為替レートの動きが平均線を下から上に突き抜けて来たら購入タイミングの目安と考えてよいでしょう。
ポジショントレードにおけるチャートの見方
大きな売りが発生した場合にはこう見る
一般的には、21日移動平均などのチャートを見ながら、平均線よりも上で為替レートが変動しているうちは上昇トレンドが続いていると考えてよいでしょう。このトレンドが続いている場合は、押し目買いを入れるという選択肢もあります。逆に、平均線との幅が小さくなっていき、平均線を上から下に切ってきたら売り時ですので利益確定を考えた方がよいでしょう。
しかし、金融トラブルの発生などによって大きな売りが発生する場合は、一般的な売買タイミングの判断では通用しないケースがあります。大きな売りが発生している時のポイントは、長期的な為替レート変動を見て前回の安値を確認します。前回安値を超えてさらに下がっていく場合は下げ止まった時に買いを入れると底値で買える可能性が高くなります。
ただし、新興国通貨の場合は、前回安値が目安とならないケースもありますので、慎重に相場の流れを見極める必要があるでしょう。
ポジショントレードを行う場合の注意点とは?
ポジショントレードは長期間ポジションをキープすることになりますので、ポジショントレード特有の注意点があります。注意すべき点は、長期的にポジションを持ち続けることにこだわり過ぎないことです。ご自身が予想したトレンドとは違った相場になっていると感じた場合は、一度取引を手仕舞いすることも大切です。
ポジショントレードの場合はレバレッジを低めに抑えているため、ストップロスを入れない場合もあります。また、ストップロスを入れていても、そのラインまで余裕があるケースも多いです。しかし、トレンドが明らかに予想と違ってきている場合は、損失が拡大する前に仕切り直しをする勇気も必要でしょう。
また、スワップポイントの変化にも注意が必要です。プラスだと思っていたスワップポイントが、金利政策の変更などでゼロになりマイナスに転じる可能性もあります。ご自身の見極めルールを作り、実行することが大切です。
取引に合った取引ツール
ポジショントレードをする場合は、取引に合ったツール選びも大切なポイントになります。レバレッジを低めに抑える分、多額の証拠金をFXブローカーに預けることになるケースが多いですので、信頼できるブローカーで取引をすることが重要です。
ポジショントレードでは暴落時に購入取引を行うこともありますので、どんな状況でも安定して取引ができるツールを選ぶ必要があります。具体的には、サーバーが安定している取引ツールを選ぶとよいでしょう。一般的には、顧客数が多く古くから営業を続けているブローカーのツールは安定した性能を発揮することが期待できます。