年末年始の為替市場の動向
海外FX初心者のお役立ち情報
兼業トレーダーの中には「年末年始の長期休暇の間は本腰を入れてFXトレードをしよう!」と考える人も多いと思います。また、日本では12月23日が「天皇誕生日」として祝日であるため、同日に「じっくりとトレードするか!」と考えるかもしれません。
しかし年末年始は金融機関をはじめとした企業も休暇をとっているため、FXトレードも低調なのではないかということにも考えが及ぶでしょう。また、多少事情を知っている人なら、「海外はクリスマス休暇が長いのでは?」と思うかもしれません。
実際のところ、どれが真実なのでしょうか?
アメリカでは12月24日~1月1日がクリスマス休暇として休みになる
為替市場にもっとも影響を及ぼすアメリカでは、基本的に毎年12月24日から翌年の1月1日までがクリスマス休暇となっています。
日本ではクリスマスでいったん休暇やイベントが終了して、ほどなく「正月」という一大イベント&休暇がやってくるというイメージですが、アメリカではクリスマス前から元旦までが「クリスマス休暇」と一括りにされているわけです。
クリスマス休暇の間でも平日であれば為替市場が開いているため、FXトレード自体を行うことはできます。ただし、企業活動が停止している上に金融機関の為替ディーラーも休みをとっているため、市場参加者は極端に少なくなります。そのため、為替の流動性が低くなり取引自体も極めて低調となります。
さらに、クリスマス休暇前は為替ディーラーがポジションを決済するために、一般的に相場が荒れやすいといわれています。
以下に、一般的な年末年始の為替市場クローズ状況を記載します。
12月24日 | アメリカがクリスマス休暇のため、為替市場は開いているもののトレード自体は低調 |
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12月25日 | 日本以外のほぼすべての主要国が祝日(クリスマス)で休場 |
12月26日~31日 | 日曜以外、為替市場は開いているがクリスマス休暇自体が続いているためトレード自体は低調 |
1月1日(元旦) | 世界中の為替市場が休場 |
1月2日~1月第1週いっぱいまで | 為替市場は通常に戻りアメリカの休暇も明けているが、クリスマス休暇の直後のためトレード自体は低調 |
12月24日~1月3日までは注目度の高いアメリカ経済指標の発表はなし
アメリカ以外についても、キリスト教徒が中心となるヨーロッパやオーストラリアなど世界の主要国のほとんどはクリスマス当日(12月25日)、あるいはクリスマスイブ(12月24日)から元旦(1月1日)までは、「クリスマス休暇」と称して休日となる国がほとんどです。
またイスラム教徒が多いインドネシアや、多様な宗教や民族が入り交じっているマレーシアやシンガポールといった国々でも、クリスマス当日(12月25日)は祝日となっています。
年末年始はディーラーも休みをとるため流動性が低くなる...
「為替市場への参加者が少ない年末年始は少ない資金で為替相場を動かすことができるため、相場が乱高下して利益も取りやすいのではないか?」と思う人もいるのではないでしょうか。
しかし相場の流動性が低くなると、大量に為替を売ったり買ったりすることが難しくなります。約定しやすいFXブローカーでも約定しにくかったりスリッページが発生したりすることもあります。
為替相場がほとんど動かないと思っていたら、突然、相場が急変動することもまれに起こり得ますし、レート配信が滞ったりする可能性もあります。
そのため、積極的に参加しようとするプロトレーダーは少ないようです。もしも年末年始にFXブローカートレードを行うとしたら、細心の注意を払って行うことが必要です。
ただし、悪いことばかりではありません。
日本人トレーダーが多く参入してくる年末を狙って、キャンペーンを実施している海外FXブローカーも多く存在しています。年末年始にトレードをしたいのであれば、各FXブローカーのキャンペーンをチェックしておきましょう。
年末年始は例年、円安傾向になることが多い
12月~1月にかけての為替相場傾向を見ると、年末年始を海外で過ごす日本人が円を外貨に換金するという動きが見られ、円売りから円安になりやすい傾向がみられます。例年、12月からこの動きが表れ、1月もその流れを受けやすくなっています。
今年度の場合も12月は円安傾向で推移しています。ただし、経済情勢や政治情勢などにより、異なる傾向になる場合もあります。
参考までに記載しますと、ゴールデンウィーク期間は例年、円高傾向となっています。
ゴールデンウィークは日本だけの祝日ですから、日本の為替市場が休場していても海外の市場はすべてオープンしているため、為替相場は動きます。
ゴールデンウィークに円高になるという傾向に関しては明確な理由はないのですが、「日本人ディーラーが休んでいる間に海外ディーラーが円高へと攻めてくるから」だとも言われています。
クリスマス休暇明けや正月明けは海外FXブローカー自体もお休み
取引自体が低調でも為替市場が開いているのであれば、FXトレードを行いたいというトレーダーもいると思います。その場合、FXブローカーの取り引き可能な日程や時間を気にする必要があります。
まずクリスマス当日の12月25日をみてみましょう。国内FXブローカー、海外FXブローカー共にトレードはお休みとなっています。ただし、12月25日が平日の場合、国内FXブローカーであれば東京の為替市場が開いている15時前後まではトレードを行うことが可能です。
そして12月31日には、国内FXブローカー、海外FXブローカー共にクローズ時刻を早めています。休業とするブローカーも存在します。
次に、1月1日(元旦)をみてみると、世界中の為替市場が閉場しているほか祝日でもあるため、国内FXブローカー、海外FXブローカー共にトレードはお休みとなります。
1月2日については、日本以外の主要国にとってはクリスマス休暇が明けているため、海外FXブローカーなら「通常どおりの営業をしているだろう」と考えるかもしれません。
しかし実際には海外FXブローカーが本拠を置く場所の朝時間からのトレードスタートとなります。そのために例えば、「XM (エックス エム) 」の場合なら本拠を置くキプロスの朝時間からのトレードスタートですから、1月2日の夕方まではトレードができません。
そのため、国内FXブローカー、海外FXブローカー共に通常どおりのトレードができるようになるのは、1月3日からとなります。
休みの前にはポジションを手仕舞いしておこう!
日曜日と祝日を除き、年間を通じてFXトレードできない時間帯が発生するのは、(海外FXブローカーにおいては)12月25日明けと12月31日最終日の短縮営業、それに元旦(1月1日)明けだけです。
その際に気をつけたいことは、うかつにポジションを持ったままでトレードができない時間帯に突入しないこと。
年末年始はトレードが低調だとはいっても、なんらかの経済情勢や政治情勢の変化により為替レートの急変が起こらないとは断言できません。そのときに保有しているポジションの思惑と逆の方向へと為替レートが進んでしまえば、大きな含み損を抱えてしまうことになります。
しかも、これらの時期には海外FXブローカー自体が休んでいるため、いくらサポートが充実しているブローカーでもコンタクトをとることはできません。
クリスマス休暇明けと、12月31日最終日の短縮営業&正月明けの前には必ず、ポジションを手仕舞いしておくことをお勧めします。その際、日本との時差がありますので、取引時間を事前によく確認し頭に入れておいてください。