雇用統計
2018.11.05
雇用統計とは、米厚生労働省が毎月第1金曜日に発表する経済指標をいいます。失業率、非農業部門雇用者数、小売業雇用者数、製造業雇用者数、週労働時間、平均時給などの10項目からなる発表です。
仕事を持ち、可処分所得に余裕がある人が増えて、モノやサービスの購入が増加すれば、経済活動は活発になっていきます。つまり、雇用環境の良し悪しが経済活動の活発さにつながっていると考えられるわけです。
このような観点から、雇用統計はその国の経済活動を象徴する統計として、数ある経済指標の中でも最も影響力の大きなものといわれています。なお、経済関連の話題で「雇用統計」と呼ぶときは、日本のものではなく米国の雇用関係の指標を指すことに注意しましょう。
現在、米雇用統計は、世界の経済指標の中で最も注目されており、外国為替市場や株式市場などのマーケットは、この発表の前後で大きく動くことになります。また、本統計の中でも「非農業部門就業者数」と「失業率」の2項目が特に注目されており、FOMC(連邦公開市場委員会)の金融政策の決定にも大きな影響を与えます。
米国の雇用の状態が諸外国でも重視されている理由は、この数値に外国為替市場や株式市場が敏感に反応するためです。また、マーケットだけではなく、政府機関の意思決定にも影響します。例えば、失業率と、非農業部門雇用者数の増減は米連邦準備理事会(FRB)の経済政策を左右します。
なお、毎月、米雇用統計に先だって、消費者信頼感指数、ISM(統計数理研究所)製造業景気指数、ADP(オートマティック・データ・プロセッシング)雇用統計などでも雇用関連の数値の発表があり、これらを参考に様々な思惑で取引が行われ、米雇用統計に向けてマーケットは大きく盛り上がっていくことになります。
読み方
コヨウトウケイ・こようとうけい