ECB理事会
2018.07.31
ECB理事会とは、ユーロ圏の統一的な金融政策を担う欧州中央銀行(ECB)の最高意思決定機関をいいます。総裁・副総裁を含むECB幹部6人とユーロ圏各国の中銀総裁で構成され、原則として月に2回、ドイツのフランクフルトのECB本部で定例会合を開きます。
通常、1回目の会合では、政策金利の見直しや金融市場の安定策などを話し合い、また会合終了後のECB総裁の記者会見はマーケットでも注目されます(米国や日本とは異なり、議事要旨は公開していません)。
一般に金融政策面で最重要の目標に掲げているのは、ユーロ圏の物価安定(消費者物価の上昇率を一定範囲内に抑えること)であり、米国のFOMC(連邦公開市場委員会)や日本の日銀政策委員会に比べて金融緩和には慎重とされています。
また、組織面では、本理事会の政策判断への政府介入が法律で禁じられるなど高い独立性が確保されています。
なお、金融政策については、一人一票の多数決または話し合いによる合意で決められますが、FOMCや日銀政策委員会などに比べて議決権を持つメンバーが多いため、マーケットへの対応で求められる迅速な政策決定ができないこともあります。
ECB理事会によって決定される金融政策は、アメリカのFRBによるドルの金融政策と並び、世界経済に大きな影響を与えます。ECB理事会の役割は、ユーロという複数の国が使用する通貨に関する政策決定を行うことです。景気の良い国と悪い国が混在するユーロ圏各国に対して同じ政策金利が適用されることになるため、ECB理事会は難しいかじ取りを迫られます。
ECB理事会は、注目度の高い金融政策決定目的以外でも開催されます。ユーロ圏各国の金融政策以外である人事制度やユーロ紙幣デザイン選定などのために開催される理事会です。この理事会については、金融政策決定目的の理事会よりも市場からの注目度は低いです。
読み方
イーシービーリジカイ・いーしーびーりじかい