固定相場制
2018.11.05
為替相場には2つの種類があります。固定相場制と変動相場制です。固定相場制とは、為替相場の変動を一定の値に固定または制限することをいいます。昔はドル/円相場で固定相場制が用いられていることから 1ドル=360円と固定されていました。現在のドル/円は変動相場制です。
固定相場制のメリットとしては、為替の変動がないことから貿易が安定することです。変動相場制での貿易は自国通貨が割高になれば、輸出産業にダメージを受けますが、固定相場制ではそのようなことが起こりません。
デメリットとしては相手国の金利に左右されることがあります。例えば、米ドルを固定している国の場合、米国が金利を上げた時に、自国の景気動向や金融政策にかかわらず米国に追随して利上げしなければならなくなります。
為替レートは常に変動を繰り返しているため、必ずしも希望の通りの価格で約定することは出来ません。実際の発注と約定の差(ズレ)を指してスリッページといいます。 相場の動きが大きい時に良く起こる傾向があります。
もともとストップ注文は、指定したレートよりも実際のレートが一定方向へと進んだ時点で自動的に成行注文に切り替わり、その瞬間のレートで成立するという仕組みになっているため、差が出てしまうと考えられています。 相場の変動(急落や急騰)が激しいときには、100円で発注し、99.80円で約定してしまうこともあります。
また、日本では1970年代初頭まで1ドル=360円の固定相場制を採用していました。ちなみに、米ドルに連動させるものをドルペック制と呼びます。この制度のメリットは貿易収支の安定化です。
変動相場制のもとでは、自国通貨が高くなれば、同じ商品やサービスを輸出しても為替差損が発生します。固定相場制ではその心配がありません。デメリットは、固定先の相手通貨と金利が連動してしまうことが挙げられます。
自国の経済状況や金融政策にかかわらず、相手先が金利を上げると追従して利上げが必要になり、金融政策の独立性が損なわれてしまいます。
読み方
コテイソウバセイ・こていそうばせい