口先介入
2018.06.21
口先介入とは、政府や中央銀行などが、為替レートに影響を持たせるような発言をすることをいいます。実際に介入する事はないものの、今後の市場に影響を与える事があります。
発言だけで為替相場などに大きな変動をもたらすことを想定しているため、口先介入を行う主体は政府高官や中央銀行などの金融当局といった、大きな発言力を持っているところになります。 特に、自国の通貨を下落する方向に誘導することをtalk down、上昇する方向に誘導することをtalk upなどと呼ぶこともあります。
例えば政府や日銀が円高が進んだときに「必要に応じて断固たる措置をとる」などと発言する事がありますが、これは本当に介入して行く事を意識させる事により円高を食い止めようとする口先介入に当たります。
本来、政府首脳や金融当局者が為替相場の水準に対して言及するのは禁じ手ではあります。政策的に誘導することを目的とはしているものの、実際には、この口先介入によって相場が大きく変動することは稀です。特に日本国内においては、口先介入的な発言をされることは比較的頻繁かつ安易に行われるため、市場参加者たちも想定の範囲内として、そこまで大きな動きを見せることは少ないようです。
ただし、各国の首脳や政府高官が同時に重要な発言をした場合においては、大きな相場変動の可能性があります。
また、市場の危機時など、一国だけでなく複数の国が協調してこうした表明を出す場合もあり、これについてはある程度効果は見込めます。
読み方
クチサキカイニュウ・くちさきかいにゅう