ゼロサム
2018.07.20
もともとゲーム理論で用いられる概念をゼロサムといい、利益と損失を合計(サム sum)するとゼロになるという考え方のことです。一方の利益が他方の損失になることであり、幅広く使われる用語です。
一般にマーケット(市場)においては、一方が利益を得たならば、もう一方は損をして、全体としてはプラスマイナスゼロになることをいいます。ゼロサムの説明では「パイの大きさが決まっている」などという表現がよく使われます。全体の大きさが決まっているなら、誰かが多く取ると、他の人の取り分が少なくなるわけです。
FXにおいては10%未満の人が利益を出し、90%以上の人が損失を出しているといわれるため、一部の人が莫大な利益を上げている世界であるということがゼロサムの定理から分かります。
一方の利益が他方の損失になることであり、現在はさまざまな領域で幅広く使われる用語となっています。例えば、為替取引などは市場全体の規模や価値が増加しているわけではありません。二国間取引の場合は、一方の為替レートが上昇すれば、他方のレートは下がります。
このようなゼロサムの状態で行われる取引は一般的に「ゼロサム・ゲーム」と呼ばれます。これに対し、需要によって市場全体の規模が変動する株式市場での取引などは、ゼロサムではないので「非ゼロサム・ゲーム」と表現することがあります。
読み方
ゼロサム・ぜろさむ