世界の株価指数 (インパクト大編)
海外FX初心者のお役立ち情報
経済ニュースや新聞などを毎日のように賑わす「日経平均株価」や「ダウ平均株価」は、株価指数と呼ばれています。この株価指数はさまざまな主要国家やEUといった経済共同体にあり、1つの国の中でも複数の株価指数が存在しています。
この株価指数の変動はFXマーケットに大きな変動を与えますが、変動のインパクトが大きな株価指数もあれば、あまりインパクトを与えない株価指数も存在します。
ここでは株価指数がFXマーケットに与えるインパクトについて説明していきます。
株価指数は国の経済状況を知る上で大事な数字
そもそも株価指数とは、株式市場全体の値動きを総合的に捉えるために、複数の銘柄の株価を一定の計算方法によって指数化し、継続的に算出・公表されているもののことを言います。
とはいっても世界の株式まとめて指数にするといったものはなく、特定の株式市場ごとに表示されます。例えば、日本の「東京証券取引所市場」第1部に上場するすべての銘柄の株価をもとに算出されたものは「東証株価指数(TOPIX)。
アメリカの電子株式市場「ナスダック(NASDAQ)」に上場しているすべての銘柄の株価をもとに算出されたものは「ナスダック総合指数」。
中国の香港特別行政区の「香港証券取引所」で売買される銘柄のうち、主要50銘柄を時価総額加重平均で算出した株価指数のことは「ハンセン指数」。というように呼ばれています。
株価指数の算出方法には、「東証株価指数(TOPIX)」「ナスダック総合指数」に代表される「株価平均型(修正平均)」や、「ハンセン指数」「EURO STOXX 50(ユーロ・ストックス50指数)」に代表される「時価総額加重型(加重平均)」のほか、いくつかの手法があります。
この株価指数は、世界各国で導入されており、それぞれの国の経済状況を知る上で重要な情報となっています。また、「日経225先物」や「日経225オプション」などのように先物取引やオプション取引のデリバティブの原資産としても利用されています。そのほか、株価指数に連動する上場投資信託(ETF)などにも利用されるなど、さまざまなトレードへと派生している状況です。
225銘柄の株価の平均値である「日経平均株価」
日本人にとって馴染みが深い「日経平均株価(日経225)」がスタートしたのは、1950年9月7日のことでした。当初は東京証券取引所自体がこの株価指数を算出していたのですが、1970年7月1日から日本経済新聞社が指数の算出を引き継ぎ、株価指数に「日経」の文字が冠されるようになりました。
また、東京証券取引所第1部で取引される株式のうち、主要な225銘柄の株価を平均することで指数を算出していることから「日経225」と名付けられており、1989年12月29日には過去最高値である「3万8915円87銭」を付けています。
算出方法は基本的には225銘柄の株価の平均値ですが、分母(除数)の修正などで株式分割や銘柄入替など市況変動以外の要因を除去することで指数値の連続性を保っています。
日本株のベンチマークとしても利用される「東証株価指数(TOPIX)」
日本における株価指数として、「日経平均株価(日経225)」と並ぶものに「東証株価指数(TOPIX)」があります。
「東証株価指数(TOPIX)」は「日経平均株価(日経225)」と異なり、東証一部に上場している普通株式全銘柄を対象とした「時価総額加重型」となっています。日常的には「日経平均株価(日経225)」のほうがよく聞くと思いますが、日本株のベンチマーク(運用成績の評価尺度)としては「東証株価指数(TOPIX)」のほうが利用されています。
「ダウ平均株価」は世界の経済動向を表すバロメーター
アメリカでもっとも有名であり、世界経済へのインパクトも非常に大きい株価指数が「ニューヨークダウ工業株30種平均株価」です。この株価指数は一般的に「ダウ平均株価」と呼ばれており、アメリカの経済動向、ひいては世界の経済動向を表すバロメーターとして広く浸透しています。
この「ダウ平均株価」は、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが、アメリカのさまざまな業種の代表的な銘柄を選出し、工業株30種の平均株価をリアルタイムで公表する「株価平均型株価指数」となっています。なお、「ダウ平均株価」には工業株以外にも、鉄道株20種、公共株15種、総合65種なども存在します。
米国大型株の動向を表す「S&P500種株価指数」
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスでは「ダウ平均株価」以外にも、アメリカの証券取引所に上場された代表的な500銘柄から算出される「S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)500種株価指数」と呼ばれる株価指数も公表しています。
「S&P500種株価指数」は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)、NYSE MKT、NASDAQに上場する500銘柄(24産業グループ)の株価を、浮動株調整後の時価総額比率で加重平均して指数化したものです。
株価指数としては「ダウ平均株価」のほうが有名ですが、「S&P500種株価指数」はアメリカ株式市場の時価総額の約80%をカバーし、米国大型株の動向(米国経済のパフォーマンス)を表す最良の単一尺度として認められています。そのため、機関投資家の運用実績を測定するベンチマークとしてもよく利用されています。
ハイテク企業やIT企業が中心の「ナスダック総合指数」
「ダウ平均株価」「S&P500種株価指数」と並び、アメリカの代表的な株価指数として知られているのは、「ナスダック総合指数」です。この指数は、アメリカの電子株式市場「NASDAQ」に上場している3000以上の銘柄すべてを対象に、時価総額加重平均で算出したものです。
「NASDAQ」は新興企業向けの株式市場ですが、MicrosoftやApple、Amazon、Google、Facebookなどといった、名だたるシリコンバレーのハイテク企業やIT企業を中心に構成されており、マーケートに対するインパクトも無視できないものとなっています。
株価指数が上がれば為替レートも上がるのが一般的
次に、株価指数とFXレートとの相関関係を見てみましょう。ある国の株価が上がるということは、その国の経済力が高くなっていることになります。そうなると一般的に、「その国の通貨価値=為替レート」も上がりやすくなると考えられます。
そのため、アメリカの代表的な株価指数である「ダウ平均株価」が上昇すれば、アメリカの経済状況が良くなっているとマーケットでは捉えられ、「ドル円レート」でいえば必然的に「ドル高、円安」となっていきます。
では日本の代表的な株価指数である「日経平均株価」と「ドル円レート」との相関関係を見るとどうでしょうか。
一般的な考え方からいえば、「日経平均株価」が上昇すれば「円高、ドル安」へと動くと思われがちです。しかし日本では輸出型の企業が経済を支えているため、「円安ドル高へ→アメリカで日本製品が安く買える→輸出企業の売上高が増す→日本経済にとってメリット」という構図ができあがり、「日経平均株価(日経225)」が上昇すれば「円安、ドル高」へと動くとされています。
そのため日本では、「その国の通貨高と株価高は同時に起こる」という一般的な現象とは逆のことが発生しているのです。
マーケットに影響を与えるアメリカ、日本の株価指数以外にも株価指数は存在している!
日本でFXトレードをする際、マーケットへ大きなインパクトを与えるのは、ここで紹介したアメリカ、そして日本の株価指数です。しかし世界を見渡せば、マーケットにある程度のインパクトを与える株価指数はヨーロッパやアジアを中心に数多く存在します。
そこで次回は「世界の株価指数 (インパクト中~小編)」と題して、アメリカと日本以外の株価指数を紹介します。