「約定力」が命!?海外FX業者を選ぶポイント
海外FXに関する基本知識
海外FX業者を選ぶ際に注目するポイントは様々あるかと思いますが、スプレッドやレバレッジと同等あるいはそれ以上に重要となるのが約定力です。約定力が低い業者では思わぬ損失を被る可能性もあります。今回は海外FX業者ごとに異なる約定力について詳しく解説します。
海外FX業者の約定力に注目しよう
約定力とは
そもそも、約定力とは海外FX業者がトレーダーから受けた注文を成立させる能力のことです。FX初心者の中は「海外FX業者は注文を全て成立させられるのでは?」と思う方もいるかと思いますが、実際には、米国の雇用統計など為替に影響を与える重要経済指標の発表直後は注文が一気に集中し、発注した売買オーダーが不成立になることもあります。注文が成立しなければ損益が確定したことにはなりません。
したがって、約定力は取引量が少ない平時よりも、為替相場が大きく変動するシチュエーションで更に重要度が増します。「スプレッドが狭いから取引コストが少ない」と判断し約定力が低い海外FX業者を使った場合、取引が集中する重要なタイミングでオーダーが成立せずに、不利なレートで売買せざるを得なくなり、結局コストが高くついてしまうという可能性もあります。
約定スピードと約定率
一言に約定力といっても、その能力は約定スピードと約定率の2つに分けられます。
約定スピードは、海外FX業者の取引画面で、トレーダーが売買を決定するボタンをクリックしてから実際に取引が成立する(=約定する)までの時間のことを指します。約定スピードが遅いと、注文した時のレートと約定した時のレートが異なる場合もあり、そのことを、「滑る」という意味がある「スリッページ」と表現します。スリッページが発生すると、自分の意図したタイミングで売買ができないので、なるべく起きないようにしたいものです。
次に約定率とは、スリッページや希望金額とは異なる取引金額が提示されるリクオートが発生することなく売買が成立した確率のことで、約定数を注文数で割ると求められます。例えば約定率が99.50%としている海外FX業者は、1,000,000回の注文の内、995,000回は意図したタイミングで売買が成立したものの、5,000回はスリッページまたはリクオートが生じたということを意味しています。
約定力が低い場合に起こりうる悲劇
海外FX業者を選ぶ際に約定力にこだわるのは、約定力が低い場合のデメリットが深刻だからです。「少々のズレだったらそれほど影響はないだろう」などと軽く考えるのは禁物です。海外FX業者の約定力が低く、意図したタイミングでの取引が成立しないと思わぬ損失が発生することになりかねません。
例えば、米国の重要な経済指標が間も無く発表されるという中、米ドル/円を100,000通貨保有した状態で、108.15円で利益確定の売りの指値を入れているとします。108.02円だったレートは、指標の発表を受けて瞬間的に108.25円近辺まで進み、その直後には108.08円まで戻る乱高下の動きを示しました。約定力が高い海外FX業者であれば、指値注文は問題なく成立しますが、約定力が低ければ、殺到する注文に処理が追いつかず取引が不成立となり利益を取り逃がしてしまう可能性があります。
また、スリッページが発生した場合を見てみましょう。同じように米ドル/円を100,000通貨保有し、含み損を抱えて損切りのタイミングを見計らっている状態と仮定します。現在108.02円のレートが、円高基調であるために107.85円で逆指値注文を入れたのちに、為替相場が一気に円高に振れて107.50円まで進みました。利用していた海外FX業者の約定力が低く、スリッページが発生したため約定したのは107.55円だったことが判明します。この場合、本来の損切りラインよりも30銭(=0.3円)も円高の状態で取引が成立してしまったため、0.3(円)×100,000(通貨)=30,000通貨分も余計な損失を被ることになってしまいます。
短期取引の成否は約定力にある!?
スキャルピング取引では約定力がまさに命
これまで見てきた約定力ですが、短期取引ではその重要性はさらに増します。例えば、超短期間で売買を繰り返すスキャルピング取引は、小幅な利益をコツコツと積み重ねる取引手法です。そのため、わずかな利益が発生したタイミングを正確に捉えて、素早く発注しなければなりません。しかし、海外FX業者の約定力が低ければスリッページが起こってしまうため、意図したタイミングでの取引が成立せず、利益を上げられないどころか損失が発生してしまう恐れもあります。
このため、スキャルピング取引を行おうと考えているトレーダーの方は、他の取引手法を行う場合よりもシビアに海外FX業者の約定力を見極めなければなりません。
海外FX業者によって異なる約定力
約定力が海外FX業者ごとに異なるのは、その要因の一つとして各業者が使っているサーバーの処理能力が関係すると言われています。全ての海外FX業者が同じサーバーを使っているわけではなく、競合他社と差別化するために海外FX業者はそれぞれ異なるサーバーを構築して運用しています。売買の注文が殺到した状態でも問題なく処理できるほどの性能を持ったサーバーかどうかを見極める必要があります。
海外FX各業者の約定力
海外FX業者の約定率は、国内FX業者より高い?
一般的に海外FX業者は国内FX業者よりも約定率が高くなっています。それは両社で取引様式が異なっていることが関係しています。国内FX業者は投資家とFXブローカーが1対1で取引を行うDD方式を採用している一方で、海外FX業者はインターバンク市場の金融機関と直接取引を行うNDD方式を採用していることに起因しています。
各業者の約定力
数ある海外FX業者の中でも、XM Trading(エックス エム)は業界トップクラスの約定力を誇る業者の1つです。顧客からの注文を全て自社内でマッチングしておりヘッジ取引がないため、約定スピードが非常に早く、顧客からの高い支持を集めています。
また、新興ブローカーであるDealFX(ディールFX)は、STPとB-Bookを組み合わせた、独自のハイブリッドエクスキューション方式を開発したことで、注文の正確かつ迅速な約定を実現しています。スプレッドは非常に狭く大口の注文でも、約定が拒否されることはまずないといわれています。また、スリッページ比率や、クオート比率、カバー比率が毎月ウェブ上で公開されているので、直近のトレード統計データを随時確認することができます。
約定力について、今回は上記2社を例にあげましたが、その他海外FX業者が公表している実際の約定率や約定スピードについても、参考値として情報を収集するのがいいでしょう。
まとめ
海外FXにおける約定力の重要さをお分かりになっていただけましたでしょうか。海外FX業者を選ぶ時には、スプレッドやレバレッジなどに目が行きがちですが、約定力も海外FXでの成否を決める重要な要素になってきます。海外FX業者各社の約定力を比べた上で、スプレッドや魅力的なボーナスなどの情報をまとめた最新の海外FX業者人気ランキングも参考にしながら、自分の取引スタイルに合った海外FX業者で効率的に取引しましょう。